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那須の畦道

日頃の疲れを癒しに那須にきた。
ひとりでぼーっとするために。
ファスティングというものに初めてチャレンジしにきた。
2日目はひどい頭痛と嘔吐で寝たきり状態。
3日目はすっかり元気になって、本を読んだり、雑誌を読んだり、畦道を散歩したり、夜は星空が見えた。

畦道を散歩しながら、色々と考えた。
綺麗に等間隔に並んだ田んぼの稲。
ふと、その稲が人に見えた。
遠くから見ればどれも同じで、整列して綺麗に歩いていくような人並。
でも一つ一つ見ていくとそれぞれ違う人生、人。

鳥のさえずり、蛙の鳴き声、懐かしさを誘う土の香り。
安心する、懐かしく思う、それ独特の美しさ。
でもふと、ここに私が子どもで1人でいたら、どんなに不安で焦るだろう?
お母さんと叫びながら、あの子ども独特の切羽詰まった感じで、探し回るのかもしれない。
でも今私は自立した大人の女性で、1人で、鼻歌でも歌いそうな良い気分で、畦道を歩いている。

そんなことがふと心に浮かび、不思議な気持ちになる。
今自立できていることの誇り?
お母さんともう会えない寂しさ?


それから、懐かしいという感情を呼び起こすこの風景。
本当に私は懐かしいのだろうか?
何かの映画や小説などで描かれる「懐かしい風景」を自分の経験として誤ってインプットしてしまっていないか?
というようなことも考えた。

そして、なんとなく
あぁ、私は必死に生きたいけど、もう無理はしたくないんだな、と悟るように感じた。


そんな畦道の散歩。
良い散歩だった。

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