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キンコン西野さんのLINEに思うこと

キングコング西野亮廣さんが吉本を退社される。
火種なのかダメ押しなのかはわからないが、吉本の社員さんとのLINEのやり取りが物議をかもしている。
文面だけ見ると、さも西野さんがパワハラをしているように見えるが、これは凄く難しい問題だなぁと双方に同情してしまった。

発端は社員さんに来た上映スケジュール確認のLINE。スケジュール把握はしていない。深夜0時。朝、先方に確認すればわかるんじゃないかな。とりあえず連絡してみてくださいと送っとこう。詳しい事はまた明日…と思ったのかもしれない。
そしたら次の日、スケジュール確認はアナタの仕事でもあるだろうと怒られた…。

私がこのLINEで感じた怒られポイントは「電話で確認すればわかると思います」という第一声に、相手への説明不足と、選択の余地を与えていないし譲歩もない、解決方法も示していないという事。

ご飯食べた、うん食べたとかの、有無の確認のみならそれでもいい。
しかし先の文面で、『裏から』という言葉を使ってるという事は、先方に既に電話したんだろうな、自分が確認しなくてはならんのだな、と察する。

知ってか知らずか眠かったのかはわからない。
電話で確認すればわかる、と言われた側はあぁこちら(西野側)でするんだな、連絡はしてくれないんだなと思う。
でもそこで諦めずに、連絡したけど自分では聞き出せなかったと伝えたが、他をあたって下さいとの返信。
終了です。

吉本側も言い分はあると思う。
深夜のLINEだし今から連絡なんてできないし、とりあえず明日まで待ってという意味もあったのだろう。
LINEというプラットフォームの弊害もある。便利なツールだけど言葉足らずになる。文章も簡略化されるしされてもよい雰囲気も否めない。

後で西野さんに詰められる未来は見えるけど「スケジュールわかりません。こちらから連絡した方が良さそうですか?」とか「あちらの担当は○さんです。(電話番号)に連絡してみてください」とか、最悪「夜遅いので明日9時にまた連絡します」でも良かった。
選択があるしキャッチボールになってる。

全く不得手で恥ずかしい文章だが、
「把握していなかったのでこれから先方にメール(line)します。スケジュールの確認理由は映画の告知をしたいということでよろしいでしょうか?」
「電話は先方に連絡がとれるのは○時からです。メールと電話連絡の結果について○時までに一度ご報告という形になりそうですがよろしいですか?」
など、初動で自分ができる手段と、何時までに遂行し連絡できるのか自分の精一杯を相手に伝えれば良かったのではないかと思う。

話は変わるが、西野側の方に似ている人と仕事をしたことがある。
本当にいい人で、自分を犠牲にしても何とも思わないし、相手のために尽くせる人。キャパなんか考えず自分がやればいいんだなよし了解ー…って人。
能力が高いので大変さは傍目からはわからないが気づくといろんな仕事をこなしてる凄い人だ。
LINEの文面見て心が痛む。
文面が凄く似てる。

西野側からすれば、担当であるアナタに連絡をしているという事は、アナタに動いてほしいのに、小手先の連絡しかせずに何してんの?って言いたくなったのかもしれない。
西野側の側近はそんな事は言えないし言うつもりもないだろうから西野さんが言った。
こんな事を繰り返していたら側近がキャパオーバーで潰れる可能性もある。
西野さんは側近を守りたかったんだと思う。

根本は、西野側と吉本側で、働き方や考え方が全く違うからこのような事が起きるのではないかとも思う。
吉本ほどの大企業ともなると、社員さんは与えられた管轄内で仕事をして、プライベートもある程度確保されている、と思う。
働き方で言ったら、会社の自販機のドリンクの補充はしないし、エレベーター設備の点検もしないだろう。当たり前のことだけど、委託する方が効率がいいしミスもない。
そういった日々の積み重ねが、自分の仕事はここからここまでという線引きを無意識にするようになる。
自分は自分の範疇で仕事をしているから、怒られる理由がわかっていないかもしれない。

西野側はそこの線引きが曖昧で、上下より横の繋がりで仕事をしているんではないかと思う。
ワークライフバランスより、ワークアズライフのような働き方に近いのかなと思う。

世の中には色々な働き方がある、という仕事においての価値観や多様性があることを知った上で、自分はどう働くべきか整理しなければならないんだと思う。

矛盾しているかもしれないが、全く西野側にあわせる必要もない。絶対にできないことはある。
ただ、一つのプロジェクトに参加をするにはどのような働き方を求められ、自分は何ができるかを考え続けなければこういった齟齬が生まれる。
仕事をしているのは人だし、結局、誰と仕事をしたいかという事に帰結するのだと思う。
西野さん頑張れ。
社員さん頑張れ。

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