いわゆる野良の人だった自分

僕は基本的に印象論ばかり語る言説やYouTubeは嫌いである。
でも、宋世羅さんの動画は別でN=1をさらに深掘りする内容が多くて、印象論だからこそ語れる話が多くていつも楽しく見ている。

昨日投稿されていた動画が自分にかなり刺さったんで共有したい。

この動画では、サラリーマンとして会社に雇用されてお金を稼ぐ人に対して、自分でお金を稼ぐ個人事業主のことを「野良の人」と表現していた。
そして、野良の人は内省が強い人のことをいうらしい。つまり、何かが起こった時に自分を省みて意思を貫く人は個人事業主に向いているらしい。逆に何が起こっても会社の意向だったり、自分に求められているものを提供するのが得意な人がサラリーマンに向いているとのこと。

この理論でいくなら僕は完全に野良の人だ。自分のキャリアを振り返った時、会社に求められていることを提供するのは下手ではないが好きではなかった。「こうすればもっと良くなるかもしれない」とか「これは絶対にやってはいけない」という自分の意見を強く持っていたタイプで、衝突した経験はないが主張した経験はいくらでもある。というより、当時の上司が僕の提案に耳を傾けてくれる人だったことが大きい。今でも感謝している。

ただ、じゃあ個人事業主になって大成したかというとそんなこともなかった。来月食う飯のお金を稼ぐことで精一杯だし、来年の今頃自分が何をしているのかわからない。それに、自分ひとりで仕事をするというのは、思っている以上にしんどい。そんなわけで勤め人に戻ろうか迷っているところなのだ。

自分のやりたいことがあったとしても、お金をもらう以上は人に求められていることをしなければいけない。そこをうまく調整するのが難しい。

僕が動画編集のスクールに通っていた時、自分の好きな映像作品を作ることが課題として与えられた。僕は企画書を作って自分がいいと思う作品を作ったが、先生の評価はイマイチだった。

先生は現役の映像ディレクターで、テレビの映像編集やCMの制作に携わっているという。つまりは人に求められる作品を作ることが仕事なのだ。

「君の作品は引き込まれるものがあるね」と言ってもらうことはできた。それでも、無名の作家が作った映像作品など誰の目にも触れられることはできない。

一度は人に求められるものを作らなければならないのである。作家になりたいのであれば文学賞を取ることが必要なように、個人事業を成立させるためには、自分よがりな考えではいけないのだ。

それならば、サラリーマンでもいいのではないか?そんな矛盾を抱えながら、今日も好きなように仕事させてもらっている。来月の自分はどこでどんな仕事をしているのかなぁ。文章を書く仕事をしていたら嬉しいな。


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