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6.「私たちは本来、心を踊らせて生きていきたいものでしょう?生きて老いるプロセスに寄せる心と行動を、1人1人が続けていく集合体で在ろう。」 アラン・ケレハー/竹之内裕文 堀田聰子『コンパッション都市 公衆衛生と終末期ケアの融合 (慶應義塾大学出版会 2022)』
「老人ホームに老人しかいないって、変だと思う。」と話す私を、初めて真っ当に話を理解しようとし、満面の笑みを浮かべた人が、べにさんだった。 5年前の今日(2017.11.25)一緒に現場である『診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ』をつくっているべにさんこと紅谷浩之さんが、当時私が運営していた場を訪ねてくれていた。 この5年間で、ものすごい人の数と出会っていると思う。私たちの活動に関心を寄せてくれる人も増えてきた。今やちょっぴりユニークな医療を学ぶ学生たちが私たち
5.「9歳の女の子の言動を通して、目に見えない権力の動きに注意を払い、時に痛快に笑い飛ばす」さわひろあや『アスリッドとピッピがおしえてくれたこと (zine 2020)』
さわひろさんのnoteを通して、20代最後に訪れた、一度は永住を考えた国の両面に想いを馳せている。 公共図書館で司書として働いた経験があるさわひろさんが、ある女性についてnoteを掲載されていた。アスリッド・リンドグレーン。 ふと思い立ち読み返した梨木香歩さんの2冊のエッセイ『エストニア紀行(新潮社 2012)』、『やがて満ちてくる光の(新潮社 2019)』に、伏線かのように登場したアスリッド・リンドグレーンにまつわる話に、勝手にシンクロしていた数ヶ月だった。 ついにアス
3.「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい。」岡 檀『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある(講談社 2013)』
2020年8月から1ヶ月間、オレゴン州、ポートランド州立大学の教授主催のプログラムを受けている。ポートランド市の”全米で最も住みやすいまち”、といわれている由縁をプログラムで解き明かしていっているその途中だ。 一方でこの本は、”日本で最も自殺率が低い”、徳島県海部町の理由を解き明かしていく。論文が本になったもので、それでいてとても読みやすい。 ポートランド州立大学のプログラムと、そしてこの本『生き心地の良い町』を同時並行で読み進めていくことは、正解を求めるよりも、自分なりの
2.「眼に見えない星雲の渦巻く虚空と、簪をさした蛇とは、私にとっては、自分の科学の母胎である。」中谷宇吉郎『中谷宇吉郎 雪を作る話(平凡社 2016)』
この本は、東京で私に大いにインスピレーションを与えてくれた、Fさんから頂いた。何十冊もいただいた中に中谷さんの字を見つけたときの驚きと喜びたるや。実はその1ヶ月ほど前に、中谷宇吉郎さんの次女である、中谷芙二子さんのインスタレーションを見に水戸芸術館にいたからだ。 純粋な水霧を用いた環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、これまで世界各地で80を超える霧の作品を発表し、「霧のアーティスト」と呼ばれる中谷。2017年にはロンドンのテート・モダン新館をはじめ各地で7つの