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日本人のアイデンティティの根幹である「日本語」とは?(後編)ー先生のための『和の国・日本国』講座㊱ー

おはようございます。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回も引き続き、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと

「日本語」に焦点を当て、

「日本語」の特徴とは何か?

「日本語」に込められた精神性とは何か?

日本はどのように言語を取り入れたか?

などから、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



【今日の内容】
日本人のアイデンティティの根幹である「日本語」とは?(後編)~先生のための『和の国・日本国』講座㊱〜 

1)「日本語」『ちょっとした違い』を言い分ける言語である
2)『雨』の呼び方だけでもなんと〇〇語以上!!
3)『音』の表現も巧みに使い分けてきた日本人



前回の記事では、

中国大陸から入ってきた「漢字」が

どのようにして「日本語」として変化してきたのか?

についてお話しました。


まず、飛鳥時代に『音と訓』が生まれ、

奈良時代に『万葉仮名』に変化し、

平安時代に『アクセント』

鎌倉時代に『格助詞』などなど、

先人たちによって洗練され

今現在私たちが使っている「日本語」があるのです。


今回は、

「日本語」の特徴

「日本語」から分かる日本人の精神性について

お話していこうと思います。



1)「日本語」は『ちょっとした違い』を言い分ける言語である



早速ですが、問題です。



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日本語の中で、1000語の単語を覚えるとどのくらいの日常会話を理解できると思いますか?



これらを比較した面白い研究結果があります。


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例えば、

「英単語」を1000語覚えると、

通常の日常会話の82~83%理解することができるそうです。


1000語覚えるとなんと8割もの日常会話が

理解できるんですね。


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「フランス語」を1000語覚えると、

日常会話の大体80%理解することができるそうです。



では、「日本語」はどうでしょうか?


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実は、

「日本語」を1000語覚えても、

日常会話の大体、60%ほどしか会話を

理解することができないそうなんですね。



どういうことかと言うと、

「英語」は、少ない言葉で使いまわしているんですね。


一方、

「日本語」は、

他国の人から見れば同じようなことでも、

微妙に意味の捉え方によって使い分けているんです。


例えば、


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『蝶々』。


日本語では、「蝶々」と「蛾」は全く別のものです。

一方、

英語では「蝶」も「蛾」も「Butterfly」と訳します。


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日本人は古来より、

天皇や公家だけではなく、

一般庶民に至るまで、

みんなで和歌を詠んだり、中国古典を学んだり、

文学を愛でていました。


このほかにも、

「きれい」というもの一つとっても

いろいろな言い方があります。


もちろん「英語」にも『類語』と呼ばれるものは

たくさんありますが、

特に、「日本語」はこの『類語』の数が

ハンパないんです。


一つ一つの表現がいろんな言い回しをすることができる。


そのため、

「日本語」は、ちょっとしたものを言い分けて

微妙な物事の違いを

言葉を変えて表現することができる。


私たちは、

生まれながらにして非常に高度な言語生活を営んでいるんです。



2)『雨』の呼び方だけでもなんと〇〇語以上!!



日本にはたくさんの雨を表す言葉、

『雨』の呼び方がたっくさんあります。


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温帯湿潤気候で雨の多い日本では、

雨の悩み、恵みとともに暮らしてきました。


日本人は生活の中で、雨の細かい違いを敏感に感じ取っていました。


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しとしとと降る雨。


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ざーっと強く降る雨。


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雨雲がないのに降る雨。


同じ降り方でも違う呼び方があったり、

季節によって呼び方を変えたり、

一説には雨の呼び方だけで

400語以上あるとも言われているんです!!


