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暗号資産_#8:暗号資産ウォレットとは何か - 種類別の使い方

暗号資産(仮想通貨)を保有や管理、移転するには暗号資産ウォレットが必要です。この単元では暗号資産ウォレットの種類や注意点、対応策について解説します。


暗号資産ウォレットの概要と機能

暗号資産ウォレットとは、アカウントの残高を検証して、ユーザーが所有する暗号資産の量を可視化するものです。また、秘密鍵を管理・保管し、ユーザーが自分で取引を行う(トランザクションを発行する)のを支援します。

秘密鍵は暗号資産の取引に必要なハンコのようなものであり、公開して良い公開鍵とは異なって、個人や管理者が他人に渡さず秘密にしていなければならないものです。

暗号資産のウォレットには、主に以下の2種類があります。

● コールドウォレット
● ホットウォレット(オンラインウォレット)

■コールドウォレット

コールドウォレットとは、オフラインに保たれている暗号資産ウォレットです。主なコールドウォレットは、ペーパーウォレットとハードウェアウォレットの2種類があります。

ペーパーウォレットは、秘密鍵を紙に印刷、またはメモをとったものです。紛失しやすい、破損しやすいデメリットはありますが、最も単純でサイバー攻撃を受けにくい保管方法の一つでしょう。

ハードウェアウォレットは、秘密鍵をネットワークにつながないパソコンの記憶領域 (ハードディスク等)や、USBデバイスに保存したものです。パソコンやデバイスが壊れると取り出せないため、複数のデバイスにバックアップを取ったり、復元用のニーモニックフレーズを紙にメモをしたりする必要があります。

コールドウォレットは、暗号資産の保管に適していますが、送金する時の利便性は低下します。

■ホットウォレット(オンラインウォレット)

ホットウォレットはオンラインウォレットとも呼ばれ、ネットワークに接続している暗号資産ウォレットのことです。暗号資産を送金する時は、ホットウォレットが必要です。

ホットウォレットにはカストディアルウォレットと非カストディアルウォレットの2種類があります。カストディアルウォレットは、秘密鍵をサーバーに保管しています。一方で、秘密鍵を自分で保管するのが非カストディアルウォレットです。

暗号資産ウォレットを使う時の注意点

銀行のキャッシュカードや通帳であれば、紛失時に銀行に連絡すれば効力の停止と再発行を依頼できますが、ウォレットにはそのような仕組みはありません。ウォレットアプリが入ったスマホが壊れると、暗号資産が永久に送金不可能になる可能性もあります。

ウォレットの守り方は、主に二つあります。

■バックアップ

バックアップをとっておけば、スマホやパソコンが水没等で壊れてしまってもウォレットを回復できます。

Bitcoin(ビットコイン)ができた当初は、ウォレットを回復するためには秘密鍵が必要でした。秘密鍵は、意味のない長い数字列で構成されたものです。

秘密鍵は、ユーザーがメモ等に書き写す時に間違えやすく、少しでも間違えるとウォレットの回復ができなくなります。また、USBメモリやパソコン等に秘密鍵を保存しておくと、万が一紛失した時にウォレットが盗まれるリスクもあります。

こうした秘密鍵の問題を解決したものが、BIP39リカバリフレーズ(ニーモニックフレーズ)です。Bitcoinの39番目の改善提案であることからBIP39と呼ばれています。

ニーモニックフレーズは、ユーザーが理解できる単語をメモして、その単語を順番通りに入力することでウォレットの回復ができる仕組みです。ニーモニックフレーズを使用すると、12または24語の単語をメモするだけで済みます。単語は英語、日本語を含む複数の言語ごとに用意されているリストから選ぶことができます。

例えば、12語の場合は以下のように互いと無関係な12個の単語で構成されます。

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ニーモニックフレーズをメモ等にとっておけば、秘密鍵自体を保存するより簡単に暗号資産ウォレットのバックアップがとれます。

現在は、一つのニーモニックフレーズからマスターとなる秘密鍵の種(シード)を生成し、取引に必要な一連の秘密鍵を全部回復できるHDウォレット(階層型決定性ウォレット)が主流です。

■コールドウォレット(オフラインウォレット)の使用

ホットウォレットはネットワークにつながっているため、暗号資産の送金時等に便利です。ただし、サイバー攻撃を受けて暗号資産を盗まれるリスクが高くなります。

送金等の取引を行う予定がない暗号資産は、できる限りコールドウォレットに保管しましょう。コールドウォレットはネットワークにつながっていないため、サイバー攻撃等によって盗まれるリスクを大幅に軽減できます。

日本の金融庁から登録を受けた暗号資産交換業者の場合、ユーザーが所有する暗号資産の95%はコールドウォレットによって保管しなければいけないため、安全性は高いと言えます。


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