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木下龍也「あなたのための短歌集」を読んで

こんにちは。

今週は、湯川が担当をさせていただきます。

最近、こんな感じの役職に任命されました(集合写真では一番左)。とある方からは、「令和の政商だな」という素晴らしいお言葉をいただきました。

さて、すでに9月に入って、セミの声もなくなり、代わりに鈴虫が夜に鳴く声が聞こえて、夜風が気持ち良い季節になりました。(日中はまだまだ暑いですけどね。)

そんな季節変わりの時分ということと、秋が待ち遠しく思い始める時でもあるので、読書の秋を先取り、今回も「言葉」のご紹介をしたいと思います。

短歌界の新星:木下龍也

「なになに、木下龍也という歌人がいるだと!」

そんな情報を新聞から得て、いそいそ検索したら、なにやら素晴らしい短歌を読んでいて、すぐさまタイトルの本を買いました。

木下龍也を有名にしたのは、短歌の個人販売「あなたのための短歌1首」という活動です。依頼者からメールで届くお題をもとに短歌をつくり、便箋に書き、封書にして届けるもの。

4年間かけて、700首読み、その短歌を100首集めた本が、タイトルの本です。

もともと、依頼者の個人個人のお題に対する歌人の返答という形式を取っているので、非常に個人的なお題が多いのですが、きっと「あ、これは自分のことだ」と思うお題に出会って、心が軽くなる瞬間があるかもしれません。

今回は、僕なりに「面白いなー」「こんな言葉でてくる!???」という基準で少し紹介させていただきたいと思います。

※「〇〇編」と表現しているのは、湯川の勝手な解釈です。

お題①:恋愛編

お題:好きな人に告白するか迷っています。この気持ちを短歌にしてください。

そのラブレターに足りないのは勇気という唯一買えない切手

ラブレターには、切手がいるよね。うんうん。その切手は、勇気とのこと。そうそう。非常にロマンチックな一面が垣間見れます。

依頼者は、この短歌で勇気を持てたのでしょうか?そういう想像もまた楽しいです。

お題②:心の処方箋編

お題:最近、夜、寝ようとするとき、静かな空間に響く自分の心音を聴くと、どうしても死ぬ時のことを考えてしまって怖くなります。上手く言えないのですが落ち着くことができる短歌がほしいです。

日だまりの菜の花の絵を描くためにひとりの夜の色を集める

「夜の色を集める」という言葉がもう素敵です。依頼者が、夜という状況を怖く感じているのを察してか、夜にポジティブな意味をつけているような印象です。菜の花のように、明るく前を向いて生きてねと励ましているように思えます。くううう。

お題③青春編

お題:人間関係で精神的に病み、高校を辞めました。気持ちを新たに一歩を踏み出すための節目となる短歌をお願いします。

窓の外ばかり見ていた教室のひかりではなく日を浴びたくて

すごくシンプルな歌の中に、青春を感じる躍動感もあります。ついついポカリスウェットのCMを思い出してしまいました。

お題④:人生編

お題:まっすぐ生きたい。それだけを願っているのになかなかそうできません。まっすぐに生きられる短歌をお願いします。

「まっすぐ」の文字のどれもが持っているカーブが日々にあったっていい

これにはもはや感想はいらないかと。痺れる。

おわりに

ということで、いかがでしたでしょうか?

何かを誰かに伝えたい時、必要なのは言葉の数ではないかのかもしれない。だって、31音でこんなにも伝わるのだから、そう思わせてくれる本です。

もしご興味がありましたら、ぜひぜひ手にとってみてください!

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