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ケズレヴ・ケース 〜コーデリア〇一光宙記録〜 -あまり役に立たない人名・用語辞典-

《本篇》はこちら

《あ》

あいんしゅたいん・の・のろ・い【アインシュタインの呪い】
本篇の物語世界において、さまざまな制約、その他を強制する最大級の呪い。
光速にまつわる諸々の物理現象、質量の増大、加速限界、時間遅行などなどを引き起こし、しばしば登場人物たちを悩ませたり、悩ませなかったり。
しかし、本篇における最大の呪いは、《アインシュタイン》と云う人物名が、ただひとりの人物を、先入観によって読者に想起させると云うものだったりする。
筆者は《彼のこと》を指すとは一言たりとも明記してはいないし、本篇中には《彼》に関係する専門用語もほぼ出てきてはいないのだった。

《う》

うちゅう・かいはつ・じぎょう・こうだん【宇宙開発事業公団】
《英:Space Development Public Corporation-SDPC-》
人類が地球近傍宙域をうろうろしていた頃からある宇宙開発の老舗。
その前身は国際協力組織の一部局と云うのはこの手の話のお約束。
公団と名乗りながら何に対する公なのか、を詳らかにする構想は目下のところは筆者にはない。
本篇で語られる物語の都合上、軍隊的な描写が多いが、実際は、背広組(管理部門)、制服組(実務部門)、白衣組(研究部門)に組織は分かれている。
他の同様な団体、組織に比べればマシだが、それでも巨大な集団なので、その枝葉末節に至るまで説明するとキリはない。
本篇中で《公団本部》と表現される部門はもっぱら制服組のトップ《幕僚総監部》を指す。
光宙艦群のみならず惑星往還を主とする航宙艦、それに関連する諸々の施設の管理、運用を担うのが制服組であり、公団全体の経営、自治権委譲までの居留地経営、対外折衝(営業活動、政治工作とか諸々)や新規事業の受注・下請け発注などは、もっぱら背広組が行う。
本篇に登場したE・カートライト第一事業本部長は、登場人物のうちでは数少ない背広組であり、ジョセフ・アサクラ一等宙佐は、制服組を退役後に背広組に転籍する構図になる。
なお、白衣組は純粋な研究部門で、役に立つのか立たないのか判らない研究がもっぱらで、そこでの成果を事業に結びつけようと四苦八苦しているのは、制服組に属する《技術本部》である。
制服組の組織詳細は《幕僚総監部》を参照のこと。

国際連絡網=国連=

———・こうちゅう・くんれん・がっこう
【宇宙開発事業公団・航宙訓練学校】
宇宙開発事業公団が管理、運営する職業訓練学校。
実年齢十六歳以上であれば、特に受験資格は問わない。
受験に際しては、一般教養、学科、実技試験があるが、これは受験者をふるいにかけるためのもので、本当の地獄は入学してからである。
基礎訓練課程三年、高等訓練課程二年の五年制。基礎訓練課程修了で公団認定の航宙士資格を、高等訓練課程終了で航宙曹資格を得られる。
基礎訓練課程を以って、公団の一般航務員試験に合格すれば、晴れて二等宙士(いちばん下っ端)として公団に就職出来るし、一応、公的な資格扱いなので、一般航宙士として他の企業、団体、軍隊などにも就業は可能。
二種類ある奨学生制度のうち給付型を選択した場合は、少数の例外を除いて、ほぼ公団への就業は義務となる。
とは云え、就職率はほぼ百%なうえに、もうひとつの貸付型を選択した場合でも、その返済を考えると、高収入が見込める一般航宙士としてそのまま公団に入った方が有利とされている。
これらのさり気ない《公団の縛り》は、学生たちには発案者の名前をモジって《トラバーユ法》と揶揄されている。
複数の専科を含む高等訓練過程を修了すると、三等宙曹(下っ端下士官)として現場へ出るか、航宙士官を養成する大学校への受験資格を得ることが出来る。

———・こうちゅう・くんれん・だいがっこう
【宇宙開発事業公団・航宙訓練大学校】
訓練学校同様に宇宙開発公団が管理、運営する職業訓練学校の高等教育機関。
軍隊で云うところの士官学校にあたるが、受験資格は公団の航宙曹資格者の他に、一般の高等、大学教育課程修了者、それぞれからの受け入れ枠もある。
訓練学校同様に、受験試験は一般教養、学科、実技となっているが、ある年次以降、一般常識も問うべきではないかとの声が囁かれた。
教養、実技課程二年、幹部教育課程二年、演習課程三年の七年制だが、全課程を修了しないと航宙士官(三等宙尉)資格は得られない。
なお、入学と合わせて士官候補生(航宙准尉)として公団から給与が支給されるうえ、学費と生活費は全額公団負担となる。
従って訓練校とは違い《トラバーユ法》以上の縛りで、全課程修了後は、航宙士官として公団入りすることが義務付けられている。
なお、航宙尉官として五年以上勤務し一等宙尉まで昇進すると、佐官資格(丙種三等宙佐)を得るための上級幹部教育課程(二年)の受験資格も得られる。
地球圏には本校(訓練校に隣接)の他、《南極学校》と呼ばれる人類到達不能極演習場など、多くの附属施設を持ち、光宙訓練艦などの管理、運用も行っている。
地球圏外、太陽系外にも分校設備はあるが、それ程、規模は大きくない。

