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ダイソン、ごめんなさい

老いというのは経験値のみで語る事象のことを言う。自分の経験上こうだからこれは良くないとかのあの類だ。僕の周りにはそういう人は少ないのであまり聞くことはないが、時々遭遇すると「あ〜」という閉口モードに突入する。とにかく毎日新しいチャレンジをした方がいいと僕は思う。人生の一択が決まっていたとしても、新しい経験を拒否することでもしかすると一択が入れ替わる可能性だってある。

そういえば、ダイソンの名前を聞いたのはシンガポールでだった。「ほら、あの一番高いところあるでしょ?」とローカルな友人が指をさす。「あのワンフロアーを買ったのがジェームス・ダイソンだよ。」実際に購入したのかどうかの真偽は分からないが、記憶では物件自体が20億程度だったと覚えている。その時にそんなに掃除機は儲かるのか?と思ったものだった。なんどか触ってみたが、あまり感動はしなかった、僕にとってはテクノロジーというよりもギミックマーケティングが上手い会社ということになっていた。だからあの空洞になっているドライヤーを使ってもそんなに感動はしなかった。

先日アナフィラキシーになったことがあった。その夜に当地でいただいた鮨の何かにあたったようだ。同行していたシェフも夜中にもどしたという。翌日の夕方にはなんとなく回復していたのだが、精密検査を受けることになった。アニサキスはガッツリアレルギー反応を起こしており、そしていつもながらハウスダストとイエダニの数値が上がっていることも判明した。まずは住まいからというわけで、家の掃除について色々と再考してみることにした。今まで見向きもしなかった一度ダイソンを試してみようと思った。冒頭の「経験値のみで語りだす」自分の存在が見え隠れしていたからだ。手にとったのはレーザーでホコリが見えるというタイプのコードレスだった。

仕事帰りから1時間、ずっと掃除をしている。僕のように朝型に仕事をしている人間にとってはなかなか朝掃除をするということはできず夜の掃除となる。そんな暗い部屋にこのヘッドから出るノズルから放たれる緑色のレーザーが威力を発揮する。昼間だとさほどこのレーザーの意味がないのが、とにかくゴミが可視化されるのだ。通常の光では全く見えないゴミが、暗い部屋の中でこのレーザーを当てるとゴミが浮き出してくる。ゴミを可視化しただけ、こんなにも掃除が楽しくなるなんて思ってもいなかった。うーん、一気にダイソン株あがったなぁ。。。新しい一択の登場だ。


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