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誰に伝えたい?

(本記事は前回の記事の続きを湯川が勝手に書くというスタイルを取っておりますので、前回の記事も併せてご覧ください!)

そうなんです。

何を書くか」というWhatよりも、「誰に書くか」というWhoの方が大切なのです。これが非常に難しいのです。

僕は、仕事柄、自治体の事業(一部国の事業)を獲得するために提案書を書きまくる「提案書祭り」が毎年3月〜6月ぐらいまで続きます。今年度は、事業再構築補助金とか国がコロナ対策で補助率の良い補助金を用意しているので、行政に対して初めて文章を書いたひとも多くいらっしゃるのではないでしょうか。

僕は行政組織にいたこともありまして、本業では自治体向けのコンサルティングをしているので、そうした文章表現などは慣れているのですが、慣れていないと非常に大変です。

もはやバイデン大統領にラブレターを書いているようなものです。

バイデン大統領については、テレビを通じてなんとなく人物像はわかっているけれども、好きな食べ物とか、好きなドラマとか、好きな歴史上の人物とかはわかりません。そんな中で、バイデン大統領の心射抜く文章表現って思いもつきません。

「誰に」という部分の解像度がくっきりしていれば、ラブレターを書く筆も乗るというものです。

さて、行政に対して書く文章の話をしましたが、なんなら、行政の文章を読み解くのも難解です。

行政の最高峰、霞ヶ関には「霞ヶ関文学」という独自の生態系の中で育成された文学表現がございます。

わがことにも、霞ヶ関のメンバーがいるのですが、やはりなかなか独特でございまして、面白い人間です。ただ、たまに言っていることが意味不明なのは内緒の話です。

せっかくなので、彼の写真を載せておこうと思います。

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冗談はさておき、霞ヶ関文学でよく例に用いられるのは、

「検討します」「前向きに対応します」=やらない

です。

言葉、日本語そのものからは何かしらのアクションを起こしてくれそうな表現ではありますが、まったく物事を進めない場合に用いられるようです。

なので、霞ヶ関にいる男性に告白したときに「検討します」「前向きに対応します」と返事が来ましたら、それはフラれたと思ってください。次にいきましょう。

夏目漱石の言葉たち

霞ヶ関文学のように、霞ヶ関に関係ないと全く実用的ではないのに比べて、我らが日本人の文学の巨匠・夏目漱石の言葉をご紹介したいと思います。

夏目漱石は、生涯を通して厭世的で、神経症に悩まされた人物との評価が一般的です。神経症がひどくなったときに、気分転換で書いた本があの有名な「吾輩は猫である」です。37歳のときです。49歳のときに、胃潰瘍にも悩まされ亡くなりますので、作家人生はそんなに長くなかったようです。そして、厭世的であるという彼の評価として個人的に象徴的だと感じるのは、下記の文章です。

智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。
『草枕』

草枕のこの一節を読んでも、厭世的な彼が目に浮かびます。住みにくいって。どうした?大丈夫か?と声をかけたくなります。

そんな夏目漱石ですが、お洒落な言葉も残しています。

英語が堪能であった夏目漱石ですが、I love youを、

「月が綺麗ですね」

と訳しています。

常人から見ると、意味不明です。ですが、もうお洒落過ぎて鼻血が出そうです。デートで夜中歩いてて、「今日は月が綺麗だね」と言われれば、それはもう告白されたことになるとのことですので、世の中の皆さん、この文章には気をつけましょう!告白されています!


さて、だいぶ文章を書いてきました。

私は一体なんの話をしているのでしょうか。まったくわかりません。なぜ告白の話をしているのでしょうか。

理由はわかっているのです。誰に対して書くのかを決めずに書き始めたので、このような乱文・駄文が完成したのです。

みなさま、ぜひ文章を書く場合は、「誰に」を意識して書かれることをおすすめしたいと心から思います。

ではまた会う日まで。



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わがこと 今後の予定
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