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彼は昔の彼ならず【日記】

僕の友達にパンダ君と言う子がいる。

クラスは別だし、共通の何かに所属している訳では無いから会う機会はそれほど多くはない。でも何だか好きである。勿論友達として。
本当は名前で呼んでいるのだが、パンダっぽいからここではパンダ君と呼ぶ。その子は長身、痩せ型、理系のメガネ男で、大人しくてしっかりしている。大人しいわりには積極的で、色んな委員会に入ったり、部活で行事に関わったりしている。
ただパンダ君は時々素っ気無いことがあって話しかけても、冷たい態度をとられたりして後に引きずったりしている。それにすぐ怒る。まぁ僕がだらしないという理由で怒られるのだけど、それがまぁ怖い。怖くて一回逃げたこともある。
クラスではそんなに怒ったりすることはなく、大人しいクールなキャラでとおってるらしい。別に目立つ訳でもなく影が薄い訳でもない。クラスにとけこんどる。

そんなパンダ君が高2に上がるとともに、とある委員会の委員長となった。それは生徒会関係の仕事をほぼ引き受ける委員会で、時には生徒会よりも力を持つことがあるらしい。そんな委員会の委員長になった訳だから、まぁ忙しい。会っても「忙しいから。」で一瞥。クール度が跳ね上がっている。見れば廊下を早歩きでかけている。パンダ君…
それが先日委員長の仕事を終え、無事委員長卒業。これで仕事は一段落。クール度も下がっておいてほしい。

そんな中昨日、後期の生徒会の役員を決める選挙が行われました。役員は定員数ギリギリ集まり信任投票。生徒会の仕事はキツそうだからそうなることは予想どおり。それでも、役員の演説が体育館であるってのが不可思議。信任投票なんてどうせ全員丸つけるんだからこんな事する意味ないでしょ。体育館には一年から三年までの生徒が全員集まっている。今週はテスト週間だから皆勉強道具を持参。演説なんて聞く気無し。これも予想どおり。すると、役員に立候補した生徒が登壇し始める。殆ど知らん人だな〜思ってたら、パンダ君!!

パンダ君が立候補しとる!知らんかった。知らん間に生徒会になろうとしとる。

パンダ君の演説は席の順番からみると三番目。どんな事言うんだろ。と思っていると、トップバッターの人が演説場につくと、いきなり大声でギャグを言うというぶちかましスタート。700人近くの生徒たちの間に大きな寒風が吹き荒れる。そのままヤケにフレンドリーなノリで演説するのが終始痛い。もう辞めてほしい。そんな事しなくても丸つけるから、お願いだからやめてほしい。痛い一人目が終わり、二人目の演説がスタートするも、その子も大声ギャグのスベリかましスタート。どうして?一人目散々な結果になっていたのにどうして?そこから皆の顔が見えると思うけど、あなたにはどう映っているですか?てかなんでトップバッターはそんな堂々とした姿勢で座ってるんだよ。そのせいで二番目の子も勘違いしてるんじゃないの。と思ったけど、二番目の子も演説終わって堂々と席座ったー。

ちょっと待ってください。この流れ最悪の流れが出来ているけど、もしかしてパンダ君はやらないよね。クールだもんね。そんな、スベるところ見てらんないよ。頼むよ。パンダ君は演説場にたどり着く。
パンダ君「皆さんこんにちは。」
あっ普通ーーーーー。
良かったー、やっぱりパンダ君はそういうことやる人じゃ「こんにちはー。」
あれ?もしかして?
「こんにちはー。 もっといけるだろ!こんにちはー!!」
熱血キャラになっとるーー。そしてもれなくスベってるーー。
痛たたたた。ちょっとパンダ君、僕人の恥ずかしい所見てられない人なんだよ。身内ならよりね。

パンダ君は僕がちょっと苦手な人になってました。
人ってかわれるんだな。逆に勇気をもらいました。ありがとうパンダ君。

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