見出し画像

高校生活②〜夏休み

夏休みは高校の寮が閉まってしまう。
家に帰るのも嫌だし、どこで過ごすか悩み、母の実家・祖父母の家に泊まらせてもらうことにした。
祖母も母と同じタイプの人間だけど、年齢的にも少し控えめになって母よりマシだった。
嫌味は多いけど。

毎日のように田舎の街中を友達と深夜徘徊していると、そのうち「もう家に帰れ」と祖母から言われるようになった。
当然のこと。

そして私は友人の家に泊まるようになる。

田舎なので隣町に遊びにいっても帰りのバスも電車もなく、私たちはヒッチハイクをするようになり、ますます自由奔放になっていった。

止まってくれた男の人たちにされるがまま車の中やホテルでセックスすることもあった。
快楽も痛みも感じない。
男が腰を振るだけで行きたい所に連れていってくれる。
ホテルという寝る場所を与えてくれる。眠れる所ならどこでも良かった。

車に乗せてもらって、連れて帰ってもらう途中でセックスして、お小遣いをもらっても、それが犯罪だという意識もなかった。

16才の私。
なぜこんなにセックスに対して快楽も苦痛すらもないのか。
初めてセックスしたのは同級生だったけど、噂に聞いていたような痛みも出血もなかった。
何もなかった。

小学校のプールや町営プール。
夜中に忍び込んでも誰にも見つからない。
周りに家も殆どなく通報もされない。
真夏のプールはとても気持ち良かった。
知り合いを通して地元の男の子にシャンプーなど持ってきてもらい、シャワー室で全身を洗い、更衣室で眠る。

夏祭り。
友人と遅くまで出歩いていると先輩(男)から、早く帰らないとやられるぞと言われる。
毎年この夏祭りでは、女の子たちが複数の男に集団レイプされ山に連れて行かれ放置されるという事件が起こる。
私もいつかそんな目にあうのだろうかと思いながらも、それほど危機感もなく流されるまま過ごしていた。

タバコとシンナーと徘徊とヒッチハイクとセックスで私の16才の夏休みは終わった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?