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「ヨガ日記」 3. What A Wonderful World

新しい年がやってきた。
今年の3月には私は53歳に、4月には夫は63歳になる。

ちょうど1ヶ月違いの誕生日だからボルネオ島に住んでた頃は毎年誕生パーティーを盛大に開いたものだが(バーやクラブの存在しないイスラム教の国なので何かにつけてホームパーティーに集まって踊ったり騒いだりするのが常だった)どんどん誕生日のお祝いは寂しくなり去年はパンデミック騒ぎでお祝いする気にもなれなかったのである。

去年の誕生日に夫が私に言った。
「何か素敵なプレゼントを買った方がいいよ。コロナに罹ったらもう来年の誕生日はこないかも知れないからね」
冗談言ってる場合じゃない深刻な時にもブラックな冗談を言うのが我が夫だ。負けずに応えた。
「来年どころか来月のアンタの誕生日が迎えられるか分かんないから先にお祝いしとく??」

去年1年間で我々のみならずおそらく世界中の人が再認識したであろうこと。それは当たり前のことでもちろん以前から知っていたことではあるけれど。それは夫も私もいつか死ぬ日が必ず来る、ということ。
もちろん私たちだけではなく大切な家族や友人も知らない人もみんな。
そしてその日がいつ来るのかは誰も知らないということ。

側に居る人も離れて暮らす人も一緒に過ごす時間がいかに大切なものか。
一緒に過ごせない時にも繋がる努力をすることが大切なことかを
こんなに痛切に感じたことはかつてなかった。

そのことを痛感しながらも不思議と「怖い」という気持ちがないのは
やはりヨガを長年続けてきたせいなのだろう。
つねに今、この瞬間と繋がる癖、その瞬間瞬間をフルに生きる癖が付いてしまっていると明日何が起きても「まあ仕方ないか」と感じるだけだ。
(押し入れに詰まったがらくたの片付けや他人に見られたくない手紙の処理などに困ったなーとかはあるけど汗)

「怖い」という気持ちよりも
二度と戻らない一瞬一瞬は本当に美しい。愛おしい。

新しい年もそんな風に毎日を生きていこう。



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