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非科学論者には非科学なマーケティングを

海外にやってくると言われるのが「大丈夫か?」というこの質問だ。そう例の処理水の話である。僕らもチームメンバーの香港の店も「日本からの魚は扱っていないか?」とチェックの連絡が入るという。リタラシーが高い人はそんなことはないというのだが、非科学が奏でる共同幻想は科学に基づく解釈を遥かに超える時がある。そもそも日本から魚を入れることができないのにね、と香港の友人は言う。なんとも可哀想な話なのだが、日本のレピュテーションにとって良くないのでは?と心配される声も増えてきた。

科学を否定することは誰でもできる力でとても簡単だが、科学的に立証することはとても時間がかかってその道に全てを捧げた人間たちの叡智の集積みたいなものだ。これを集団否定してしまうのもホモサピエンスらしい話なのだが、勉強すればすぐ分かる話なのに、多くの人々は勉強する気持ちすらもない。

話は少し変わるが、最近インスタグラムを抜本的に見直して力を入れている。効果はてき面ですぐにそのコミュニケーションの変化に結果が出てくる。アルゴリズムの変化というが、実は受け入れられるコンテンツの伝え方が変わってきているとそう思っている。そこにチューニングしながら伝え方をデザインしていく。実は政府レベルでもこのチューニング方法が必要なのではないかと最近思うのだ。

三陸のヒラメを首相が美味しそうに食べて感想を言う。これだけでこの処理水を汚染水だと思っている人々の考えは変えることができないだろう。非科学には非科学的なマーケティング手法が必要なんだろうなぁっと思う。必ずしも科学が正しく運用されるわけではなくて、運用するのは数多の人間だということ。そんなことを処理水に対する質問、意見を通して感じるのと、ここ数ヶ月もインスタグラムのセルフチューニングのプロセスの重ね合わせて思うのだった。

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