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ハワイでのステキなオモイデ

ずっと誰かと一緒にいて、ワイワイしていた旅の合間に、思いがけず独りになれる時間があった。

ハワイ旅、6日目。金曜の夕方。ホテルのバーで地元の方々が集い、ハワイアンミュージックを奏でる。40年も続いているというこの”ハワイアンミュージックの夕べ(わたしが命名)”。「楽しいからやるだけさ。」そんな声が聞こえてきた。歌詞がわからずとも、一緒に歌いたくなった。
暫くすると、太陽がわたし達の目線に近づいてきた。みんながステージを囲い音楽を楽しむ中、席をたつ。ビールを片手に、隣接するビーチに向かい、座って欲しいと言わんばかりに形のいい椰子の幹に腰をかける。そして、少し遠くに聞こえるハワイアンミュージックを背に、ハワイの夕陽と向かい合う。
「いま独りだ。」
なぜだか急に、そんなことを意識した。ハワイの空に揺られながら、誰も居ない小さなビーチで、誰のことも気にせずに、自分のことだけを考えた。優しくつつんでくれる太陽と優しくよりそってくれる海の前に、物事が上手くこなせない自分が切なくなった。そしたら、太陽がこっそり教えてくれたんだ。
「素直でいるのがいいよ。」
上手くやろうとするんじゃなくて、素直な気持ちで居ることが大切なんだね。悪いと思ったら、その気持ちを伝えればいいし、キュンとしたら、スキって言えばいい。

次逢ったら、ギュってハグしよう。
太陽はもう居なかったけど、淡いピンク色の空を前に、わたしはそう決めていた。

wacana*
〜ハワイのおもひで*その4〜


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