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世界の始まり1(ギリシャ神話編)

「この世界」は『カオス』が生じたことから始まったんだ。

カオス=英語でChaos、日本語に訳すと「混沌」。

でも元の語源はギリシア語の「ケイオス(Χάος)」で、

「大口を開けた状態」とか「空隙(隙間)」という意味なんだね。

つまり、いろんなものがこれから作られるであろう巨大な空隙=カオス 
が誕生して「世界の始まり」となったんだ。

そして、カオスに続いて生まれたのは

ガイア(大地)

タルタロス(奈落の底)

エロス(愛)

の3つ。

※この3つはカオスから生まれたと言いう「カオスの子供説」もあるんだけど、ここではカオスの次に生まれたという「カオスの兄弟(姉妹)説」で行きます。

ガイア(大地)はまず、自分の力だけで

ウラノス(天空)

ポントス(海)

高い山々

を産み出すんだ。

※カオスは単体でエレボス(闇)とニュクス(夜)を産み、さらにエレボスとニュクスの間からはアイテル(天の上層)とヘメラ(昼)が生まれるんだ。

まずここまでを、「原初の神」と言うよ。

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原初の神からティタン神へ


次にガイア(大地)は、息子のウラノス(天空)と交わり

1)オアケノス(男神)
2)コイオス(男神)
3)クレイオス(男神)(※クリオス、ともいう)
4)ヒュペリオン(男神)
5)イアぺトス(男神)
12)クロノス(男神)

の6男と、

6)テイア(女神)
7)レア(女神)
8)テミス(女神)※「掟」

9)ムネモシュネ(女神)※「記憶」
10)ポイぺ(女神)
11)テテュス(女神)

の6女を産んだんだ。※名前の横の数字は生まれた順

この6男6女・・・合わせて12人は「ティタン12神」って言うよ。

そして、彼らの次に生まれたのが

・3人のキュプロクス(一つ目巨人)
・3人のヘカトンケイル(50の頭を持ち、100の腕を持つ巨人)

つまりティタン12神と合わせると、ガイアとウラノスの間には全部で18人の子ができた訳。

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ウラノス、子供虐待事件


ところがさ、父親のウラノス(天空)は生まれてきた子たちが

巨人だったり(ティタン12神は巨人)、
1つしか目がなかったり(キュプロクス)、
50の顔や100の腕を持ってたり(ヘカントケイル)

だったものから、「うわっ!可愛くねえわ!!」と彼らを嫌って

12人の子供逹(ティタン12神)をガイアのお腹の中に、
キュプロクスとへカントケイルは地底奥底に

閉じ込めちゃったんだよね。

ビッグマミィのガイア(大地)は当然怒ったよね。

「あんた、自分の子やろ!そんなことしてドアホが!このクソがっ!」
とウラノスに喰ってかかったかどうかは分からないけど
でも「母」ですからね、、なんとかしなきゃ!と思う訳です。

だけどガイア自身はお腹に12人の子供を押し込められてるから苦しくて対抗できない。
それでもなんとか頑張って「武器」を作るんですよ。
大き〜〜な「鎌」を。
そしてお腹の中に閉じ込められた子供達に言います。

「この鎌で、オヤジ(ウラノス)をぶった切ったれ!!」と。

しかし子供達は

子「いや、そうは言ってもねぇ、、、いちおあたしらの「お父さん」だし。。。」
子「つーか、怖えし。万が一失敗したらまた何されっか分かんねえし。。」
子「やられたらやり返す、半沢直樹仕様かもしれないし。。」
子「ほんとほんと。1000倍返しされたらたまったもんじゃないし。。」

と躊躇。
そんな中で手を挙げたのが、末っ子の「クロノス」。

クロノス「ちっ。兄貴も姉貴も根性ねえな。仕方ねーな、、、俺やるわ」と。

え!?切るのソコ!?((((;゚Д゚)))))))


ある日、何も知らないウラノスはガイアに会いに来ます。

そしてウラノスがガイアに覆いかぶさろうとしたその時!

クロノスは左手を伸ばして父(ウラノス)の性器を掴み、右手に持っていた鎌で刈り取ったのだった。※「神統記」より

↓クロノスに性器を切断されるウラノス 

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   作者:ジョルジョ・ヴァザーリ
  制作年、展示場所:1560年 ヴェッキオ宮殿(フィレンツェ)

ぎゃーーーー!
切っちゃった!!切っちゃったよ、おとうちゃん(ウラノス)のアソコを!!

そして。

"ポイっ"

・・・え?ポイっ??

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うぎゃーーーー!!
捨てちゃった!!投げ捨てちゃったよ、おとうちゃんのアソコを!!

ちなみに・・・

ウラノスの性器から流れ落ちた血とガイアが交わって生まれたのが、

・3人のエリニュス(復讐の女神)
ギガンテス←※これは後のお話に出てきます!
・メリアイ(トネリコの精霊)

で、

投げ捨てられたウラノスの性器が海に落ち、そこから沸きたった白い泡から生まれたのが「アプロディテ」なんだ。(泡=ギリシャ語でアプロス)

しっかし怖えな・・・クロノスさん。。

ま、こうして性器を失くしたウラノスはガイアの夫でいられなくなり(お役御免。。)、権威も失墜。

かくしてクロノスが天地の支配権を握り、「最初の神々の王」となったんだ。

つづく

☆☆☆☆今日のおまけ☆☆☆☆

おまけ①
1912年、処女航海中に沈没した「タイタニック号」。
犠牲者の数は1500人前後にのぼると言われ、今も北大西洋の海底に眠っている豪華客船。
ジェームズ・キャメロン監督の映画「タイタニック」は、日本でも大ヒットしたね。

その「タイタニック」、名前の由来は「ティタン」からきてるんだ。
「ティタン」は「巨大」と言う意味。(ティタン族は巨人だったからね)
英語だと「Titan=タイタン」になるんだ。
そして「Titanic=タイタニック」は形容詞で「巨大な」と言う意味。
「タイタニック号」はギリシャ神話のティタンにちなんで名付けられたんだね。

おまけ②
ウラノスとガイアの8番目の子、女神「テミス」。
テミスは「掟」「法」を意味する女神なんだ。
キムタクのドラマ「HERO」でも度々「テミス像」が出てきたね。
公平を意味する天秤と、力を意味する剣を持っているのが特徴だけど、「目隠し」はしてないバージョンもあるよ(最高裁判所に置かれてるテミス像は目隠しなし)

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こうして、色んなところでちょこちょこ目にしてる「ギリシャ神話」なのでした。

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