《か》

かに・ざ・55・ばん・せい・Ae【かに座五十五番星Ae】
光世紀カタログコード:LCC 5400Ae
惑星固有名:キャンサーE(自称)
《同宙域移住事業(第三次スコーププロジェクト-Space Co-op project 3rd-)》について。
昔々、まだ恒星間往還事業が乗るかそるかの大博打だったころのお話し。
第一次、第二次と太陽系近傍恒星域への往還事業を成功させた人類外宇宙生活協同組合(Co-op)は、勢いと調子と頭に乗って、第三次計画は〝もっと遠くへ〟をスローガンに、地球から約四十光年先のかに座五十五番星Aの第一惑星〝かに座五十五番星Ae〟を目的地と定め、その事業を推し進めた。
この頃は、まだ諸々のノウハウやら関連法やらの整備がモヤモヤしていたため、このような暴挙も行われていたのだった。
むしろ、その結果からノウハウを得ようとしたきらいすらある。
夢と希望と浪漫の代替品とばかりに、荷物と推進剤と移住者を詰めるだけ詰めて、第三次スコーププロジェクトの恒星系移住船〝太陽の女王号〟は、太陽系を後にした。
往還ではない片道切符だったが、まだ当事者たちは移住者込みでそこまでは気にしていなかったのである。
が、太陽の女王号は、太陽系を後にしたっきり、待てど暮らせど、何の音沙汰もないまま、歴史だけがひとりで未来へと歩を進め、半世紀を経てもなお、その消息は杳として知れない。
目的地へ着いたのか?
まだ旅の途中なのか?
はたまた、力尽きたのか?
この時点では、LCC 5400Aeは孤立した星域であり、最寄りに他の人類居留星域がある訳ではなかった。
現実には、人類の確固たる生活圏はいまだ太陽を起点とした半径十光年を越えた先にはなかったのである。
太陽の女王号の一件が、ありがちな解決手段として〝なかったこと〟にされようとしていた矢先、ある恒星圏自治政府軍の超々長距離航試光宙艦〝ほぼぶらじる〟が、僚艦〝かりふらわぁ〟と共に、かに座五十五番星A星域へと到達した。
そして、見つけちゃったのである。
太陽の女王号の残骸と生き残った移住者の子孫たちを……。
実に彼の船が太陽系を進発して一世紀が過ぎた頃であった。
もちろん、このニュースは光世紀世界を駆け巡ったが、光速限界があるので、これが太陽系、地球へ届いたのは、更に半世紀後のことであった。
しかし、その後の展開は、流石に正味、一年以内に諸々が収斂され、すぐに折り返し、かに座五十五番星Aへと向かったのだった。
が、これも当然ながら、さらに半世紀の刻が掛かり、折り返し一世紀の時間は、完全に五十五番星AeあらためキャンサーEの人々が地元で好き勝手なことをやるには十分な猶予を与えた。
こうしてキャンサーEは独自の文化圏を築き、独自の仕様で、同胞たる人類たちの許で再デビューを果たしたのだった。
この事件を契機に、勢い余って藁の代わりにスカを掴んだCo-opは、虎の尾を踏んで脱落し、他の公団のライバルたちは同じ轍を踏む危険から二の足を踏み、かくして〝割とちゃんとしてる〟公団の事業が徐々に拡大し、今に至るのであった。
なお、キャンサーE自治政府指定永久保存文化財たる太陽の女王号は、今は〝太陽乃塔〟の愛称で親しまれ、キャンサーE首都近郊の新興住宅地に立っている。

かんせい・しき・しょ【管制指揮所】
《英:Control Information Center -CIC-》
《群司令部》が脳であれば、その目であり耳であり心臓部でもある部署。
本篇の《CIC》には、さらに手となり足となる《機動観測班-MOT-》が試験的に配置された。
《群司令部次席幕僚》がセンター長を兼務し、航法士《アヴィエイター》と云う専任担当官で構成されている。
その業務は多岐に渡り、恐らくは本篇中で一番働いている部署でありながら、その具体的な描写は殆どないと云う縁の下の力持ち的存在。
《光宙艦群》の中でも最高機密扱いの部署のため、《航宙部航務員》《群旗艦艦長》と云えども、《群司令》の許可なく立入は出来ないし、滅多に許可はおりない。
そもそも《群司令》本人さえも部下のセンター長の同意と同行がなければ立ち入れない。
なお、《CIC》内は飲食厳禁であるが、一部の《航務員》たちは、きっと中で、こっそり美味しいものを食べていると疑っている。

