1人で仕事をするっていうのはこんなにも退屈

僕はフリーランスとして生計を立てるようになった。

しかも、準委任契約で雇われて時給をもらうスタイルではなく、成果物を納品するスタイルやからいつどこで仕事をしてもいい。

とにかく納期にさえ遅れなければ、いつどこで仕事をしても問題ない。

これは2018年頃、プログラミングスクールの乱立に伴って、ネット上でよく見る文句だった。

「自由な働き方」
「いつでもどこでも仕事ができる」
「フルリモートで仕事ができる」

ブームが落ち着いた今でも、転職サイトの広告にはこれらの文字が踊っている。それくらい場所や時間に囚われずに仕事ができることは魅力的なんだろう。

そんな自分も実はこの働き方が気に入ってフリーランスになった。とはいえフリーになったのは成り行きで、雇ってくれたところが正社員雇用をしていなかったので、仕方なくフリーランスになり、結果的に様々なご縁があって生活できるまでになった。

そんなフリーランス生活も知らぬ間に半年が経過した。
取引先から給料をもらえなかったり、仕事を増やそうと奮闘したり、引っ越したいと思ったが審査が通らないだろうと思って断念したり。
色々なことがあったが、まぁ今のところは楽しかった思い出でいっぱいだ。

ただし、僕はフリーランスという働き方をそろそろ辞めたいと思っている。雇われ人に戻りたい。

朝は好きな時間に起きて(二度寝だって出来る)、昼はカフェでドヤドヤMacを叩き、夜は映画なんか観ちゃったりして夜更かししちゃう(仕事してる時もあるけど)。
まぁ悪くないよ。正直。

個人事業主の特権を活かして節税できるし、お給料もまぁそこまで悪いものじゃない。

でも、僕がどうしても耐え難いことがある。

それは「ひとりっきりで仕事をする」ことだ。

むしろそれが羨ましいという人もいるかもしれない。ひとりで仕事がしたいからフリーランスになった人もたくさんいるだろう。

でも僕にはそれが耐えられそうにない。

ひとりで仕事をするということがこんなにも孤独だと思わなかった。
何か新しいTipsを見つけても、Twitterで共有して終わり。仕事ができて納品しても、取引先から「ありがとうございました」とデジタル化された感謝が送られてきて終わり。

僕はフリーランスになってから、お金のためにしか仕事をしていないことに気づいた。いや、そもそも労働というのは淡白に行うべきであって、「やりがい」とか「生きがい」のようなものは見出してはいけないというのが僕の信条だ。もし「やりがい」や「生きがい」を仕事に見出すならば経営をしなければいけないと思う。

しかしそれにしても退屈だ。暇ではない、退屈なのだ。僕が受注することが出来る仕事は本当に退屈だ。

実感がないのだ。自分が仕事をしたという実感がない。
何か、お金をもらうための手続きをしているような、そんな感じ。

そして苦悩がない。ただ取引先が求めるものを提供するだけで、そこには僕の意匠は最小限に留められている。僕が苦悩して何かを反映させることはまずない。

まぁなんという贅沢だ。苦悩もなくお金がもらえるなんて。毎日怒鳴られながら仕事をしている人からすれば僕が羨ましくて卒倒するだろう。

今の大口取引先はそのことをわかっているのか、時々フリーランスのスタッフも集めて飲み会を開催してくれたり、オフラインの交流の場を設けてくれている。
これがなんとありがたいことか。同じ仕事をしている人間で集まって仕事の話をするのがこんなに楽しいと思わなかったよ。

いろんな仕事を受けている立場上、フリーランスを辞めるというのはもう少し先になるかもしれないが、少なくても受ける案件を変えようとは思っている。
もっと人と話して、苦悩できる、退屈しない仕事を探そうと思う。

こんなマゾな仕事のしかたは軽蔑してたはずなのに。
人生何が起こるかわかったもんじゃねぇな。

あーやだやだ。

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