観るまでシネマ撰 遠くでずっとそばにいる

監督は恩田陸原作の”夜のピクニック”で名を馳せた長澤雅彦。
 主演はNHKドラマ”トクサツガガガ”での好演が記憶に新しい倉科カナ。
 そして音楽は長澤監督の師匠筋あたる岩井俊二が務める。
 2013年当時、僕は当地にはいなかったので、残念ながらリアルタイムで本作は観ていない。
 が、ふとしたコトから、友人の美大生さんから、本作のコトを訊き及び、レンタル落ちのDVDをAmazonで購入して鑑賞したり、原作の小説を読んだりしているうちに”何て素敵な映画なんだ!”と強く思うようになった。
 ちょっと前まで主宰していた某映画自主上映イベントでやろうとしたが、実は現時点で本作の上映許諾権はどこも持っていないのであった。
 (少なくとも非営利映画上映イベント向けには…。)
 _| ̄|○
 実に勿体ない…。
 (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
 何しろ、本作には撮影当時の”この街の今”が散りばめられているのだから。
 今はもうない駅前のミスド、出来たばかりのスタバ、新装改築のために取り壊された県民会館、駅前再開発の一環でやっぱり取り壊された蔦でびっしり覆われたデザイン事務所の入ってた雑居ビル…などなど。
 まだ、もう少し行動力があった頃、これらのロケに使われたお店などに話を伺いに行ったが、誰もが”良い思い出”だったとおっさられていたのが印象的でした。www
 キャストさんもスタッフさんもとても好感が持てたとかとか。
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 上映イベントやるなら喜んで協力すると迄おっされてしまいました。(ス○バさんでさえ。)
 すみません。m(_ _;)m
 やりません。と云うかやれません…。
 イベント用レンタルが出来ないから。
 ( ̄▽ ̄;)
 しかも、当地でロケをしました…と云いながら、何が素晴らしいかって、ありがちな地域おこし映画とは違って”某東北三大祭り”の時期を外して撮影していて、映画にはせいぜい”背景に観光用ポスターが写っているくらい”と云う…。
 まさに”シンゴジ”の総理執務室並みのさり気ない”ご当地”感。(笑)
 県外の人たちが観たら、これが全篇、当地でロケされているなど、全く気がつきもしないだろう。
(多分…。)
 いや、この映画を観て、これが当地で撮影されたと知ったら、この街ってハイソでオサレな都会なんだぁと勘違いを生むような気さえする。(笑)
 現実は昼日中にクマが出る街でっせ。www
 (予告篇にも出てくるヒロインが佇むカーブを描いた道路。あそこは実際にクマがうろついてるのが目撃された国道ですから。
 ((((;゚Д゚))))))))
 そも丹念にロケハンした故の”現地の地理は全く無視した見事な場面繋ぎ”!!
 (賞賛してます。)
 ”いや、そこを真っ直ぐ行って、何故そこに出る?”
 みたいな???(笑)
 でも、映画と云うモノはそれで良いのですよ。
 スー( ̄-y ̄) パー( ̄▽ ̄)y-。o○

 余談
 ちなみに冒頭、ヒロインが目覚める病院として使われているのが、僕の母校を改組して、撮影当時に開学した”某公立美術大学”です。
 (開学時に国会で某大臣が認可しないのどうとちょっと話題になりました。)
なお、物語の設定上は病院なのだけど、こんなコンクリート剥き出しの病室なんてある訳がねぇ!
 ( ̄Д ̄)ノ
 と思わせるロケ地選定だけど、逆にその異質感も本作の肝だったりしますです。
 ちなみに原作小説も”当地”が舞台で、こちらも具体的な地名がてんこ盛りです。
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 正確には脚本を手掛けた作家の狗飼恭子がその脚本を基にしたノヴェライズ化したのではなかろうか?
 映画公開の前年に出版されているし…。
 σ( ̄、 ̄=)ンート・・・

 余談の余談
 本編クライマックスでヒロインがキャンプする河川の岸が、ちょっと前に陸上用イージスなんちゃらを設置するの何の揉めた演習地の目と鼻の先にある河川敷。
 まさにそのミサイル設置場所候補地もロケ地になっていて、設定上はかつての遊園地跡地で、今は林立する風力発電機がランドマークになっています。
 (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
 なお、笑えることに、対岸に我が家のあたりが写ってます。
(風力発電機は今も元気に回ってます。うるさいけど。www)
あと予告篇にも登場する野っ原は某赤十字病院とJR車両基地の間に広がっている休耕地です。(笑)
 秋田新幹線とか今は運用されていない鉄道車両がなにげに停まってるので、テツな方にもおすすめな穴場です。

 余談の余談の余談
 何でこの映画を取り上げたかと云うと、こう云う数年前とかの近過去の映像資料って、まだまだ少ないのでした。
 なので、当時のあれやこれやを調べるのには好都合なんですな。
 例えば、現在、新築された建物の前には何があったか?とかとか。
 ___φ(。_。*)カキカキ
 100年前の史料はあっても、ほんの30年くらい前の史料はまだ誕生していない…それが歴史の常。(笑)

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