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和牛輸出で輝き増す「頂点」戦略、日経インタビュー舞台裏

あまりご存知ない方も多いと思うが、WAGYUMAFIAのコアなビジネスのひとつがトップ生産者の和牛の輸出業だ。友人のレストランを除き、ほぼWAGYUMAFIAグループのみへの輸出を自社で行っている。このコロナ化でも順調に拡大をしており、和牛全体としても2021年は輸出高最高となり、輸出単価も回復したとのことだ。この和牛輸出の前線の取材を日経新聞からいただき、僕の想いみたいなものを語った。それが以下の記事だ。

輸出単価が回復したというのはとてもいい兆しだ。日本人はとにかく安く売ろうとする。僕は高い和牛を高く売るということを大切にしている。高いものを安く買う努力をし続けるのは難しいし、高いものを高く売ることに専念することによって価格が乱高下した場合でも対応が可能だ。世界一のワインを売る時にディスカウントはしない、それが世界一の和牛を売る際に何故かディスカウントセールやダンピングセールをしてしまうのが日本人のセールス方法だ。例えば僕らが輸出卸をしていたときにぶつかったのが、日系食材商社だ。高単価な和牛が入れば他の食材が入る可能性も高いということもあって、和牛を相場の2割さげて販売していた。当時の僕のクライアントもその価格を求めてくるわけだ。そんなことをしていても和牛全体の市場活性化には繋がらないなということで、一般市場向けの流通ビジネスからいち早く撤退した。

安くて普通の和牛ではなくて、自分が納得する和牛を世界に持っていく。それが僕らのミッションだ。先日もコラムにも書いたが、世界では和牛のひとつである黒毛和種の交雑牛、純血牛の生産が盛んだ。味はもちろん本物には勝てないが、ローカライズできる強みというものもあって勝負できる値段とともに加速していくだろう。日本の和牛輸出が、市場開拓のフェーズを終えて拡大成長期に入ったときに必ずぶち当たると思うのがローカル和牛との戦いだ。それって和牛じゃないんだけどと言っても、もうすでに和牛という言葉で呼ばれているのでここからの意識修正をかけるのは大変だろう。

だから僕らのような生産者もののトップランカーを世界に輸出する、それも自前の流通網に届けていくというビジネススタイルは十二分に勝機があるのだ。WAGYUMAFIAグループ全体で、値段勝負ではなくて、皆がニッポンの和牛を世界一にするというミッションで動いている。「5ポンド安かったらそっちに切り替えるよ」「3ヶ月に一度抱き合わせで1本は無料に・・・」みたいな不毛な時間を奪われることなく、僕らの生産者が何が違うのか?実際の牧場への見学なども含めて、他の流通では出来ないことをきめ細かくやっている。あと一番重要なのは僕ら自身が食べているということだろう。誰よりも食べ方をわかっている僕らの和牛が、僕らが納得した調理方法で出される。それは手前味噌な話だが、美味しいに決まっているのである。

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