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津軽三味線 奏者事典 #1 吉田兄弟

No.1 津軽三味線 アーティスト 吉田兄弟

  • どんな人?                吉田良一郎(兄:1977年)と吉田健一(弟:1979年)の二人から成る、日本及び世界で最も有名な津軽三味線ユニット。           「津軽三味線」と聞いたら、多くの人は第一に吉田兄弟が思い浮かぶのではないだろうか? 着物を纏い、力強く、荒々しく、速弾きで演奏されるという津軽三味線のイメージは間違いなく彼らが定着させたもといえる。

  • 活動領域                 古典   :☆☆☆☆☆☆☆⭐︎★★   /7.5  現代曲  :☆☆☆☆☆☆☆☆☆★   /9  前衛度合 :☆☆☆☆☆☆☆★★★   /7           コラボ  :☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆   /10 認知度  :☆☆☆☆☆☆☆☆☆★   /9

  • 生い立ち                 共に5歳の時に三味線を習いはじめた。当時は、父親が作成したスコップ三味線で練習していた。                  中学校進学前に三味線を辞める事を考えるが、そのタイミングで津軽三味線奏者の佐々木孝に弟子入りし、津軽三味線の魅力に惹かれ続けることを決意する。             当時の津軽三味線奏者として珍しく、茶髪で髪を立て、派手な風貌で演奏していたことから、業界から反感をかうことも多かったというが、師匠である佐々木孝は「どうして着物なんか着るんだ、ジーパンとTシャツでいいじゃないか、お前達は世界に行くんだ!」と彼らの活動を後押ししてていた。上京し活動の場を東京に移すが、吉田兄弟としてのデビュー直前に亡くなっており、彼らの活動を見ることは叶わなかった。

  • 活動および受賞歴             1998年 全日本津軽三味線東京大会    青年の部優勝 吉田良一郎        1998年、1999年 津軽三味線全日本金木大会 優勝 吉田健一            1999年 津軽三味線コンクール全国大会  優勝 吉田健一             1999年 アルバム「いぶき」でデビューし業界としては異例の10万枚を記録     2001年 第15回日本ゴールドディスク大賞 純邦楽アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞  2003年 アルバム「Yoshida Brothers」にて全米デビュー                2007年 MONKEY MAJIK「Change」に参加2016年 映画『KUBO /クボ 二本の弦の秘密』の主題歌提供               等、自身らの領域のみならず、音楽ジャンルや業界を問わず幅広く活動している。     秋元康氏と対談した際、「グラミー賞に最も近い日本人」と称されている。

  • 作品紹介                 アルバムでは、良一郎、健一それぞれが作曲した曲が収録されている。兄である良一郎の作品は比較的 民謡や古典をベースにしたものが多いが、対照的に弟 健一の作品は現代的な曲であったり、他ジャンルとのコラボ的な作品である事が多い

1、彩雲(作曲 良一郎)          三味線と尺八、太鼓の掛け合いが特徴的な一曲、和楽器の力を集結させ、古典の延長線上に可能性を求める良一郎らしい作品。

2、夜半の月(作曲 良一郎)         三味線では激しく強い音以外にも、優しく切ない音を奏でる事が出来る。そんな特徴を前面に出した一曲。加えて、良一郎の楽曲では三味線がメロディーをなぞる場合が多く、まるで歌が添えられているような印象を受けことが多かった。本作では、実際に歌詞をつけることにも挑戦した。

3、Freedom Shuffle (作曲 健一)
インストバンドであるH ZETTRIOとフィーチャリングした、健一のソロ名義の曲である。ピアノ、ベース、ドラムと三味線が共演しており、他ジャンルとのコラボに可能性を見出した健一らしい一曲となっている。

4、鼓動(作曲 健一)
吉田兄弟には複数の代名詞的な曲があるが、2丁の三味線のみで演奏している事、ファンからの人気を考慮すると、この鼓動が一番ではないだろうか?三味線のみの演奏ではあるが、その強く激しい様は吉田兄弟の三味線を体現していると言える。また、兄弟ならではの息がそろった掛け合いが吉田兄弟らしさをより際立たせており、健一の作曲能力高さが遺憾無く発揮された曲と言える。

 

  • 活動領域について             古典:民謡や和楽器が主軸かどうか。     現代曲:オリジナル現代曲が主軸かどうか。  前衛度合:ストリートカルチャー、サブカルチャーとの親和性。              コラボ:他ジャンルや他アーティストとのコラボ頻度。                  上記について、筆者の視点でまとめました。

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