自立に向けてのはずが
自己破産、免責が認められ、これでもうKから借金の肩代わりを頼まれることはないと、大きな安心を得ることが出来た。
そんなとき、友人のお母さんからの紹介で某大手生命保険会社に来ないかと誘われた。
時間はわりと自由だし、子供が小さくても融通がきく。
最初は研修を受けるだけでお金がもらえるし、とりあえずお小遣い稼ぎぐらいに軽い気持ちでやってみたら良いよと言われ、やってみることにした。
長女と長男は無認可の託児所に入園することも決まっていた。
この時、長男はまだミルクを飲んでいる時期で1歳になっていなかった頃。
私はすんなり生保レディになり、誰かのためにプランを考えることにやりがいを感じ、楽しく仕事をしていた。
問題は長男。
人見知りがひどかった長男は毎日毎日泣いてなかなか慣れない。
今となってはだけど、ASDの息子にとって見知らぬ人の中に突然放り込まれ、とても苦痛だったのだと思う。
ミルクも飲まず、数ヶ月後には辞めてほしいと園側から言われ、長男は辞めることとなった。
それから長男は職場に連れて行き、事務所にいる人に見てもらったり、一緒に連れて行ったりと何とか子連れでも仕事をする事が出来ていた。
私はこのまま、4月に向けて公立の保育園に入所申し込みして、保育料も安くなり生活の安定を目指し目標を立てていた。
この頃、Kは別の女の人のところに入り浸っていたし、お金を工面できない私は用無しだったのだろう。
やっと社会人になれて、仕事も家事も育児も両立できている気でいたある日、上司に呼ばれた。
私が先輩に話した自己破産のことが上司の耳に入り、それが本当なら金融機関になる生命保険会社では働けないと言われ、私はやめることになった。
なんでこうも上手くいかないんだろう。
自業自得なのはよくよくわかっているけど、前に進んでるようで全く進めずにいる。
ショックより投げやりな気持ちの方が強かった気がする。
あぁ、もう私はダメなんだなって。
借金をなしにしてもらった代償はとてもとても大きいんだなって。
私はこれから子供2人連れてどうやって生活していこう。
こんな時に限ってKは私のところに来る。
そして私もKの元に戻りたくなる。
何をされても愛して愛して、別の人といると思うだけで嫉妬で狂いそうになり、それでも知らん顔することが良い女、良い妻だと思い込んでいた。
自立するんじゃなかったのかという思い以上に、私にはKしかいないし、Kにも私しかいない、お互い寄り添えるのは2人だけ。
共依存とは…。
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