例えば、


【春雨はるさめ】

2月末から3月の晩春に降る、雨足が細かくしとしと降る雨。

【五月雨:さみだれ】

旧暦5月の長雨のこと。

【梅雨:つゆ・ばいう】

夏至の頃を中心として前後20日ずつの雨期。

【洗車雨:せんしゃう】

七夕の前日、陰暦7月6日に降る雨。

【秋雨:あきさめ】

秋に降る冷たい雨。秋雨前線は、夏から秋へ移り変わる頃に現れ始める。

【時雨:しぐれ】

晩秋から冬にかけて降る、降ったり止んだりのあまり強くない雨。

などなどの『季節』によって呼び方が異なる雨。


【篠突く雨:しのつくあめ】

激しく降る雨のこと。まるで細い竹、篠で突くような雨。

【小雨:こさめ】

軽い降雨。

【涙雨:なみだあめ】

涙のようにほんの少しだけ降る雨のこと。

【天気雨】

晴れているのに降る雨。

【鬼雨:きう】

鬼の仕業かと思うような並外れた雨。ゲリラ豪雨。

【村雨:むらさめ】

降り方が激しくなったり、弱くなったりする通り雨。

【地雨:じあめ】

一定の強さで長く降り続く雨。

などなどの『状態や状況』によって呼び方が異なる雨。


このほかにも、

【私雨:わたくしあめ】

下は晴れているのに、山の上の狭い範囲だけに降る雨のこと。

【翠雨:すいう】

青葉に降り注ぐ雨。

【慈雨:じう】

恵みの雨。

【黒雨:こくう】

工業地帯の煤煙や化学物質が含まれて、黒く色づいた雨。

などなどの呼び方もあるそうです。


【出典】「こんなにあるの?日本の雨の呼び名」https://news.livedoor.com/article/detail/13366133/


日本人は、

このように微妙に異なるものを巧みに使い分け

自分の伝えたい思いを

「日本語」を通して紡ぎだしてきたのです。



3)『音』の表現も巧みに使い分けてきた日本人



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日本最古の歴史書である『古事記』には、

イザナギノカミが雨沼矛をもって天界からかき混ぜ

日本列島を創った時に


『こおろこおろ』とかき混ぜた


と表現されています。

これが日本で最初の『擬音語』であり、

こうした『擬音語』のことを

フランス語で『オノマトペ』と言います。


日本語は、とりわけこの『オノマトペ』が多いことが特徴です。


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分厚い国語辞典には

日本語の単語が50万語ほど掲載されていますが、

このうち5000語が『オノマトペ』です。

つまり、日本語の1%。

およそ100語に一つが『オノマトペ』なのです。


日本語の『オノマトペ』は、

例えば、

「わんわん」「メ―メ―」「ブーブー」

「ニャーオ」「ホウホウ」

などといった動物の鳴き声を真似たもの


「ドキドキ」「パチパチ」「バキューン」「チリーン」

「ドカン」「カリカリ」「バタン」「ガタンゴトン」

「ビリビリ」「ジュージュー」「パタパタ」「ボキボキ」

などといった音を真似たもの


「ふらふら」「おどおど」「きゅんきゅん」

「きらきら」「ぴかぴか」「つるつる」「さらさら」

のように本来音を発しない感情なども言葉で表現します。



おもしろいことに『オノマトペ』は、

言語ごとに表現が全く異なります。


例えば、


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ご飯を食べるとき、


「日本語」では『パクパク』ですが

「英語」では『チョンプ』

「フランス語」では『ミャム』

「イタリア語」では『グナム』

「韓国語」では『ニャム』というそうです。


このほかにも


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キスをするとき、


「日本語」では『チュッ』ですが

「英語」では『ムウ』

「中国語」では『ボー』です。


このように、

言語によって『オノマトペ』の表現は全く異なります。


それぞれの言語圏においては、

音がそのように聞こえてくることを意味しています。


そして、

日本語」の『オノマトペ』が

「中国語」や「朝鮮語」と全く異なるということは、

日本語は中国や朝鮮の輸入語では絶対に「ない」

ということです。



『オノマトペ』は日常的によく使われる語です。


例えば、


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朝起きた時に

家族に「ぐっすり眠れた?」と聞いたりしますが

「ぐっすり」というのは『オノマトペ』です。


しかし、

「睡眠」は「ぐっすり」などという音を立てません。


では、


なぜ、「ぐっすり」と言うのでしょう?


それは、

「ぐうぐう」「すやすや」寝ているからです。

その

「ぐうぐう+すやすや」が短縮されて「ぐっすり」というのです。


「ぐうぐう」も「すやすや」も

なんとなく、そのような音を立てていると言われれば、

そう思われる方もおられるかもしれません。


では、


風が「そよそよ」と吹く。

太陽が「かんかん」に照る。

白い雲が「ぽっかり」浮かぶ。

星が「きらきら」光る。


などはどうでしょう?


風は「そよそよ」などという音は立てませんし、

太陽は「かんかん」などしゃべったりしません。



では、なぜこのような『オノマトペ』が使われているのでしょうか?




実は、

自然がそのような音を立てているのではなく、


受け止める側が自然が発する音をそのように聞いているから


なのです。


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人々が

人と人との間でコミュニケーションのための言語活動と同じか

あるいは

それに近いレベルで自然と向き合い

自然との間で活発な言語活動を行ってきた結果

このように『オノマトペ』が発達してきました。


つまり、

「日本語」は、

『自然と対話しながら発達してきた言語』なのです。


そのため、

欧米人にはただの雑音にしか聞こえない

カエルの鳴き声や虫の声も

日本人は美しい秋の音色となって聞こえます。


最近、


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「カタカナ語」の氾濫


と言われるように

「アジェンダ」:議題、行動計画

「サスティナビリティ」:永続性

「ガバナンス」:統治

「コンセンサス」:合意

「レガシィ」:遺産

「ダイバーシティ」:多様性


などといった訳の分からないカタカナ語を

無駄に多様に使って

かっこよく、知的に見せていることが目につきますが、


先人たちが

意味を徹底的に理解して『和製漢語』をつくるなど

「日本語」にはそのように便利なものがすでにあります。


私たちの祖先が

複雑かつ便利で巧みに発展させていき

受け継いできた「日本語」を

さらに精錬することができるように大切にしていきたいものですね。



次回の記事は、

「番外編」として

『敬語』についてのお話をさせていただきたいと思います。




これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。


しかし、

2011年3月11日

東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。


じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!


まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。


「日本を知ることは、
       『自分のルーツ』を知ること」


わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?

そして、子どもたちに伝えませんか?


自分の生まれた国を誇りに感じることは、

きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。


一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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