見出し画像

生まれ変わって繋がる話

この冬、ニワトリが一羽イタチに襲われた。

雪に覆われた、ある晴れ間に。
小屋から出して、私が10分程家に入った隙だった。

さっきまで元気に後をついて回ってたのに、次見たら死んでるという呆気なさ。

よりによって一番懐いてて、思い入れのあった子だった。

首を噛まれ無惨な姿で横たわる

野生動物の鋭さの前で、全く気付けない人間の無能さをまた思い知る

今起きた出来事を受け入れるにはキャパオーバーだけれど、
今晩からまた大雪だ。
このままにしてはおけない。
1メートルの雪を掘り、更に土を50センチくらい掘って埋める。

淡々とやるしかない。
そして淡々と受け入れるしかない。


次に繋がる生命



以前、病気になり立ち上がれなくなった子がいた。
立てないから餌も食べれない。
看病して元気になったけど
関節が変形し、首が短くなってバランスが悪くなった。

何とか歩けるようになり、普通に暮らせるようになるのに2週間くらいかかった。
看病したからよく懐いてたけど、他の鶏にはいじめられた。

娘が図書館でもらった、疫病退散のアマビエの塗り絵に似てたから、
アマビエちゃんと呼ぶ事にした矢先、イタチに襲われて姿を消した。

かわいがってたし、あまりにショックで、その時残されたタマゴをあたためてみた。

生まれたヒヨコは、ビックリするほど首が長かった!

恐竜みたいだった。

首が短くなって困ってたニワトリのたまごから、首の長いニワトリが生まれた。

首が短いのは餌を食べるのにも何かと不便だったから、
その想いが次の命に入ってると思えてならない。




私は前から今生きてるものの想いが次の命に反映される事があると思っていて、
生物に詳しい知人に、変化は突然変異だからそれは絶対ない!と完全否定された。

じゃあ、その突然変異に思いが入ってるんじゃないの?と食いついたけど、絶対ない!と。

でも現に目の前で、首が短くて困った鶏から、首の長い鶏が生まれた。
私がそう思い込んでるからそんなことが起きたのか?

私が科学者なら、自分の考えを証明する為に実験に励むのだろうけど、
私は思い込みで充分世界を楽しめるので、アマビエが見せてくれた世界を真っ直ぐ信じていく事にしよう。

首の長いヒヨコは、
生まれ変わりとされ、2代目アマビエを襲名

孵ったのが一羽だったから、ヒヨコ時代寂しがってピヨピヨよく鳴いたので、
お母さん代わりになって、服の中に入れてあたためてあげていた。

だから、また人間によくなついていて可愛がっていた。

今回イタチに襲われ死んだのは
その2代目アマビエだった。。



「たまごあるし、また孵す?」と、娘に聞かれた。 

「私もそれも思ったけどさ、もうアマビエちゃんの命をニワトリに引き止めとくのはやめない?
だって2回も襲われて怖い思いしたしさ。
次は違う生き物になってかえってきてもらいたいな」

そうだね!

娘もパッと明るくなった。

次はアマビエちゃん何になるんかな?
空を見上げて、しょっちゅう聞いてくる。

蝶々かな?猫かな?人かな?
会ったらアマビエちゃんって分かるんかな?
ちゃんと教えて欲しいな!

耳を澄ましてたらきっと教えてくれるよ。
また会えるのを楽しみにしとこう!

春になり、長い間庭を覆っていた雪がとけ
土が出てきた。

アマビエちゃんのお墓にお花を植えない?と青が言ってきた。

確かに!それいいね!

アマビエちゃん、土に還るやん?
お花は土に栄養もらうから、アマビエちゃんがお花にとけて入る事になるな!
アマビエちゃんのお花やな!!

わ!すごい!
何の花植える?

保育園で、Tシャツ染めたマリーゴールドは?
アマビエちゃんが入った花で染めたら、アマビエちゃん色になるやん!

そのTシャツ着たら、アマビエちゃん着るみたいな!?
すごいな!!

二人で興奮した。

今日も娘がお墓の花に水をやっている


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?