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カウンターカルチャーの魅力

カウンターが好きだ。お店のデザインもカウンターを中心に考えるし、自宅もカウンターが居間の中央にドンと居座っている。料理屋さんも殆どがカウンターのお店に行く。ふと今日はカウンターを考えることにする。

実はこの料理におけるカウンターカルチャーは日本にしか存在しないことはあまり知られていない。ジョエル・ロブションが六本木ヒルズオープンとともに開いたのがカウンタースタイルのフレンチだった。確かソニーの子会社が日本での商標権管理をしていた関係で、連れていってもらったことを覚えている。一昨年、ショーをしたMGMベガスのロブションもカウンターが存在して、その時の光景をデジャブしたのだった。

昨日も一日の殆どの期間をカウンターで過ごした。居間のカウンターで仕事をして、カウンターでランチをして、夜の帷が下りる頃にはカウンターで肉を食い、そして地下のいつものカウンターにて、ウォルナットの一枚板の上でウィスキーを飲む。数えてみれば昨日だけで4枚のカウンターに出会っている。

僕が思うカウンターのいいところは、会食をともにしている人とと常に顔を合わさなくてもいいというところだ。もちろん一人でも利用できる。これがテーブルだとちょっとぎこちない。日本らしいコミュニケーションの距離というか間合いの取り方をカウンターに重ねるのは僕だけだろうか。そしてカウンターには動きがある。キッチン内のシェフやスタッフの動きも心地よいし、そしてオープンキッチンであれば素材が料理に変わっていく工程が見られる。バックエンドキッチンで客が見えない場所で料理が出来上がるのとは趣そのものが違うのだ。

先日カウンター材を選びに材木屋さんの立ち寄ることがあった。富山に片田舎にその倉庫はあった。そこには年数が重なった幾つもの気があった。どの木にもストーリーがあり、そして乾燥させるために数年寝かすという徹底ぶりだ。表面を触るとそこから感じられるエネルギーのようなものがあった。まだまだ僕のカウンタートリップは始まったばかり、更にカウンターカルチャーに昇華できるように研鑽を積みたい。

写真はラスベガスでのロブションイベントのメニューだ。

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