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西麻布の夜に語る深夜の妄想なるワンタン麺

コロナ禍での最大の出会いといっても過言でもない、コーヒープロジェクトのパートナー井崎英典さんとの妄想喫茶もなんと21回目。年末開催から2月の香港開催を予定していたのだが、残念ながら流れてしまい4ヶ月ぶりに妄想ファミリーと呼ばれる常連ゲストの方々と出会えることになった。丸本達彦デザインの妄想ユニフォームも着用して、すっかり定番感がでてきた本イベント。今回は怒涛の4セッション、そして終わってからなぜかWAGYUMAFIAのディナーセッションも井崎さんとともに妄想ブラザースとして参加するという妄想なる一日となった。終わってから、いつものようにかおたんラーメンにてミーティング。久しぶりに井崎節でスタッフとともに語り合ったので、今日はそんな話をしたい。

投資銀行内定からのオファーを蹴り、バリスタの道を進んだ彼。それはおそらくコーヒーに賭けた彼のご両親の背中をみていたこともあるだろうが、何よりも一杯で幸せになることに彼自身の生きがいを感じたからだった。世界チャンプになってから、しっかり会社にも売上を作ってから独立したいと大台の数字を残して退社。チャンピオンになったとしても生活が苦しいことは変わらなかった、大変なときもずっと支えたのが奥さんのまみさんだ。どんなに大変なときでも笑顔でいてくれた彼女、だからこそ彼のファミリーファーストの姿勢がある。チャンピオンになったら今度は海外からのオファーが殺到する、月のサラリー1000万円で家と運転手付きで移住して欲しいなど、そんなときに彼はすぐに首を横にふる。そこにフィロソフィーを感じないものには、彼は興味を示さない。そんな彼の人生観を聞きながら、僕は彼との出会いに改めて感謝したのだった。

「目の前にあるものを丁寧に向き合えないやつが、成功することなんてないんだよ」

三杯目のかおたんのワンタン麺を目前にして、彼は箸をタクトのように振りながら熱く語る。真剣に聞く、うちのヘッドシェフ二人。イエローで踊った後、アメリカ帰りだった僕は朝のかおたんで夢を語ったなぁ。子供をあやすために外に出た。かおたんの親父さんがいつものように外にいた。「そういえばさ、ミューズも閉まるんだよ」そう親父さんが教えてくれた。数十年前は10時間踊って、ラーメンと餃子を食っていた僕が、まさかバルズバーの跡地に構えた自分の店で、10時間キッチンで料理してから同じようにかおたんでラーメンを食べて、熱く話している。「やっぱりかおたんがいいですよね」そう帰りのタクシーで笑顔になる井崎さんとの妄想なる時間はやはり最高なのだった。


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