《き》

きどう・かんそく・はん【機動観測班】
《英:Mobile Observation Team-MOT-》
本篇中でほぼほぼ説明しているので、追加情報はあまりない。
《空間高機動モジュール-シュピーゲル一七-》に乗り込み、《シルバースター》の誇りも高く、宇宙へ飛び出すのが仕事。
《シュピーゲル一七》は、三機に分離・合体する仕様の上、《光宙艦》からの射出軌道要素が他の艦載機よりも特殊なため、専用の射出機と格納庫、並びに専従整備班(機付き整備員)が用意されている。
全くの蛇足だが、現実世界の某気象庁に同名のチームがある。(ネタ元とも)

ぎゃく・ぽーらんど・きほう・たくじょう・りょうし・えんざん・き
【逆ポーランド記法卓上量子演算機】

物語世界の現代では、骨董品扱いの〝電卓〟的な計算機。
HP社製。

きゃぶ【キャブ】
《英:Cab》
公団で広く用いられている汎用型有人光速連絡艇。
本篇中に登場するのは、百二十五式有人複座光速連絡艇で、他に八〇式有人複座艇と五〇式有人単座艇がある。
何が百二十五式で、八〇式で、五〇式なのかは不明。
《スーパー・キャブ》とは《自称、事務屋の親爺》が勝手にそう呼んでいるだけで、似たような名前の何かとは綴りも違うし、諸々違う。

《く》

ぐりーぜ・581・ほうめん・だい・ご・じ・はけん・こうちゅうかん・ぐん
【グリーゼ五八一方面第五次派遣光宙艦群】

制式記録名:05DLSSS-LCC1050
《英:05th Dispatched Light Speed Ship Squadron-Light Century Catalogue 1050》

ぐん・しれい・ぶ【群司令部】
《英:Group Headquarters -G.H.Q.-》
恒星間往還事業を行う《派遣光宙艦群》内に設置される謂わば前線司令部。
事業規模にもよるが、本篇に登場する第五次ケズレヴ往還群司令部は、小規模編成のため、群旗艦の《ウラヌス級光宙艦コーデリア〇一》のブリッジ内にブリーフィングスペースを間借りするかたちを採っている。
より大規模な編成の場合は、ブリッジとは別室に専用スペースを置く。
群司令《宙将補》、群副司令兼首席幕僚《一等宙佐》、次席幕僚二名《二等宙佐》(それぞれ光宙艦群運航担当、情報解析担当)が群司令部首脳部となり、配下に《管制指揮所-Control Information Center-》を置き、《光宙艦群》を構成する各光宙艦、その他、連絡艇などの管制指揮の他、光路上の宙域観測、情報解析などを担う。
また、そうした情報などをもとに光宙艦群全体の運用(光程、編成、補給、各スケジュール管理)に責を負う。
《CIC》は、それなりに大所帯なので、群司令部とは別に、艦内の専用区画に設置されている。
また群司令部関連の事務や連絡業務を行う部署は、それぞれの担当官が光宙艦内の航宙部各科事務室などに、やはり間借りするかたちで席を置いている。
本篇中の群司令部には新たにCIC直轄の《機動観測班-MOT-》が設定されたため、別にMOT運用チーム(実務担当チーム四名、専従整備班四名)が置かれ、専用機射出格納庫並びに整備用格納庫、並びに要員待機室が別途用意された。

《け》

けいむ・たい【警務隊】
《保安司令部・分遣隊》
を参照のこと。

けずれゔ【ケズレヴ】
《英:Kezlev》
グリーゼ近傍恒星カタログ番号:グリーゼ五八一c
光世紀カタログコード:LCC1050c
太陽系から約二十.五光年離れた赤色矮星グリーゼ五八一の第三惑星。
現実世界においては、初めてハビタブルゾーン内で発見された地球型惑星として有名。ただ、現在では潮汐固定と云う特異な自転と公転の同期現象が観測されており、その居住性の可否そのものは危ぶまれている。
だが、それでも尚、本篇ではここを目指しているのだった。
ケズレヴは、本篇にある通り、有人光宙往還計画が実行に移された時点でつけられた惑星固有名で、現実世界での二〇〇八年にウクライナ国家宇宙局が運営する電波望遠鏡からこのグリーゼ五八一cに向けてメッセージが発信された故事に由来し、その電波望遠鏡がある都市イェウバトーリアの古名にちなんでいる。
語源となったハザール語Güzliev (美しい家)のクリミア・タタール語読みがケズレヴ(Kezlev)である。
特に物語には関係ないが、イェウバトーリアはクリミア半島にあり、本篇執筆時は、ウクライナではなく、ロシアが実効支配している街でもある。
無論、深読みして貰って構わない。

