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大江健三郎氏の逝去によせて

信仰・愛・宗教の要素がアイデンティティとしてある身には救いとなる物語を授けて下さる方でした。
これからは私の中で祈りの対象になるのでしょうか。

心よりご冥福をお祈りいたします。

年始にお手伝いをした演劇舞台は大江健三郎さんの著作に影響を受けていました。この舞台の脚本・演出家が大好きな作家で、作品の基盤に間違いなく大江さんの言葉がありました。

さて僕は悲嘆という漢字に、英語のgriefというルビをふりたいと思う。つまりは、悲嘆(グリーフ)の気分と書きたい。

『「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち』

恥ずかしい話、仏文学を専攻していた大江さんに対する憧れから仏語を学びはじめたばかりでした。

大江さんも、きっと原文でフランス文学に触れてきたに違いないという不相応なあこがれから。

生まれて二十数年の小娘には畏れ多い存在でしたが、言葉を通じて心に触れていただきました。

平和を訴える大江さんと同時代に生きていることに励まされました。
時代に翻弄されず、国境に分断されず、「人間」を綴った物語にこれからも励まされていくことでしょう。
多くの著作を残してくださり、本当にありがとうございました。

今はただただ、悲しみの中にあります。

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