遺骨を指輪に→出雲の夜の神様に答えをもらう。

「大好きなお母さんの遺骨を身につけてたいので指輪に入れて欲しい」

という依頼をいただいた。
遺骨!?
そんな大事なこと、私でいいのか!?と、かなりためらった。

下記のような私のブログの記事を読んで、
命に対して自分と同じように感じているので、この人にならと思ってくれたようだ。

以前の私ならお断りしてたと思うけど、月(犬)やむぎ(ねこ)との別れ、出産を経験した今ならできるような気がしたので、お会いして話を聞いてみる事にした。

まずはデザイン

お母さんの話や、彼女の気持ちを聞かせていただいた。

彼女と話し別れた後に見た月が、とても綺麗で妙に心に残った。

そうだ!彼女もツクという名前の犬を飼っているし、お母さんの遺骨を、月に埋めたらどうだろう?

そう提案すると、彼女も私と会った日の月がとても印象に残っていて写真に撮っていたし、それで決まりだね!となる。

命日にちなんで「3」という数字を入れたいとのことだったので、お母さんが亡くなった日に、照らされてちょうど地球から見えていた部分の3ヶ所に埋める事にする。

月にも地名がつけられていて、
その中からピッタリくる地名を選んで提案してみる

「虹の入江」→お母さんが亡くなった次の日に虹が出ていた

「晴れの海」→明るい方だったので

「御酒の海」→彼女の旦那さんがワインの仕事をしているので

その提案もバッチリはまり、
よし!これでデザイン決まり!!

デザインはあっさり決まり、後は形にするばかり!

ここまでは、するするっと生まれてきた。

ここまで決まればもう完成間近!
しかし、いざ月の指輪を作ろうとはじめると。。

なんか私が適当に月らしき形を作ってしまうって、どうなんだろう??

でも、むちゃくちゃリアルに月の指輪を作ってもかわいいか??

またはじまった。。

月をカタチにするスランプから脱したばかりだったけど、またまた月の沼にはまりこんでしまった。

またまたスランプ突入
自己嫌悪~現実逃避で出雲へ

同じ事をまたぐるぐると試行錯誤して、考え続けた。もう何ヶ月経ってしまっただろうか。。

半年はすぐに過ぎてしまった。

時間が経ちすぎて、もう彼女にも連絡しづらくなっていた。

あんなに明るくアイデア話してたのに、未だに形にできないなんて。。
はぁ~情けない。自己嫌悪。

彼女のお母さんの写真にも「月の指輪の形を教えてください!」って、ずっと話しかけ続けた。

一体答えはどこにあるんやろう。。

笑顔で暮らしていたけど、何をしていても、この月が形にできないことがずっとひっかかり、心は晴れない。
乗り越えれない自己嫌悪との戦い。どうしたらいいのかを、ずっと問い続けていた。

またまた悩みすぎて、現実逃避!
旅へ出たくなり、前から行きたかった出雲へ向かった

そしたらちょうど出雲は神在祭の日で、
全国から出雲に神様が集結している日だった。

神様大集結してるからなのか??
出雲大社の大きな優しいエネルギーに本当に癒されまくった

↓詳細は以前のblogで

そして、夕方になり、
日御碕(ひのみさき)神社へ

ちょうど海に沈みゆく夕日をみれた。

日御碕神社は、日が昇る東の伊勢神宮(日本の昼を守る神様)、西の日御碕神社(日本の夜を守る神様)と言われているそうで、

夜の神様の元で、ちょうど日が沈むとこを見れるなんて、なんてラッキーなんだ!!
と、幸せを味わっていると

「地球に隕石がぶつかったりしてできた、月も偶然の産物なんだ」

という考えが突然頭に浮かんでくる。

「そうか!そうやって作ればいいんだ!!!!」

パッと目の前が明るくなった!
あぁぁ〜〜〜〜この半年の問いからようやく脱した!!(泣)

日御碕神社の神様に答えを教えてもらったとしか思えない!

夜の神様に答えを教えて貰った

出雲でもらった答え

出雲空気をまとってるうちに、帰ってすぐに取りかかった。

天川の石をぶつけたりして制作した偶然の産物

彼女の分ひとつしか頼まれてなかったんだけど、
はじめにサンプルであげた指輪が大きく、
自然とふたつ指輪ができたので、1つは彼女の旦那さんの指輪になった。

遺骨は、天然素材が良かったので、生漆に混ぜ込んで指輪の内側3箇所に埋めた。

うち1つは、犬(ツク)が掘った感じに。

彼女のお母さんからのメッセージ

ようやく彼女に渡せる時が来て、夜中に作業していて

「はぁ〜お母さん、ありがとう

お母さんずっと彼女のこと見守ってくれてて、
私が話しかけてたんも聞いてくれてたんやなぁ」

と、彼女のお母さんに話しかけたと同時に、

急に、棚に置いてあった、
駄菓子屋の子供の忘れ物の10円ガムが目に飛び込んできて、
我慢できないくらい無性に食べたくなった

半年以上そこに置いてあって、まったく気にもならず、存在も忘れていたガム。

急いであけてみると、くじ付きで「あたり」とでた。

お母さんずっと彼女の事守ってて、私が話しかけてたんも聞いてくれてたんやなぁ

あたり

何この即レス!
お母さんが私の問いかけに答えてくれたとしか思えない!

この即レスの「あたり」を見て、
10円ガム食べながら(笑)
自分でもびっくりするほど子どものようにワンワン泣いた

泣きながら気持ちが整理されていった。

亡くなってからも、こうして守ってくれてるんだって事にあたたかい気持ちになり、
彼女に連絡すらできなくなるくらい、長い間悩んで苦しくて、
ずっとお母さんにも話しかけた、あの辛かった時間が洗い流された。
一体いつ抜け出せるんだろうという
先の見えない不安で怖かったんだ、私。

駄菓子のガムが夜中にあんなに無性に食べたくなった不思議。
それにお母さんが、ガムの中身あたりって知ってたのも不思議すぎる。

慌てて彼女に連絡したら、
その返し、めっちゃお母さんらしい!と喜んでくれた。

これが私

毎回人が生きてる物語の大きさに、すごい感動しながら作るんですよね。。

アートでもなく、工芸でもない。
ジュエリーとして、いまいちジャンルに入れないのが悩みで、
ジャンルに入れないって事は、
取り扱い店が見つからないって事で。


でもこれが私なんだよね。

そして物語を指輪に込める事で、
私自身の人生をめちゃくちゃ豊かにしてもらってる。

やっぱり、これを仕事の軸にしてきいたいな。

http://tsumugi.mazarbebracha.com/

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