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【コラボレーターの仕事術】もっとスポーツを身近なものにしたい 株式会社スポンド 代表取締役 立木 正之

スポーツマーケティングの第一人者としての地位を築き、さまざまな分野とコラボレートしてブランディングの価値を創造し続けている立木さん。今回のインタビューでは、アディダス ジャパンでの20年にわたる勤務を経て、独立することに至った経緯や今後のビジョンについて伺いました。

■世界を回って見えた課題

ーーこれまでの経歴や、今の仕事について教えてください。
立木さん(以下、立木):
自分が成り立っているのは、小学校3年から始めたサッカーのおかげですね。小・中学校では地域の選抜チームにも選ばれ、高校時代は全国高校サッカー選手権で準優勝させてもらいました。大学では青山学院大学の英米文学科に入学し、青春時代はずっとサッカーをして過ごしました。

新卒で商社に入社した後、1999年にアディダス ジャパン株式会社が設立されるタイミングで転職。最初の約15年間はスポーツマーケティングの分野でプロアスリートやプロチームと契約をし、その肖像を使っての販売施策や、ブランドとして伝えたいメッセージを発信する仕事を行っていました。

それからリテールマーケティング分野で、直営店のプロモーション施策や、売上を改善する仕事に携わった後、最後の3年間はアディダスの新規事業を行いました。たとえば、Jリーグスポンサー企業と協業して、全国各地でフットサルイベントを開催したこともその一つです。イベントを行うことでアディダスとしては、「参加賞などとして商品を購入してもらえる」、協業企業は、「スポーツ好きの新規顧客にアプローチできる」といったようにお互いメリットのあるようなビジネス設計を行っていました。

さまざまな業界とスポーツを組み合わせることで、スポーツに関係ない業種の方にも、スポーツに良い印象を持ってもらうことができます。既存の流通ではない所に新しい事業をつくっていくことがとても楽しく、その時の経験が独立したきっかけとなっていますね。

また、世界各地へ出張にも行かせてもらいましたが、その時に日本はまだまだスポーツのコンテンツの力が弱いと感じたのです。例えば、ヨーロッパではフットボールが生活の中に溶け込んでいて、フットボールが日常の話題となっていますし、フットボールをフックに様々なビジネスが回っています。しかし日本ではまだまだそういったことが少ないです。やはり日本ではスポーツというコンテンツの使い方がまだまだ認識されていないなと感じました。

具体的に、日本におけるスポーツの使い方といえば、真っ先にクラブや大会のスポンサーになるというイメージが浮かぶと思います。しかし、実際はそれだけではありません。社内研修でスポーツをしてもいいのです。スポーツは世界の共通言語でもあります。

だからこそ、スポーツを通じての活動をするだけでもっと企業のイメージが変わってくると感じましたし、チームビルディングにもなる、こういった環境を日本でも作りたいと思い、独立することに至りました。

■スポーツに恩返しがしたい

立木:独立してからメインで一緒に仕事をさせてもらっている企業は、寝具メーカーです。寝具はスポーツと掛け算することによって、「寝具」から『コンディショニングギア』に落としこむことができます。寝具メーカーと共同で『スポーツ睡眠』というキーワードを立ち上げ、またスポーツ選手にも協力してもらい、スポーツとの親和性をブランディングしてコミュニケーションをしていますね。

ーーこれまでに泥臭い経験をたくさんされてきていると思いますが、やり続けようと思えた要因は何だと思いますか?

 立木:僕にとって、スポーツが人間形成の背骨になっています。前職で世界各地を回らせてもらったのですが、残念ながら日本はスポーツの力がまだまだ弱いと感じました。だからこそ、この日本でスポーツの力を理解してもらって、スポーツに恩返しがしたいです。「スポーツってもっといいものだよ」「もっと身近なものだよ」ってことを日本で広く伝えていきたいです。泥臭いこともありますが、スポーツがあったからこそ今の自分が存在するので、やっぱりスポーツにずっと携わっていきたいですね。


■『スポーツ×〇〇』ではなく『〇〇×スポーツ』

ーー今後のビジョンや展望について教えてください。

 立木:理想は、日本でスポーツをもっと身近に感じてもらうことです。日本はこれから超高齢化社会に突入していきますので「健康寿命を延ばすにはスポーツをした方が良い」とよく言われています。もちろんその通りなんですが、もう一つ、子供たちの人間形成にも使って欲しいと思っています。スポーツって共感や一体感を感じさせてくれますし、人を巻き込む力もありますので、そういったスポーツの力をもっともっと活用してもらいたいですね。

スポーツは単体ではなく、掛け算していくものだと思っています。大事にしているのは、『スポーツ×〇〇』ではなく、『〇〇×スポーツ』であることです。

スポーツ自体は純粋無垢で色がついていないと思っています。だからこそ、スポーツを軸にするのではなく、『〇〇×スポーツ』にして、何かが主語になり、その何かをスポーツが調味料の役割となってコミュニケーションの幅を広げていきたいです。

▼ワクセルコラボレーター
株式会社スポンド / SPOND Inc.
代表取締役 立木正之さん
https://waccel.com/collaborator/tachiki-masayuki/

<プロフィール>
⻘山学院大学英米文学科卒業。1999年にアディダスジャパン株式会社に入社。スポーツマーケティング部門で 15年、リテールマーケティング部門で 1年半、新規事業部門で 3年半、合計20年間を経験。 2019年に株式会社スポンドを設立。スポーツを通じての新しい価値を創造している。

<代表作・主な実績>
Anchor 2020年4月号掲載
ライズTOKYO「#スポーツ睡眠」プロジェクトの発足
会社HP
Instagram

■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。 さまざまな分野で活躍する著名人や経営者、クリエイターの方々とコラボレートすることにより、下記の取り組みやコンテンツ制作を行っていきます。

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