姉の背中を追って 向田邦子『思い出トランプ』
向田邦子氏が旅立ってから、今年の八月二十二日で丸四十年となった。
この時期は太宰治の桜桃忌と同様、心がざわつく。
私は、彼女がこの世を後にした七年後に生を受けた。
彼女と私の生きた時間は全く被らないし、特筆すべき共通点も無い。
それでも身内を偲び命日付近にその人を思うと同様、八月の半ばくらいから、改めて彼女に心を傾ける自分に気付くのだ。
死した人の手紙を見返す様に、改めて著書を開く。
こう言った読者は、今も多い事だろう。
向田さん(敬慕を込めて、こう呼ばせて頂きます)を支持