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ロサンゼルス空港、まさかの飛行機を乗り遅れる

6時には目覚めて、7時から仕事をしてミーティングする。12時40分のフライトだから、十分に時間がある。9時半には車が来る予定で、9時に娘を起こしてお風呂に入れる余裕もある。世界を代表するDJと朝のコーヒーを飲みながら、いざ定刻出発である。事件は10分後から始まる、ランナーたちの姿がみえていつもの高速への入口が塞がれている。すぐに迂回するがそこも封鎖されている。今日はあのロサンゼルスマラソンLos Angeles Marathonが開催されているのだった。すぐにリムジンの会社に電話して、どこから入れるか確認したらどうか?と提案すると、怒鳴り声で「会社に電話したら物事が解決すると思うか?俺は思わないな。」と告げてくる始末、「だったら早くハイウェイに乗ってくれよ!」と伝えると、「わかってる、わかってる。大丈夫まだ時間はある」と伝えてくる。

ロサンゼルス動物園のあたりまで北上して、そこからようやく高速に乗ることがwできた。Google mapを見ると37分で到着、その時点で10時半、助かったと思ったその10分後に再び鬼のような渋滞にぶつかる。どうやらLAX手前で事故があったらしい。ここでも右に回った方が早いんじゃないか?と指示すると、再び逆ギレして「どこ言っても同じだろう、この状況なんだぜ?」と伝えてくる。空港手前で、裏の道が実はあるんだと、ようやくリムジン会社のドライバーらしいDetour能力を発揮するがすぐに全く動かない渋滞。ユナイテッドだろ?ターミナル7だからすぐ行けるはず。と、ようやくドライバーも本気モードを出してくるが、全く動かず。11時50分を過ぎて、道路に飛び降りて走ってカウンターに駆け込むも万事休す、タイムアップ。そこからドライバーは平謝りなのだが、次の空港でピックアップするお客さんもまたしているので、早めに行かせてくれとせがんでくる。

トラブル時にトラブルに向き合っても何も解決しないので、とにかく次の便を取ることに集中する。空港はパニックである、なにせビバリーヒルズから3時間かかって空港に到着する状況である。振替えを求める人で殺到している、またここでも戦争だ。すぐにスキップして乗り越えてくる人たちがいるので、そこを阻止しなくてはならないというもはやカオス。数十分して自分のターンになり、翌日の便に振り替えてもらう。荷物は8個ある、そして泣き叫ぶ赤ちゃんも一緒だ。こういうときは限りなく冷静になるに限る。サンフランシスコにいるアシスタントとやり取りしながら、空港近くのホテルを確保しそこに荷物を移動する。タクシーは全く止まらない状況なので、ホテルのシャトルバスをゆっくり待つことにする。一人旅で荷物がひとつだったら、どうにでもなるのだが家族で移動するとなにかあったときのリスクに備えるために荷物がどうしても多い。そしてアメリカから移動させてくるものもあるから、とにかく重量級の移動が今回のようなトラブル時に機動力を失う。

ただ、僕はいつもこう考えるのだ。誰かが傷ついたわけでも、死んだわけでもない。だから幸せなのだと。有能なスタッフが取ってくれたホテルは、アーリーチェックインが可能になった。窓から見えるロスの空はとにかく真っ青だ。荷物を置いて、携帯を充電する。切り替えはとにかく早い方が、到着した日と翌日の予定をすべて変更する。そしてベニスへと向かう、チェックしたかった店が数軒ある。今日はそこを巡って、とにかく頭をクリエイティブな方向へと持っていくことにする。空港近くに滞在することなんてほぼない、映画時代にサンタモニカの映画祭に来ていた頃のことを思い出す。トラブルはいつでも起きる、そんなときにトラブルを自分のものにしないような、マインドの切り替えがとても重要だ。

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