《こ》

こう・せいき・せかい【光世紀世界】
《英:Light Century World》
《太陽圏-Sol sphere-》(地球がその周りを廻っている太陽を中心とする、太陽系)を中心とする半径五十光年(直径百光年 = 一光世紀)の宇宙空間。
用語としては、石原藤夫《いしはら ふじお、一九三三年〈昭和八年〉四月一日〜)、日本の小説家、SF作家、サイエンス・ライター、SF書誌研究家、通信工学者(工学博士)》氏が、ハードSFの舞台などといった考察などのため、一九七〇年代後半から八○年代に掛けて提案したもの。
本篇冒頭で挙げている提唱者とは、当然ながら同氏のことである。
使っていいなら使おうと安易に手を出してはみたものの、今のところ、まるで使い切れてはいない。
《グリーゼ五八一》を指す《LCC1050》は、光世紀カタログでの公式名称《Light Century Catalogue 1050》である。

こうだん【公団】
《宇宙開発事業公団》を参照のこと

こうだん・くんれん・こう【公団訓練校】
《宇宙開発事業公団・航宙訓練学校》を参照のこと。

こうだん・ほんぶ【公団本部】
本篇では《幕僚総監部》の通称。
詳細は当該項目を参照のこと。

こうちゅう・かん【光宙艦】
《英:Light Speed Ship》
本篇世界での恒星間航行用宇宙船の通称。
本篇でも触れているが、有人による実用航行速度は、光速度の九十九.九九九九%が最大値で、物語開始時点ではこれ以上の速度には、有人艦は到達出来ていない。
なので、正確には亜光速航行宇宙船である。
この物語世界の光宙艦は、《アインシュタインの呪い》によって、以下の制約を受けている。
光速に近づくほどに船内時間の遅行現象が発生。
概ね地球での経過時間の約〇.四倍から〇.一倍(二十光年先へ到達する間の船内時間は単純計算では約二年になる)となる。
実際には凍眠システムも併用しているため、乗員の見た目の年齢はさらに若くなる。
最大光速度へ加速出来るのは恒星系外縁部を越えてから。
太陽系黄道面軌道では、カイパーベルトの先からが恒星間光路(光速度へ加速しても問題にならないルート)になる。
これは惑星、恒星系と光宙艦の相互で重力干渉が発生し、《とても不安定で危険な状態》になるため。
故に恒星系内は《光速度制限宙域》と設定されている。
そのため、光宙艦は《光速度制限宙域》外に達するまでは、《通常宇宙巡航速度》と呼ばれるアインシュタインがガミガミ云わない速度で飛行している。
その間は、乗員の多くは、当直を除いて、凍眠システムで寝ている。
もちろん、目的地の星系でも同様で、あらかじめ設定されている《光速度制限宙域》までには通常宇宙巡航速度まで減速しなければならない。
光宙艦乗りは、これを〝ハイウェイからインターを通って下道(したみち)へ降りる〟と表現する。
なお、恒星系外縁の《光速度制限宙域》には料金所こそないが《シェルター》と呼ばれる一時滞在・退避用の《ターミナル・ステーション》が、有人往還開始までに設置されている。
そして本篇にもあるように公団の光宙艦は《キャラバン方式》で運用されているので、加速と減速を繰り返したり、《中継ステーション》で寄り道したり、最短航路を直線的に進んでいる訳でもないので、単純計算では(色んな意味で)割り切れない。

こうちゅう・かん・ぐん【光宙艦群】
《英:Light Speed Ship Squadron》
公団の恒星間往還事業を担う実行部隊。
一般的には、複数の《光宙艦》で構成されているため《群》がつく。
他の組織では《光宙艦隊》などと呼ばれるが、公団では《キャラバン》と通称する。
特殊な編成でない限りは《群旗艦》を中枢とし、その目的に沿った光宙艦で構成されている。
本篇中の第五次ケズレヴ往還を担う光宙艦群は移住者輸送が主任務なので、《移住者母艦群》を主軸として、他の艦船を配置している。
各光宙艦の管理・運用は、《管制本部・航宙部》が担っており、艦長をトップに操舵科需品科衛生科などが置かれており、群旗艦艦長を首座とする艦長グループ《艦長会議(仮)》が全ての責任を以って、実務にあたっている。
《群司令部》が往還事業計画全体に責を負う点からみれば、少し職制と職分、職責が違う。
なお、《群司令部》《管制本部・司令部》に属しており、指揮系統上は上位にあるが、組織としては《航宙部》とは別になる。
この他、長期光宙往還の場合は、保安・警備任務を主とした《保安司令部・分遣隊》《警務隊》として乗り組む場合がある。
こうした経緯から混乱を避けるために《航宙部》《司令部》では同じ階級でも《階級章》の意匠が違っている。

