PCR検査を増やすべきか
まずご報告です.この度,初めてフォローしていただくことができました!! 本当に本当にありがとうございます!! 今後もマイペースで頑張っていくので,気が向いた時に見ていただければ嬉しいです,うれぴです.
さて,本日は「PCR検査を増やすべきかどうか」について学んだことを書き残そうと思います.大学院の統計学の授業のレポートを書くにあたり調べる機会ができ,個人的に興味を惹かれる内容であったので復讐を兼ねて書き残そうと思います.なお,参考にさせていただきましたサイトを以下に示します.(なお,このサイトでは5月段階での内容なので,現在は状況が変わっているかもしれません.あくまで考え方のまとめとなります)
[ 参考サイト:医療法人社団 悠翔会,https://www.yushoukai.org/blog/pcr ]
PCR検査について
まず,PCR検査の感度(正しく判定できる確率)を70%,特異度(感染していない人を正しく陰性と判定できる確率)を99%と仮定します.
PCR検査での陽性適中率(陽性と診断され,実際に新型コロナウイルスにかかっている確率,事後確率のようなもの)はおよそ6.5%ほどしかないそうです(詳しい計算は参考サイトに書いてあります.簡単に説明すると,10万人にPCR検査をしたとして,本当に感染している人が100人だとすると,感度が70%より70人は陽性と診断されます.しかし,残りの9万9000人は感染していないけれど特異度が99%なので,1%の999人は誤って陽性と診断されてしまいます.よって70人と999人を足した1069人が陽性となります.しかし,そのうち本当に感染している人は70人なので陽性適中率は70人/1069人となり6.5%となります).また,感度が70%であるので,感染しているのに陰性になる確率は30%と言うことになります.
陰性がむしろ危険...?
これまでPCR検査について詳しく調べたことがなかったのでこれを知ってびっくりしました.陽性適中率が低いことも気になりますが,自分が注目したのは感染しているのに30%もの人は陰性となってしまうと言う点です.検査をした人の中で「陰性と診断されたけれど外出自粛を真面目に行っている人」は果たしてどのくらいいるのでしょうか.陰性と診断されることにより,むしろ自分が非感染者だと後押しされたような気になり注意して生活をしなくなってしまうような気がします.このような人たちが感染を広めてしまう大きな要因となってしまうと私は思います.PCR検査をして正しく診断されない人のことをあえてここでは「外れ値」と表現します.PCR検査の数を増やしてしまうとこの外れ値の数も大きくなってしまうため,PCR検査を行った結果の制度はより悪くなってしまいます.また,どこかで聞いた情報ですが,新型コロナウイルスは肺の奥に約70%ほど潜在していて,検査で扱う部分には約30%ほどしかいないそうです.これでは統計学で示す数字以上に感染者を正しく診断することが難しくなってしまいますよね...
それでもPCR検査は必要
よって,PCR検査を増やしたところでそのデータの信憑性が低い以上意味がないのです.では,PCR検査は必要ないのでしょうか?それもまた違います.上記の文を訂正して言い直すと,PCR検査はむやみやたらに行っても意味がないです.
では,有効的にPCR検査を行うにはどうすれば良いでしょうか.それは,検査対象者をフィルターをかけて選別する必要があります.ここでのフィルターは医師を筆頭とする医療関係者による事前診察です.医師が事前に症状を診察をし,新型コロナウイルスである可能性がある人に対してPCR検査を行うことにより,陽性適中率は格段に上がります.
よって,世間では「もっとPCR検査をさせろ!!」とお怒りの方を多く見かけますが,不安解消のためのPCR検査は意味がないと言っても過言ではありません.PCR検査の診断結果の精度を上げるには一度医師の診察を行うと言うことが非常に重要であり,これを行わないPCR検査を増やすことにメリットはないでしょう.
最近のメディアは注目を浴びるために,いわゆる陽性と診断された人の数だけを目立つように報道している傾向にあると思います.しかしながら先ほどの話であった通り検査数が非常に重要となっています.また,報道された人数のうち果たして何人が本当に感染している人なのでしょうか.ここらへんの議論も必要になってくるかと思います.
結論
以上より,「PCR検査をむやみに増やす必要はなく,医師により検査が必要だと診断された人の増加によるPCR検査の増加は問題ない」ということになります.また,PCR検査は完璧ではないため,陰性と診断されても依然として外出自粛や人の集まる場所への外出は控えるという姿勢が非常に大切であると思います.このように,PCR検査について知ると明日からのニュースの見方や考え方が変わってきますよね,面白いです.
※余談
※ここのセクションは余談です※
もう一つ,「超過死亡」という言葉を知り,興味深かったので記します.
いろんな疑問の一つに,「新型コロナウイルスの死亡者数が少ないけれど,別の病気で死んだ人が本当は新型コロナウイルスであった可能性」が言われています.つまり,本当は新型コロナウイルスに感染しているけれど陰性であったため,別の病気だと判断されたために新型コロナウイルスの死者数にカウントされていない人がどのくらいいるのだろうと言うことです.ここで「超過死亡」が関係してきます.先ほどの疑問が本当であれば,インフルエンザなどで死亡した人数が例年よりも不自然に増加しているはずです.例年よりも増加した死亡者数が超過死亡です.よって先ほどの疑問は各病気の超過死亡を調べることで解消されます.5月時点では幸いにも日本における不自然な死亡者数の増加は見受けられなかったそうです.もちろん0ではなく,何人かは存在しているでしょうが,おおよそそのような心配は今のところは大丈夫だそうです.
最後に
最後に,新型コロナウイルスによる死者は今後増えていくでしょう.これは,単純な感染による死亡だけでなく,このコロナ禍が及ぼす様々な悪影響が起因する死が増えていくだろうと言う意味です.例えば,自粛のストレスによるDVや育児放棄,外出や運動の不足による健康被害や体力低下,失業による自殺,不景気での治安悪化や外出自粛による人気(ひとけ)の減少による犯罪の活発化,災害発生時の適切な対応ができないなど,いろいろあります.これらは過去にないことで,始めは抑制に苦労するでしょう.しかし,これらを防ぐ術をいち早く見つけ,流動的な事象発生に柔軟に対応していくことが大切だと思います.
長くなりましたが,新型コロナウイルスはこれからしばらく,下手すれば一生付き合っていかなければならないものだと思います.受け身のまま否定や非難をするのではなく,今回のPCR検査についてのように受動的に情報収集をし,生活を変化させながら順応していくことが大事だと思います.
前髪が伸びてきたのでこのへんで,またね.
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