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【コラボレーターの仕事術】リスクを因数分解して世間に惑わされず自分の生き方を目指す 大野経営コンサルティング 代表 大野 潔

今回インタビューした大野さんは、京都大学を卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)で法人営業、リクルートで財務部と法務部を経験した後、2015年にコンサルティングや顧問業を手掛けるべく独立。金融機関勤務時の法人営業経験やリーマンショック、大型IPOなどを経て身につけたスキルと経験を生かし、独立後でも会社員時代より安定したビジネスの基盤を築いています。

現在の事業に携わるようになったいきさつや、今後のビジョンについてお話をお伺いしました。

■誰にも負けないくらいの修羅場を経験


ーーこれまでの経緯や変化のきっかけを教えてください。

大野さん(以下、大野):1998年に新卒で日本興業銀行に入行したころ、世の中は不景気でした。銀行合併に伴うシステムトラブルで会社が危機に陥った事態も経験。システムトラブルの直後は電話が鳴りやまない状況のなか、何を聞かれても答えられない状態でした。

日本興業銀行が合併して2年後、リクルートの財務部に転職しました。リクルートの債務返済がちょうど終わるころでした。成長過程に入るタイミングでしたが、リーマンショックで大打撃を受けました。苦しい時期をたくさん経験し、誰にも負けないくらい修羅場をくぐった自負があります。

そして2011年に法務部へ異動。株式公開の準備・資本政策に従事した後、2015年にリクルートを退職しました。その後、独立し現在に至ります。


ーー10年間務めたリクルートを退職するのは勇気が必要だったのではないでしょうか?

大野:リクルートに中途入社で10年間勤務したのは長い方でした。それまでの経験により財務会計や法務に強かったため、ストレートでの合格率4%の中小企業診断士試験に一発で合格。資格や経験を活かして、コンサルティングや士業の顧問業を手掛けるべく独立を決意しました。

コンサルティングや顧問業にはお金がかかりません。設備投資や仕入れがなく、人を雇う必要もありません。一方、お店を経営する場合は、設備や仕入れのために、まずは外部から資金を調達して、その借金を返済していく必要があります。「私のような仕事であれば、仮にうまくいかなくても貧乏になるだけ」そう考えて思い切りました。

■リスクの先にある安定


ーー貧乏になる不安はなかったですか?

大野:もちろんありました。ただ、リスクは取る必要はあります。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」です。独立の選択肢を取る人は少ないですが、そのリスクを取った人間だけが大きな果実を得ることができると気づきました。

今は異動や転勤がある会社員よりも安定しています。顧問業なので、月額で一定の金額が入ってきます。安定すると、逆にそれが不満になるという贅沢な悩みが出てくることもあります。


ーー独立して苦労したことや変化したことはありますか?

大野:最初の半年は営業面での苦労がありました。それでもFacebookのようなSNSの存在がありがたく、高校や大学の友人、過去仕事上で付き合いのあった人取引先など関係性の薄い人にも友人申請をして食事に行きました。

タイムスケジュールは圧倒的に変化しましたね。定時まで働くという概念はなくなり、働く時間は自分で決めています。

ほかには、会社員だと誰かに見られている意識があったんでしょうね。アポで移動するときには最短のルートで向かうとか、合間の時間に会社へ戻って仕事をするとか、周囲の目を気にしながらやっていました。

独立したら、当然誰からのチェックもありません。時間があれば、新宿から丸の内、五反田から銀座までと2時間近く歩くこともあります。会社員ではないので、クライアントの時間に間に合えば問題ありません。誰からも何も言われないので、自分を律することが大切です。

また、自分から情報発信をしていくのが大事だと感じています。Facebookやnoteで投稿したり、インタビュー記事をポッドキャストでアップしたりしています。内容は仕事関係のみならず、歴史やクラシック音楽など趣味の話も多いですが、喜んでいただいていると思います。


■世間に惑わされず自分の生き方を目指す


ーーこれからのビジョンについて教えてください。

大野:まずは、顧問業でご愛顧いただいているクライアントと末永くお付き合いすることです。将来的には、上場企業の社外役員のポジションも自分のスキルを生かせると思っています。

財務や法務の知見を持っている人は、大企業に多くいますがベンチャーにはあまりいません。一般的な社外役員の層は大企業の役員経験者であり年配の方が多いのですが、彼らよりはるかに若い自分は、若い経営者にはうまくマッチすると考えています。


ーーこれからチャレンジする人へひと言お願いします。

大野:独立にはリスクがあると言われていますが、リスクを因数分解してみるといいと思います。先にお話したとおり、お金が不要なビジネスをすると、仮にうまくいかなくても貧乏になるだけなので、そのリスクは取れるという考えも出てくると思います。

例えばまた、AIが普及すれば税理士が必要なくなると言われていますが、本当にそうでしょうか?税理士が手掛ける業務のうち、簡便な業務はAIが代替しますが、税務の知識を持った人間が頭を使って考えないといけない業務もあるはずです。そういった仕事を手掛けていけば、果実を得られるはずです。

そんな風に物事を因数分解して具体化してみる癖をつけると、取れるチャンスがあったり、人に負けない競争力に気づいたり、するくことがあると考えます。世の中の言説を因数分解して、自分なりに評価していくと、世間に惑わされず自分の生き方を目指せるのではないでしょうか。

▼ワクセルコラボレーター
大野経営コンサルティング 代表 大野潔

<プロフィール>

<経歴>
京都大学経済学部卒業。1998年日本興業銀行入行、2005年リクルート入社、2015年大野経営コンサルティング設立。資格・役職:中小企業診断士、証券アナリスト、MBA講師。

新卒で株式会社日本興業銀行に入行し、営業を経験。その後、株式会社リクルートにおいて財務・法務領域で大きな資本政策上の課題解決に尽力。株式公開という大プロジェクトも経験。

営業・財務(会計)・法務という専門領域において幅広い知見を有している。一つの領域からの視点にとらわれることなく、高い経営者視点から物事を判断することができる。また各種専門領域において幅広く人脈を有している。

資本政策の遂行を通じ、ビッグプロジェクトほど人と人との信頼関係が重要ということを学んだ。Give、Give、Giveを繰り返し、最後にTakeするような関係性を構築してきた。
独立後は、これまでの知見を活かした財務顧問・社外役員や士業向けマーケティングコンサルティングを行っている。

■代表作・主な実績
電子書籍
『10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析』
『競争社会到来!企業法務に携わる弁護士が最初に読む本』

■公式ホームページ、SNS等
会社HP

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