000 公団_階級章_資料

こうちゅう・し【航宙士】本篇中では、特に明記がない場合は、公団に属する宇宙飛行士を指す。
本項では《航宙士》《航宙曹》《航宙士官》などについても記す。
別表の通り、公団に所属する航宙士は階級社会を構成する単位でもある。
おそらくは何処かの国のそんなような組織に似たような階級で分けられた団体・組織があるが、それは《作為に満ちた偶然と必然の結果》である……。
公団の航宙士は《訓練校》《航宙学生》から始まり、最高位は《宙将》であがりとなる。
《訓練校》の基礎訓練課程修了を以って、《二等宙士》となり《宙士長》までが《一般航宙士》、あるいは《一般航務員》と呼ばれる。
《航務員》と云う呼称は読んで字の如しだが、正式な呼称ではなく、あくまでも社会的な通称でしかない。
《訓練校》の項で記した《トラバーユ法》が適用されない場合、任期は二年でそれ以上は二年単位で更新される。
つまり最初の二年で公団を退職することは可能ではある。
ただ、その時点で乗艦する《光宙艦》なりが光程途上にある場合、離艦して退職することは九十九.九九九九%認められない。
もっともその分、退職金が割増されるので、表立って不満を云う者もあまりいない。
公団が割と給与や待遇で《航務員》を縛る、または囲い込む傾向にあるのは自明であろうか。
《宙士長》を二年務めると、軍隊で云う下士官にあたる(企業で云うと係長待遇から上)《航宙曹》への道が拓け、希望すれば《訓練校》へ編入し高等訓練課程を経て、《三等宙曹》として公団へ舞い戻ることになる。
《航宙曹》《航宙士官》には任期と呼べるものはなく、ほぼほぼ公団への永久就職が確定となる。
《航宙曹》は最高位が《宙曹長》で、定年まで《宙曹長》と云うケースも珍しくはない。
但し、指揮官(航宙佐官以上)クラスの正式な推薦があれば、《航宙士官候補生》として、さらに上を目指すことは可能となっている。
そんな変態は滅多にいないが、皆無と云う訳でもない。
《航宙士官》は、《航宙尉官》《航宙佐官》《航宙将官》に分かれるが、職制、職責、職分、によっても道筋は分かれる。
公団の設立当初は、組織的な規模もそれ程大きくなかったため、士官待遇は《宙尉》《宙佐》《宙将》の三階級のみで事足りていたが、組織が拡大するにつれ、一等、二等、三等と分かれ、現在の階級で落ち着いた経緯がある。
基本、上に行くほど道が狭くなり、少数となるのは、どこの組織も同じだが、職制などなどの都合から、《航宙佐官》のみ、組織内ではさらに細分化されている。
《三等宙佐》は、対外的には《少佐》で括られるが、公団内、特に給与・待遇面などで《甲種》、《乙種》、《丙種》の三段階となっている。
特に明文化はされていないが、慣習として《一等宙尉》はいきなり《甲種三等宙佐》にはなれない。
但し、いわゆる《二階級特進》とされる制度が適用される場合、《丙種三等宙佐》《甲種三等宙佐》も等しく《一等宙佐》へ昇進となる。
しかし、例えば《二等宙尉》《二階級特進》して《三等宙佐》になっても、先の慣習に従い、待遇面では《丙種三等宙佐》扱いにされ、《二階級特進の格差》問題として、組合活動への参加が認められていない《航宙曹の労働者としての権利》とともに、しばしば公団内外で物議を醸している。
醸しているだけで、公団トップが特に歩み寄る姿勢を見せたことはない。
この他、《特任宙佐》と云う特別待遇もあるが、これについては特に明確な規定はなく、定年間近の《一等宙尉》《特任宙佐》として最後のお勤めをさせて、退職金にイロをつけたり、もしくは制度上、存在しない《准将》、《代将》と云う階級の代わりに《一等宙佐》《宙将補》に昇進させる前の暫定として留め置くかたちで任官させるケースもある。
この場合、外部組織、または内部から見る場合でも、当てられている職制を以ってその待遇を変える格好となる。
《航宙将官》は、《宙将補》《宙将》の二階級のみで、最高位の《宙将》は軍で云えば《中将》にあたる。
《大将》がいないのは、制服組のトップである《幕僚総監》がそれにあたるからである。
そのため、《幕僚総監》を務める《宙将》が対外的には《大将》とみなされる。
また、《航宙士》から《航宙尉官》までが自由意志で公団を離れる場合は《退職》と云うかたちを取り、希望があれば《予備役》と云う制度に編入される。
《予備役》は、空きがあったらいつでも戻って良いよ、と云う制度であり、《航宙佐官》以上に適用される《退役》とはニュアンスが大きく異なる。
