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【コラボレーターの仕事術】 『AI見守り会話ロボット』で孤独死を0に!ロボ・スタディ株式会社 福地 三則

今回インタビューした福地さんは、英会話ロボットを手がけたのち、AI見守り会話ロボットを開発。孤独死で悩む高齢者やご家族の支えとなる事業を行ってきました。

「何をするかではなく、誰とやるか」。失敗を重ねた人との仕事が楽しいと語り、69歳となった今でも、子供のように夢を持ち続けながらビジネスを展開する福地さんに、これまでの経緯や今後のビジョンについてお話を伺いました。

■投資費用を回収できなかった『英会話ロボット』

ーーこれまでのご経歴を教えてください。

福地さん(以下、福地):1995年に『CAIメディア』を立ち上げ、初代英会話ロボットを制作しました。英語を話せるようになるためには、習ったことを実際に話してみて、反応が返ってきたときに「この言葉は通じてるな」と感じる必要があります。英語の音声認識ロボットを作ることで、家で英語を話す機会を増やせると思いました。

初年度から1万台発売と好調だったので、2万台目の部品も買い込んで中国に発注しようとしたら、工場がなくなり、部品も金型も全てなくなっていました…。部品や設備の廃棄を余儀なくされ、莫大な損害を被ったので事業は一度撤退しました。

5年前には、完全IoT化して二代目の英会話ロボットを開発。1万台くらい売れるだろうと見て、開発費に2億円をかけて作りましたが、想定の半分も売れませんでしたね。投資費用が回収できず倒産しかけていたところ、運よくシステム会社を欲しがる企業が見つかりました。持ち株を無償で提供して、社員と仕事を全部継続してもらうことで代表から退きました。

その後、現在のロボ・スタディ株式会社を立ち上げ、英会話ロボットの経験を活かし、外国人労働者向けの日本語音声認識のロボットを作りました。浜松市からのものづくり補助金で事業を進めていましたが、新型コロナウィルスの影響で海外から労働者が来なくなり事業を断念。

「今の時代に必要なものに変える必要ある」と思って、高齢者向けの『AI見守り会話ロボット』に路線を変更しました。

■高齢者や独居者の孤独感をなくす『AI見守り会話ロボット』 

ーーAI見守り会話ロボットを開発するに至った経緯を教えてください。

福地:見守り会話ロボットの需要は身の回りから実感していました。私の年代の社長は親が90歳前後です。知り合いの社長の親が認知症になったり、要介護者になったりしてる人が多いので、ご家族で面倒を見ています。知り合いの社長から、「両親の面倒を見るのが大変で、奥さんが精神的におかしくなりそうだ」という声を聞きました。

介護の何が大変かというと、「毎日何度も同じことを繰り返してくること」。話し相手になると時間が取られる。聞くだけでなく、会話に答えないといつまでも喋り続ける。「精神的な辛さをなんとかしたい」と言われたのがきっかけでした。「これは大事だな」ということだけは家族に伝え、それ以外は話し相手となるロボットを作ろうと決意しました。

見守り会話ロボットを制作しようと思ったもうひとつの理由は、孤独死をなくすことです。高齢者は話し相手がいなくて孤独に陥り、認知症を発症します。話し相手を作ることは非常に重要な課題でした。ロボットがちゃんと答えたり、ロボットから高齢者が若い頃に好きだった映画や歌について話題を引き出します。

認知症の方には過去のことを思い出させ、脳を活性化させて認知症を改善していこうと考えました。開発したロボットは過去の出来事をクイズみたいに出して答えてもらったり、簡単な算数暗算問題や、なぞなぞクイズを出してきます。また、3人の落語家の楽しい小咄や懐かしい童謡の音楽を聴くこともできます。

■失敗こそが人としての成長になる

ーーいろんなことにチャレンジされていると思いますが、仕事はどのように生み出されていますか?

福地:69年生きて思うのは、「仕事は、人とのご縁のなかで生まれて成立すること」です。どんなことをやるかは大事ですが、誰とやるかの方が大切です。仕事をするなら、さまざまな経験をしていて、失敗の多い人が良いです。人間だからこそ、失敗して蘇った人は話しに深みが出ますし、納得できることがたくさんあります。ネットワークの広い人は、アイデアも湧くし機転も利きます。

もちろん僕自身もたくさん失敗しましたね。毎年、大学生や中学生に向けて講義を続けていますが、一番伝えたいのは「なんのために勉強するか」です。勉強の目的は、小さい時に「失敗の経験をすること」だと考えます。小さい時にたくさん失敗させてあげて、大人になった時に失敗しても、すぐ立ち直れるように経験を積ませるのが大切です。

劣等感のある人の方が必ず成長します。劣等感のない人は、「自分ができて当たり前」だと思って努力しません。上手くいってる時はいいですが、50代、60代でどでかい失敗をしがちです。取り返しのつかない失敗だと大変ですよね。

■いつまでも子供のように夢を持ってチャレンジ


ーーこれからのビジョンについて教えてください

福地:今一番やりたいのが、コミュニケーションロボットの制作です。小さい頃、ロボットと言えば鉄腕アトムを想像していました。今の夢は、自分が憧れた「身近で助けてくれたり、友達になってくれるロボットを世の中に提供すること」です。

そのなかで、見守り会話ロボットは誰も孤独にさせませんし、孤独死させません。「見守り会話ロボットは本当にいいよね!」って喜んでくれている場面を想像しながら、最後までやり遂げようと思っているのがビジョンです。

人間なので、見た目は古くなりますが、心のなかや気持ち・精神は年取らないんですよね。年齢は経験の差なので、ワクワク感は小さい頃と変わりません。一生子供のままで、夢を持っていたいと思います。

▼ワクセルコラボレーター 福地 三則さんhttps://waccel.com/collaborator/fukuchi-mitsunori/

<プロフィール>
ロボ・スタディ株式会社 代表取締役社長

<経歴>
早稲田大学法学部卒、新卒で大手旅行会社海外営業本部に入社。5年勤務後退社、語学学校で5年勤務後小中学生用学習塾の講師を12年務める。1995年教育ソフト会社(株)CAIメディアを創設し代表取締役社長に。2018年ロボ・スタディ株式会社を創設、2019年代表取締役社長に就任。2010年浜松市第一号ものづくりマイスター認定。

■代表作・主な実績
2003年と2018年に 英語音声認識対話型英会話ロボット発売 
2021年 高齢者独居者用AI見守り対話ロボット開発 App Storeで「英単語完全攻略8000語」「英語上手」など月間ダウンロード数No.1アプリを多数販売 
「英語上手」は殿堂入りアプリに

■公式ホームページ、SNS等
会社HP
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■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。

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