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個展『SymPhony』を終えて、そして

品切れになりオーダーを受けていた写真集も、届いたよという連絡を耳にして、やっと個展を終えられた気がします。
お越しいただいた皆様、快くユカイハンズ・ギャラリーをお貸しいただいた青山祐企様、個展を開かせていただいたTOKYO Portrait Award(TPA)主催のコバヤシモトユキ様、そしてモデルを務めていただき長時間在廊いただいた小桜はるさん、皆さんが居なければ個展は実現出来ませんでした。
心よりお礼申し上げます。

友人で個展を開いている人は何人も居るのですが、自分はそんな柄じゃないし、何より個展で伝えたいものがない(笑)、と思っていたので、TPA2022でグランプリの副賞の個展の権利をいただいた時には、嬉しいより大変だなという気持ちが先行していました。

ユカイハンズ・ギャラリーは文京区の神田川沿いに佇むシンプルな白い箱で、とても居心地は良いのですが、自分には「小細工せずに写真で真っ向勝負しろ、と言われている気がして、それだけでもプレッシャーは高まります。

ユカイハンズ・ギャラリーは居心地最高でした

モデルはTPA2022でグランプリ(+参加者が選ぶベストカメラマン賞)となった小桜はるさんですが、実は1年前のTPA2021では、シルバーフレーム(準グランプリ)+松田忠雄賞+CAPA賞+ベストモデルグランプリをいただいていたこともあり、どうしてこのカメラマンとモデルの組み合わせなのか?的な違和感はあまり持たれなかったかと思います笑(自分も内心ほっとしました)。
 しかし感想で、結構撮っていたのですね、と言われる方もいらっしゃいました。実ははるさんは2019年が最初でしたが撮影会を中心としていたためあまり撮りませんでした。定例のはるりあ企画が始まり撮り出し、消滅してしまった私的写真集選手権用の未公開写真とか、延期になっている某コンペ形式の写真展用などにと、結構撮らせていただいていました。
自分はあまり一人のモデルさんに固執しないスタンスだし、撮ってるモデルさんは結婚や引っ越しなどで疎遠になるケースも少なくなく、はるさんはかなり長いお付き合いだと思っています。

柊里杏さんと小桜はるさん

 テーマは「SymPhony」。交響楽という意味ですが、交響楽とは多くの楽器の奏者が集まって一つの写真とするものです。ポートレートも、カメラマン、モデル、二人の相互信頼、ロケーション、天候など多くの要素が絡んで一つの写真を構成している、交響楽と似たようなものかな、と思いテーマとしました。Pが大文字なのは他のSymphonyと区別するためです。

写真はエリアを東西南北の4つに分けて、2019年からのオムニバス、グランプリ、準グランプリ、はるさんらしさを見せるエリアとしました。やっぱりモデルが主役ですから。

写真のセレクトははるさんにも協力いただいたのですが、最終的には3/4は顔が見えてないものでした。これで魅力が半減してしまうのではとも思ったのですが、じっさいあまり撮ってないのがわかってちょっと焦りました。
どちらかというと顔を撮るというより表情を撮る方が多く、展示に並べる時のバランスを考えるとなかなか難しいものがあったというのが、一番最もらしい言い訳ではあるのですが。
プリントは今回、イルフォードのマットのもの(Fine Art Smooth Pearl)を使いました。これが自分の写真にはとてもハマって、落ち着いているけれど艷やかなプリントとなったと思います。

展示撤収前

はるさんも仕事があった初日以外はずっと在廊していただき、半端ない集客力で普段あまりお付き合いのないモデルさんまでも引き寄せていただけました。少しでも興味を持っていただけるだけでもとても嬉しいものです。差し入れも沢山いただいたのですが、自分はみたらし団子程度で大半ははるさんが持ち帰りましたが。だってつまみ食いすると真顔で怒るので(はるさんへの差し入れなので当然といえば当然でしょうが笑)。

はるさんが不在の時の戦利品。Shibuさんありがとうございました。

色々な方にもお越しいただけました。
元フォトテクの藤井さんもお越しいただきました。色々お話をさせていただいたのですが、何より、一昨年の海での写真について、「海の写真は沢山あったけどこれほど躍動感のある写真は他に無かった」とあの時聞きたかった感想を聞く事が出来てとても嬉しかったです。
また、松田忠雄さんにもお越しいただき色々話をいただきました。実は、仲間内でWaiwanは逆光の写真ばかりだと指摘を受けまして、まぁ確かにそうなんですが、その話を松田さんにしたところ、ファッション紙でも逆光がほとんどで、某有名紙では一時、逆光以外禁止だった(笑)、と仰ってました。これでちょっとドヤ顔出来ます笑。

松田さんありがとうございました。

今回一番嬉しかったのは、ギャラリーにふらっと入ってきたある学生さんでした。芳名帳も書かずに突っ立ってるので、内心「こ奴何奴!?」と訝しげな視線で観察していましたが、しばらく写真を眺めて「いや〜良いですね。」と一言。目が輝いてました。話を聞いたら、写真はやっていなくて写真展も初めて、芳名帳なんてものも知らなかったようです。歩いているとギャラリーの入り口から丁度夕日の写真が見えて、それに惹かれて入ってきたのだと。
出ていく時には、芳名帳に「感動しました」と書いて出ていかれました。
名前も知らない、損得勘定もない、写真もやっていないような人から感想までいただけるとはこんな嬉しい事はありませんでした。
個展は良くも悪くも全部自分に返ってくる大変なものですが、でも良いですね。やり切った満足感が。

個展も一段落で、やっとのんびりと撮影を始められると思っています。実はそれと併せて面白そうな活動をしてみようと考えています。今までモデル展などを「裏方」としてサポートしてきて、展示が実現したときの主催の人の表情を見るのが自分はとても幸せだと思えたことから、これをきちんとビジネスにしようと考えました。また、写真はすごく才能があるのに展示となるとノウハウが無くてあまり広がらないフォトグラファーさんなども縁の下でサポートできないかと考えています。写真に集中したい人は、展示なんて面倒でしょうから。
ビジネスとするために株式会社 STELLA LINKAGE(ステラ・リンケージ)という【きらめくもののつながりを大事にしたい】会社を立ち上げました。
 きっかけは写真展というより、最近動画に関する依頼をポツポツいただく機会が出てきて、それをきちんとビジネスにしたいというのが先にあったのですが。(写真展サポートでこちらがいただく料金は写真集をプレゼントするのでそれでチャラにしてください。)

しかしこんなオッサンにセンスあるのか?と疑問を持たれる方もいるかと思います(笑)。なんの、私的写真集選手権では藤井編集長に「可愛いはおじさんが作る」と言われた私です。それだけでは心許ないですか?そうでしょう笑。更にアートディレクション、フォトグラファー等のサポートメンバーとして、柊里杏さん、橋野徹さん、櫻井琴美さん、NOZOMIさんを引っ張り込みました(笑)。
Waiwan共々、株式会社 STELLA LINKAGEも今後ともよろしくお願いいたします。
まずはお気軽にお声がけください。


東京都在住のアマチュアカメラマンです