《退役》制度は、公団側の意向でいつでも復職させることが出来る制度で、召集される側には、特別な事情がない限り、拒否権はない。
但し、《航宙佐官》に昇進する段階で《承諾宣誓書》に署名を求められるので、自業自得、いや互いの了解事項ではある。
以下は各階級のカウンターパート(あるいは対外的な階級)と代表的な職制である。
正規(?)の軍事組織は公団の航宙士官制度について、総じて快く思ってはいないが、何しろ〝老舗としての信用と実績〟があるので、表面上は笑顔と握手で応じている。
※通常、佐官クラス以上の指揮官を高級士官と呼ぶが、本編世界では〝上級士官〟と作為的に云い換えているので留意されたし。
英語表記については(航宙部/司令部)の並びで表記。
必ずしも、その通りとは限らないが、参考として。
幕僚総監
 (大将・General (Gen))※公団内の階級としては宙将
宙将
 (中将・Vice Admiral (VADM)/Lieutenant General (LtGen))
 管制本部長、群管総務、技術本部長など。
宙将補
 (少将・Rear Admiral (RADM)/Major General (MajGen))
 管制本部司令部長、同航宙部長、光宙艦群群司令、光宙艦群繋留廠司令など。
一等宙佐
 (大佐・Captain (CAPT)/Colonel (Col))
 光宙艦群群副司令、同首席幕僚、光宙艦群群旗艦艦長、群管総務部人事部統括官、訓練大学校長など。
二等宙佐
 (中佐・Commander (CDR)/Lieutenant Colonel (LtCol))
 光宙艦群次席幕僚、光宙艦艦長、群旗艦副長、CICセンター長(レンズマン-ファースト)など。
三等宙佐(甲種・丙種・乙種)
 (少佐・Lieutenant Commander (LCDR)/Major (Maj))
 光宙艦副長、機関長など。
特任宙佐
 ※職制に準ずる。
一等宙尉
 (大尉・Lieutenant (LT)/Captain (Capt))
 光宙艦兵科職掌長(主任操舵士-操舵科長-、甲板長、医務長-衛生科長-、需品科長など)、CIC主任航法士(レンズマン-セカンド)、MOTチームリーダー、訓練大学校教官など。
二等宙尉
 (中尉・Lieutenant Junior Grade (LTJG)/First Lieutenant (1stLt))
 光宙艦兵科職掌副長(副操舵士-操舵科長補佐-、通信長、甲板長補佐、衛生科看護士長、需品科司厨部長、同被服部長など)など。
三等宙尉
 (少尉・Ensign (ENS)/Second Lieutenant (2ndLt))
 CIC航法士(レンズマン-サード)など。
航宙准尉
 (士官候補生または准尉・Warrant Officer (WO))
宙曹長
 (曹長または上級曹長・Chief Petty Officer (CPO)/Senior Master Sergeant (SMSgt))
 最先任上級宙曹長(※幕僚総監部特別職)、MOTサブリーダー、訓練学校教官など。
一等宙曹
 (曹長または一等軍曹・Petty Officer 1st Class (PO-1)/Master Sergeant (MSgt))
 光宙艦兵科職掌主任(機関室主任、群司令部主任事務官、光宙艦艦載機整備班統括班長)など。
二等宙曹
 (軍曹または二等軍曹・Petty Officer 2nd Class (PO-2)/Technical Sergeant (TSgt))
三等宙曹
 (伍長または兵長または三等軍曹・Petty Officer 3rd Class (PO-3)/Staff Sergeant (SSgt))
  保安司令部分遣隊(警務隊)警務官正(巡査長)など。
宙士長
 (上等兵・Leading Spaceman (LS)/Spaceman 1st Class (S1C))
 光宙艦兵科直当番班長、MOT専属整備班長、保安司令部分遣隊(警務隊)警務官補(巡査)など。
一等宙士
 (一等兵・Spaceman (SN))/Spaceman 2nd Class (S2C))
 保安司令部分遣隊(警務隊)警務官補(巡査)など。
二等宙士
  (二等兵・Spaceman Apprentice (SA)/Spaceman 3rd Class (S3C))
 保安司令部分遣隊(警務隊)警務官補(巡査)、CIC航法士見習(レンズマン・チャイルド)など。

