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因数分解で二次方程式の解の公式を導く。かなりやりやすい。

突然ですが

二次方程式
ax^2+bx+c=0

の解の公式を話題にしてみます。

解の公式とは、つまりa,b,cが何であっても通用する「一般解」の公式のことです。

これが存在するなんてすごいことですよね!

しかも中学生でその解法までできるようになってるのだから、人類は猛烈に進化しています!

昔は√(平方根)や負の数(マイナス)でさえ「存在してなかった」のですから!

とはいえこれを導くの、結構面倒です。

面倒ですが、でも、3次方程式や4次方程式だともっとかなーり大変で覚えてなんかないですし。5次以上の方程式となると、そんな一般解の公式(厳密な言い方は端折りますが)は存在すらしないのです!

そんな有難い一般解の公式を、通例の平方完成じゃなく因数分解の立場から導いてみようというのが今日の企画。

では早速やってみましょう。


まずa≠0なので両辺をaで割ります。

(a≠0とするのは、だって二次方程式だから。a=0ならbx+c=0と一次方程式になるのでやることないのです)

すると、

x^2+b/a×x+c/a=0 ☆

ですね。

これを因数分解していくのですが、いつも通り因数分解の心は、

「足してb/a、かけてc/aとなる2つの数を探す」♤

です。そういう2つの数(ここではgとhとしましょう)が分かったら、

☆の左辺=(x+g)(x+h)

となるのです。

例えば、
x^2+8x+7=(x+1)(x+7)
と因数分解されるのですが、「足して8,かけて7になる2つの数が1と7」なのですね。

もう一つ例を挙げると
x^2-6x+8=(x-2)(x-4)
の因数分解は、「足して(-6),かけて8になる2つの数が(-2)と(-4)」という数の性格を利用させてもらうわけです。


この考え方でいくと、♤のやり方でいいと思えますよね。

では先に進みましょう。

足してb/aとなるのは、なんでしょう?
分からないのでとりあえずyという記号を使って

b/(2a)+y

b/(2a)-y

だとします。ここでy≧0としましょう。

足すとb/aになりますよね。

そしてこれらをかけると、

(b/(2a)+y)×(b/(2a)-y)=b^2/(4a^2)-y^2

です。これは一般に

(m+n)(m-n)=m^2-m^2

という性質があるのですぐ計算されます。


そして、これがc/aとなるには、

b^2/(4a^2)-y^2=c/a

でなければならないのですが、

移項して
b^2/(4a^2)-c/a=y^2

左辺を通分して
b^2/(4a^2)-4ac/(4a^2)=y^2

左辺をまとめて
(b^2-4ac)/(4a^2)=y^2

そうして両辺の平方根をとって
√(b^2-4ac)/(2a)=y ★

(注。(…)の平方根を√(…)と書くことでお許しください。また、y≧0としていたので符号±は+を選びました。)

という訳で
足してb/a,かけてc/aなる2つの数は

b/(2a)+√(b^2-4ac)/(2a)
= (b+√(b^2-4ac))/(2a)

(これをgとします)

b/(2a)-√(b^2-4ac)/(2a)
= (b-√(b^2-4ac))/(2a)

(これをhとします)

とになっていることが分かりました。

よって☆は

(x+g)(x+h)=0

と因数分解されます!

すると解は

x=-g=(-b-√(b^2-4ac))/(2a)

x=-h=(-b+√(b^2-4ac))/(2a)

です。

まとめて

x=(-b±√(b^2-4ac))/(2a)

ですね。いつものやつになりました^_^

平方完成も大事なテクニックですが、今回は因数分解でもできるので(というかできるはずと思って)やってみました。

最後までお読み下さりありがとうございます!!


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