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美味しいレストランは沢山あるが、楽しいレストランは圧倒的に少ないということ

世の中に美味しいレストランというのはごまんとある。海外が長かった僕からすれば東京のほぼ全てのレストランが旨いわけだ。ただし楽しいレストランは本当に少ない。不思議なことにみんな美味しいレストランを目指し、楽しいレストランは目指すことを忘れている人が多い。美味しいレストラン=レッドオーシャン、楽しいレストランはほぼ皆無なブルーオーシャンにも関わらずだ。

楽しさというのは美味しさよりも共有出来ることを知っているだろうか?僕は元々映画業界にいたのでよく分かる。楽しい映画はみんなが笑い、そしてニコニコしながら劇場を後にする。レストランも同じことだ、楽しさは皆が共有できるのだ。美味しさの定義というのは属人的な定義だ。一人称である。僕が美味しいと思ったら美味しいし、それを不味いって言われても「ふーん」ぐらいにしか思わない。みんなが共有しにくいから、点数で頑張って共有する方法を思いついたわけだ。食べログしかり、ミシュランしかり。

楽しさにこの点数指標はない。ディズニーランドが3つ星だから行くんだということを言っている人はいない。楽しさは共有を前提に創出されるものだから、万人が分かるような数値的な尺度を新たに設けなくとも誰でも理解できるのだ。だって楽しいんだもの。昨日もそんな瞬間があった。とある酒蔵オーナーをYAKINIKUMAFIAに連れて行ったのだった。途中からその酒蔵オーナーはスパークして、「本当に楽しい、楽しい」と連呼していた。食の話しよりもとにかく「楽しいなぁっ」なのである。普通のレストランオーナーだったら、もっと食の話しを・・・と思うのだろうが、僕が考えるレストランというのは楽しさがファーストプライオリティなのだ。

はっきり言ってこれだけの食材を使って、シンプルに調理して食べたらそりゃ美味しい。議論すべきはとにかくこの空間で楽しさをどう演出出来るか、必死に考えることなのだ。途中から地方からわざわざ食べに来てくださった方々と飲み物を振る舞ったり、談笑しあったりした。これこそがWAGYUMAFIAだなぁっと思う瞬間だった。初めての人もみんな仲良くなり、そしてみんなで食べ、みんなで飲む。積み上がったWAGYUMAFIAのHIGHBALLをスタッフも含めてシェアする。なかなか日本にこういうレストランは少ない。とにかくみんなが楽しさを演出しているから、はっきり言って無双モードに突入するのだった。


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