尚、《宙士長》以下の《一般航務員》で組織されている任意加入団体《公団航宙士労働組合-公航労-》があり、その組合長は組合員による自由投票選挙で選ばれるため、階級は考慮されない。

《し》

しゅゔぁるべ【シュヴァルべ】
《独:Schwalbe》※ツバメの意。
《光宙艦》の標準艦載機のうち、《航宙部》所属の無人光速連絡艇の愛称。
《アインシュタインの呪い》の関係で、《光宙艦》は光速度航行中は、相互の無線通信が困難となるため、無人連絡艇を飛ばし、意思疎通を図っている。
基本的には先行する艦から後方の艦へ渡っていくので、《ツバメ》の愛称がついた。
何故、ドイツ語なのかは不明だが、艦載機の殆どは、《MOT》の専用機までがドイツ語の愛称になっているので、何か理由はあるのだと思う。
なお、《航宙部》所属の有人光速連絡艇は《シュトルヒ-独:Storch(コウノトリ)-》だが、今のところ出番は割愛されている。

《す》

すい・こう・ピーマン・に・ごう【水耕ピーマン二号】
航程一年以上を費やす恒星間往還を行う光宙艦群では、兵站線維持を担う輸送船からの定期補給だけではなく、再生出来る資源は循環し、一部の食糧で自給出来るものは水耕、農耕プラントで生産し、賄っている。
殊に食料の自給生産は、小は航務員たち個々人の余暇を利用した趣味的な菜園から、兵站全てを担う需品科が取り仕切るプラント艦に至るまで、多種多様な品目を扱っている。
水耕ピーマン二号は、グリーゼ五八一方面第五次派遣光宙艦群のゾディアック級水耕プラント光宙艦ヴァルゴ一三で独自に品種改良されたもので、需品科種苗研究員が技術の粋を尽くした末に開発に成功したことから、〝技の二号〟とも呼ばれている。
ケズレヴの主星である赤色矮星(M型スペクトル標準星)下にあっても収穫量を見込めるようにと改良された関係で、太陽などの黄色矮星(G型恒星)の元では、殆ど収量を見込めない特殊環境向け農産物でもある。
のちにさらなる改良を加え、暴風大気圏(ダブルタイフーン)下でこそ著しい成長を遂げる《水耕ピーマンV3》が登場した。
二号とV3は、ケズレヴ居留地の水耕プラント群に引き継がれ、同地の特産品となる。
なお、水耕ピーマン二号には自我があり、眼も口もあり、時として人を襲う……と云うのは都市伝説に過ぎない。

《せ》

ぜろ・あわー【ゼロ・アワー】
《英:Zero hour》
艦内時間で午前零時を指す。
本篇中の表記は《〇〇〇〇》となるが、これは伏字ではなく、《マルマルマルマル》と読む。
日付が更新される時間であり、当直交代時間でもある。
平時は《ゼロ・アワー》から二十三時五十九分《二三五九-フタサンゴーキュー-》までが艦内時間の一日である。
緊急事態が発報されると《二四〇〇-フタヨンマルマル-》と表示が切り替わり、以降、《群司令部》がカウントを戻すまでは、延々と終わらない一日が続く。
時間表記の場合の数字の読み方を参考までに以下に示す。
《〇-マル-》
《一-ヒト-》※〝シチ〟と間違えないために〝イチ〟ではなく〝ヒト〟と発音。
《二-フタ-》※聴き取りづらいので〝ニ〟または〝ニー〟とは云わない。
《三-サン-》
《四-ヨン-》※聴き取りづらいので〝シ〟または〝シー〟とは云わない。
《五-ゴー-》※語尾は長音。
《六-ロク-》
《七-ナナ-》※〝イチ〟と間違えないために〝シチ〟ではなく〝ナナ〟と発音。
《八-ハチ-》
《九-キュー-》
なお、公団の公式な共通語は《イギリス式英語》なので各自脳内で適切なそれに変換されたし。

ぜん・てんきゅう・とうごう・がた・こうほう・せいぎょ・もじゅーる
【全天球統合型航法制御モジュール】

《英:Total Absolute Navigation Keeper-T.A.N.K.-》
これがあるために《CIC》は関係者以外立入禁止となっている。
それ以上のことは字面から推して知るべし。

《た》

たいよう・けい・へいわ・いじ・きこう・ぐん【太陽系平和維持機構軍】
組織改変のたびにコロコロ名称が変わることに定評があり、物語世界では比較的、公団とも仲良くしている軍事組織でもある。
両者の間では、人事交流や技術交流も行われており、《公団技術本部》《同軍第四管区航宙技術試験団》は新型光宙艦に関する共同研究開発も行なっている。
現在は《太陽系監察連合統合宇宙軍》と云う名前に落ち着いているらしい。
なお、《第四管区航宙技術試験団》の拠点は《岐阜》。

だ・じゃれ【駄洒落】

本篇、スピンオフのみならず、この用語辞典に至るまで、駄洒落と語呂合わせのオンパレード(死語)であることは、本項までを読んでいる暇な……奇特な人には周知の事実と思う。
駄菓子菓子、敢えて弁明するならば、日本語に限らず、多くの言語は、そんな駄洒落と語呂合わせに満ち溢れている。
殊に日本語に至っては、縁起物、云い換え、などなどむしろ日常的に駄洒落と語呂合わせを回避する手段がない程である。
本作が日本語で書かれている以上、駄洒落と語呂合わせから逃れられないのは、そうした文化、風土に起因するのであった。
本篇執筆中、筆者は、自身の配偶者からも、この登場人物たちは〝何語〟で話しているのか、と何度も問われたが、そんなことは読んだ人が決めれば良いのであ……。

