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魔法の言葉

「どこに出しても恥ずかしく無いように育ったわ。貴方は私の誇りよ」
母親からの言葉がこびりついている。
耳から離れない。

汚点だらけ。
母親からは何度も「どうして出来ないの」と言われてきた。
アレをしなさい、コレをしなさい。
祖母からは「こうでありなさい」と会うたびに理想の女の子の話をされた。

大人の期待には応えられなかった。
私は私にしかなれなかった。
だから私は大人の期待に応えられなかった意味で、汚点だらけの存在でもその"汚点"を"誇り"に思うことにした。
それなのに、言われてしまった。


私の汚点はどこへ行ったの。
どこを見て、誰を見て言っていたの?
怖かった。
私の出来なかったことは無かったことにされた?

全て私の解釈だ。
けれど「誇り」だの「偉い」だの言われるのは
もう怖い。
私は綺麗なものじゃ無い。
強くない。
優しくない。
優秀でもない。

醜くて愚かで弱い私を消さないで。
私はここにいるのに。

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