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赤ちゃんって見たことある?

もちろん、ある。
近所のスーパーで、通りかかった公園で、電車の中で。

はじめまして。いま現在、正期産に入っている妊婦です。
臨月に入ってからなかなか熟睡できず夜が長いので、産んだらきっと忘れてしまうだろう気持ちを書いておこうと思います。

妊娠中期に入り、暑さも薄れてきたころ胎動らしき動きを感じるようになった。
自分の腹の中に、ほんとうに赤ちゃんがいるんだなぁと思った。のだけど、はて?
赤ちゃんって人間の?
それってどんなサイズ感で、どんな触感で、どんな動きをするの?
…知らない。

自分が新生児を見た経験がないことに気がついた。
もともと子ども好きというわけじゃない。街中で見かける子どもにイラつくことはないけども、特別可愛いなと思うこともない。
そう、この時まで赤ちゃんという存在にほとんど興味、というかリアリティをもっていなかったのだ。

友人の子どもを見に行ったことはあるけれど、友人がそもそも少ないし、その中でも子持ちとなると2,3人。まめに連絡をとるタイプでもないので、子育て中の相手の状況がわからず、誘いづらさからどんどん疎遠になっていく。そんな数少ない友人の赤ちゃんだって、初めましての時点で3,4ヶ月は経っている。

えーそんな、見たこともない、か弱くて小さい生き物の命に、責任もってお世話しなきゃいけないの?
意味わからない、無理でしょ。

生まれてくるはずの本体のイメージがふわっとしたまま。妊婦健診に行き、ベビーグッズを用意するなどしているうちに臨月になってしまった。

のだが実は先日、生後1週間の赤ちゃんに会う機会があった。義姉が3月頭に出産し、退院してすぐの姪っ子に会わせてくれたのだ。なんてタイミング。お義姉さんありがとう。

産まれたての姪は、会っている間中ずっと寝ていてときどきフニャッと声を出すくらい。泣いたりミルクを飲んだりするシーンには立ち会えなかったのだけれど。
本物を見るってすごいインパクト。撮らせてもらった動画を毎日何回も見てしまう。
自分の腹でどんどん育っている丸っぽいモノが、色と形を持った感じ。用意したベビー服をきて、オムツをして、ベビー布団に寝るはずのぼんやりした生き物が、やっと人間の赤ちゃんのカタチになった。

そんな心境の変化は夫に伝わっているらしく、昨晩「姪ちゃんに会ってからちょっと変わったよね」と言われた。
出産時のことや、お世話のことについて話す内容が具体的になったらしい。

恥ずかしながら、これまで人間の赤ちゃんの代わりに浮かんでくるイメージは、昨年秋にアドベンチャーワールドで生まれたパンダの赤ちゃんだった。どれだけ新生児の写真や動画を見ようとも、私たち夫婦にお世話されて我が家で転がっているのは、白黒のぬいぐるみなのである。

良かったー、人間になってくれて!

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