見出し画像

暗号資産_#7:「暗号資産取引所」とは何か - 日本と海外の違い

暗号資産(仮想通貨)を購入・売却するには、暗号資産取引所を利用するのが一般的です。暗号資産取引所は国内企業が運営しているもの、海外企業が運営しているもの、 スマートコントラクト で実現しているものなどがあります。それぞれの特徴とともに、日本と海外の現状を解説します。


暗号資産取引所とは

暗号資産取引所とは、株式のように暗号資産を取引できる場所です。取引所によって扱っている暗号資産の種類や数が異なります。

日本国内の暗号資産交換業者よりも、中国のBINANCE(バイナンス)をはじめとした海外の暗号資産交換業者の方が取り扱っている暗号資産の数が多いです。

暗号資産取引所の種類

暗号資産取引所には、大きく分けて以下の2種類があります。

● 中央集権型取引所(CEX)
● 分散型取引所(DEX)

■中央集権型取引所(CEX)

中央集権型取引所(CEX)は「Centralized Exchange」の略称であり、少数の企業や組織が取引所の管理運営を行います。東京証券取引所やニューヨーク証券取引所は、中央集権型取引所の例です。2023年4月時点では、日本の暗号資産取引所は全て中央集権型取引所(CEX)です。

■分散型取引所(DEX)

分散型取引所(DEX)とは「Decentralized Exchanges」の略称です。スマートコントラクトで実現している取引所で、銀行や証券会社などの仲介者がいないのが特徴で、まさに「 DeFi 」を象徴するような存在です。Uniswap(ユニスワップ)やPancakeSwap(パンケーキスワップ)などが分散型取引所(DEX)に該当します。特にUniswapは2023年4月時点でDEX市場の6~7割ほどのシェアを占めている取引所になります。

分散型取引所(DEX)には、中央集権型取引所にはない機能、例えば投票機能や暗号資産を預けることでトークンがもらえる機能などがあります。DEXの歴史や詳しい説明については、「DeFi」の単元で取り扱う予定です。

CEXとDEXの違い

日本の中央集権型取引所(CEX)は金融庁から登録を受けた暗号資産交換業者が運営しています。口座を開設するために本人確認が必要なため、取引を開始するまでに時間がかかります。

また、CEXは「 ウォレット (秘密鍵)」をユーザーの代わりに管理してくれます。秘密鍵を自分で管理しなくていい反面、もしCEXがハッキングにあうと仮想通貨や情報が流出するリスクが高まります。加えて、CEXが破綻すると、突然、暗号資産が引き出せなくなることもあり得ます。(関連単元:「暗号資産ウォレット」とは何か - 種類別の使い方

一方で、DEXは口座開設に本人確認が不要なため、すぐに取引を開始できます。DEXは暗号資産をブロックチェーン上に分散して保管するため、暗号資産が一カ所に集中するCEXに比べて、ハッキングによる暗号資産の流出のリスクを下げられます。また、CEXと違ってDEXは秘密鍵を自分で管理をしなければならず、もし秘密鍵を紛失してしまうと暗号資産を全て失ってしまうリスクがあります。(※取引自体のリスクは存在するので、ご利用の際は注意してください。)

日本の法整備はCEXが中心

金融庁は、日本国内で暗号資産交換業者として登録した取引所以外からの暗号資産の取引を推奨しておらず、2023年4月時点では、金融庁の登録を受けた分散型取引所(DEX)はありません。

日本では、暗号資産交換業者について中央集権型取引所(CEX)を中心とした法規制を進めています。分散型取引所(DEX)は、DeFiの一つとして金融庁でも専門家を交えた議論を行っていますが、従来の金融機関と比べて法規制が難しいとの見解です。

CEXが関わる大きな事件として、2022年11月に、大手暗号資産取引所を運営するFTX社が経営破綻となり、多くの投資家やステークホルダーに損失を与える事件が発生しています。

この事件から学べることは二つあります。

一つ目は、中央集権的な管理を行うCEXでは、人的、あるいは技術的な脆弱性が破綻を引き起こしたり内外からの攻撃を受けたりすることがあり、今回のような事件につながってしまうという点です。二つ目は、日本においてはCEXが投資家の資産と暗号資産交換業者の資産を分けて管理する義務が法律により明記されていたため、規制業種として投資家の投資金額が守られたという点です。

CEXがDEXよりも流通総額が大きい点や、暗号資産初心者がトラブル(詐欺や秘密鍵紛失)にあうリスクを下げることを考えるなら、DEXに慎重な姿勢を保ち続ける金融庁の動きにも合理性があるのかもしれません。

上記の解釈はあくまで一つの見方であり、目的に照らしてサービスのメリットデメリットを吟味することが大切です。


Web3ポケットキャンパスはスマホアプリでも学習ができます。
アプリではnote版にはない「クイズ」と「学習履歴」の機能もあり、
よりWeb3学習を楽しく続けられます。

ぜひご利用ください。
▼スマホアプリインストールはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?