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一家に一本、醤油の一升瓶を置こう!

「家庭で醤油を使う頻度は落ちているんだよ、みんなほら家庭で醤油なんて使わないでしょう?」

僕がそんなことを言われたのはだいぶ前のことだ。醤油蔵はみんな大変そうだった、みんな空気が入らない真空タイプの300mlサイズ近辺を冷蔵庫に入れている。僕もその時はその一人だったように思う。売れるのは味付け醤油、いわゆるそば汁とかポン酢とか卵かけご飯用とかその類らしい、いわゆる醤油単体だとみんな小容量しか買わない。

「昔は家庭にさ、一升瓶の醤油があってさ」

僕はその言葉が耳に離れず、すぐに馴染みの醤油蔵の一升瓶をWAGYUMAFIAから持って帰って使うことにした。冷蔵庫が小さすぎる場合は難しいが、冷蔵庫には一升瓶ぐらい入れておこうぜ、とみんなに伝えている。そんな生活をずっとしていて、我が家に入っている醤油は二種類あって場所は取るが2本分の一升瓶がドカンと入っているわけだ。一つは無殺菌の醤油、そしてもうひとつは火入れしている醤油。今日、火入れしている方の一升瓶が空になった。なんとなく気分から、妻に伝える。「意外と早かったんじゃない?」とそう返される。確かに普通の家庭よりは早いペースでなくなるのだろう。

小分けできる容器も買って、そこに移すこともしてみたりしたのだが、やはり一升瓶はそのまま使うのが一番いい。肉も原木がいいし、シャンパンもマグナムに限る、そして醤油は一升瓶というのが、我が家の掟だ。友人の料理人が来ても笑うが、一升瓶をみると途端に職人顔になって、料理を作ろうとしちゃうわけだから一升瓶っていうのは何か魔法がかかっているのだろう。酒も四合瓶が主流になりつつあるが、何か一升瓶というのがどうも生活の中から外せない。そんな愛くるしいやつなのだ。

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