《は》

ばくりょう・そうかん・ぶ【幕僚総監部】
本篇中では《宇宙開発事業公団》の制服組の組織を指す。
軍隊とは似て非なる組織である公団では、他の軍事組織と同じ用語を用いながら、その意味合いが若干異なるケースは多々あり、本用語などはその典型とも云える。
公団の制服組トップは幕僚総監(軍で云えば参謀総長、艦政本部長など)で、公団実務にあたる部門はほぼ全てがその管理下に置かれている。
光宙艦などの管理・運用を統括する《管制本部》、総務・法務・人事部門を統括する《群管総務部》、実用的な開発・研究部門の《技術本部》などはここに属している。
《光宙艦群》《管制本部》の指揮下にある。

《ひ》

ぴーまん・を・きんき・と・する・しゅうきょう【ピーマンを禁忌とする宗教】
たわむれにググってみたら〝ンゲルグリ教〟なる宗教が見つかったが、ネタなのかガチなのかは知らない。
ググった先の記事によれば、アフリカはカメルーンの一部地域に根付いた土着の宗教とのことで、ンガジ・ペポニの地元からもそんなには遠くないので、まぁ、おあつらえ向きではあるかと……。
ただ、果たして他部族の信仰を容認するような宗教なのかも、ようは知らん。

《ほ》

ほあん・しれい・ぶ・ぶんけん・たい【保安司令部・分遣隊】
《英:Security Headquarters of Astrophysical Dispatched Office-S.H.A.D.O.-》
公団内、特に派遣光宙艦群などでの保安・警備任務を行う部門。
いわゆる《警務隊》
軍隊ではないので《Military Police》ではなく、《Compliance Keeper》、《Judgment》とも呼ばれている。
その任務の性質上、《航宙部》《司令部》とは独立した組織であり、《管制本部》ではなく、《群管総務部》に属する。
但し、司法・保安警察行動に支障がない限り、その責任者は、《群旗艦艦長》《保安司令部》によって任命される。
また、実務上の都合から、警務官正(巡査長)は《派遣光宙艦群》の航宙曹(通常は《三等宙曹》)、警務官補(巡査)は一般航宙士(通常は《二等宙士》)から、各艦の艦長と副長によって選抜されるため、事実上は《光宙艦群》に属する《航務員》による組織となる。
なお、その権限は公団に属するものに限定されており、同乗している移住者や、公団が運営する居留地などへの行政警察権はない。
まぁ、遺失物捜しくらいはしないでもない。
なお、その本部は地球圏大英帝国の首都ロンドン近郊のとある映画会社の地下にある…と云うのは都市伝説に過ぎない。

S.H.A.D.O.パロ

《め》

めいん・べると【メインベルト】
《英:Main belt》
広義では火星と木星の公転軌道の間に位置する小惑星帯-アステロイド・ベルト-のこと。
狭義では、主に政治的理由によって《トロヤ群》を構成する小惑星群は含まない。
他の小惑星帯と区別するために《メインベルト》と呼ばれている。
最大の天体セレスを首長とする島嶼国家《メインベルト共和国連合》の他、いくつかの小惑星国家がある。
群司令イリア・ハッセルブラッド宙将補の出身地であり、彼女が重力大嫌い人間になったのは、その出自のせいである。
これ以上は特に記すこともない。

めいん・らんど【メインランド】《英:Mainland》
広義では地球公転軌道全域を、狭義では地球近傍宙域(概ね月周回軌道まで)を指す。
一般的には《地球圏》と呼ばれている。
本篇でも触れているように、この物語世界では公式な人類統一政体は存在しないので、《地球圏》は《本土》程度の意味合いしか持たない。
が、《光世紀世界》は太陽を中心に置いて設定された世界なので、政治的な中枢ではないが、地理的には人類世界の中心である。
そのため、人類があまねく《光世紀世界》全体へ生活圏を広げたとしても、他の物語世界とは違って、忘れられたり、失われたりは、多分、しない。
とは云え、必ずしも地球を経由しなくても《光世紀世界》の恒星間を往還するルートはあるので、その立場が将来的にはどうなるかは誰も知らない。
本篇中では、もっぱら「これだから《メインランド》の人は……」的ニュアンスで使われている。
なお、公転軌道上、太陽をはさんで地球の反対側には《憎いアンティクトン-Antikhton-》と非公式な名称で呼ばれる何かがあって、《メインランド》には含まないことになっているが、本篇とは全く関係ない。



(不定期更新)
-2022.01.12.update-

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