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夜雨

夜雨が降りはじめる

幾何学的な街道は

ビニール傘越しに

無数の色に溶けてゆく

これくらい

ぼんやりとした世界だったら

この柔らかな体は

もっとなじめただろうに

街灯の橙に包まれ

カラフルな信号機に照らされて

思考を薫らせる私は

水面に浮かぶたんぽぽの綿毛のように

夜道をゆらゆらと流されていく





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