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思考を作り出す本たち

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人や人の心の動きの再構築を問い続ける、根っことなる本をアーカイブします。 ヘッダーは2015年、デンマーク・クローロップホイスコーレのライブラリーにて。
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#梨木香歩

5.「9歳の女の子の言動を通して、目に見えない権力の動きに注意を払い、時に痛快に笑い飛ばす」さわひろあや『アスリッドとピッピがおしえてくれたこと (zine 2020)』

さわひろさんのnoteを通して、20代最後に訪れた、一度は永住を考えた国の両面に想いを馳せている。 公共図書館で司書として働いた経験があるさわひろさんが、ある女性についてnoteを掲載されていた。アスリッド・リンドグレーン。 ふと思い立ち読み返した梨木香歩さんの2冊のエッセイ『エストニア紀行(新潮社 2012)』、『やがて満ちてくる光の(新潮社 2019)』に、伏線かのように登場したアスリッド・リンドグレーンにまつわる話に、勝手にシンクロしていた数ヶ月だった。 ついにアス

1.「マクロとミクロを同時に知覚できるような」梨木香歩『渡りの足跡(新潮社 2013)』

幼少期はゆうに200冊は越えるであろう絵本や児童書に囲まれて育った。新しい発見や知識を得る体験が好きだった。それは読書なのか、人から教わることなのか、手段は問わない。 ケアの現場に関わり始めてちょうど10年目に入ったけれど、ケアに関する本を読んでいて、「面白い」と思ったことがほとんどない。 そのほとんどがハウツー本か、自分の体験談を表現した悲壮感漂う内容か。はたまた、〇〇にならない健康法などと、ショック療法の類か何か?と思うくらい。 活字を読んで、ああ、なんて魅力的なんだろ