阪神カップ回顧~世代交代の時~

「本領発揮」と銘打った阪神カップ。
◎のグレナディアガーズが勝利してくれて個人的にはニッコリな結果になりました。

例年良馬場なら19秒台の決着になるレースですが、今年はロングラン開催の12週目で馬場はボロボロの末期馬場。
勝ち時計も1.20.3と良馬場で20秒を超えるのは8年ぶりの事になりましたね。

勝ったグレナディアガーズは予想コラムにも書きましたが、弱点は「掛かる気性と小柄で速い時計は限界になる」という点。
レースを見ると、1400mになれば折り合えて脚が溜まり、マイル戦とは違い、掛からなくなっていました。これが直線の末脚に繋がりましたね。
また、勝ち時計も20秒超え、小柄な馬でも間に合う結果に。1400mで時計が掛かってくれた結果が勝利に結びついたと思います。

TPも推定値で「75」まで伸ばすことに成功し、恐らく1400m以下で時計が掛かる状況であればこれぐらいの数値を出すことは可能な馬になったと考えていいでしょう。
ただ、1200mで6秒決着になると他のスピードある馬に超えられてしまう可能性があることは頭に入れておきたい所です。

2着ホウオウアマゾンは前走同様の好仕上がりに見えました。
マイルだと粘りが甘い面がマイルCSで見えましたが、1400mだと好位から脚伸ばせていましたし、本質的には1400m以下の方が良いタイプ。来年以降は更なる成長が期待できる馬体で来年の高松宮記念とかが面白い存在かもしれません。

3着のダノンファンタジーは推定値のTPで「72」。これはスワンS勝った時と同じTPでこの馬なりの力は出せたと思っています。仕上げも良く不利などもありませんでしたし。
ただ「上位2頭の3歳馬が強かったね」という感想。ノーザンF生産の5歳牝馬で残された現役生活は少ないですが、今後勝ち切るのには「3歳馬」という厚い壁を壊さない厳しそうです。
それは5着サウンドキアラにも言える話で、仕上げ良く、不利も無かったですが上位の壁は超えられず「世代交代」の波が襲っていたという事でしょう。

逆に3歳馬で大敗したソングラインは今回体幹UP。私の目にも「好仕上げだな」と思いましたが15着敗退。
1400mは紅梅S以来でしたが、3歳限定のスピードと古馬重賞のスピードが違った事と、桜花賞以来の右回りに戸惑いを見せた可能性がありましたね。直線もほぼ追う所無かったですし。
脚長くスピード維持可能な好馬体で左回り替わりのマイル戦でもう一度見直したい所です。

ルークズネストは最下位の18着。道中行きたがり直線は余力無く最後は流していました。
包まれると加速に時間が掛かり外枠だと行きたがるので、乗り難しいのかなというのが印象です。
素材面は高く今後も巻き返しの余地はありますが、内目の枠で先行することが今後の好走条件かもしれません。
スワンSの回顧でも話しましたが、直線ばらけることが多い中京や阪神外回りならチャンス出てくるでしょう。

それにしても2021年の重賞は3歳馬の活躍がとても多かったですね。
3歳以上の重賞で11勝の活躍。勝率は17.7%に及びます。比較すると2020年の9.8%に比べ2倍近い勝率に。レベルの高さを証明する形になりました。
因みに3歳馬が古馬重賞勝率15%以上超えた年は2018年以来のことで、この世代はアーモンドアイやフィエールマン、ダノンスマッシュ、インディチャンプ、グローリーヴェイズなどがいる世代。
この世代が古馬になっても勝率は4歳馬がダブルスコアでトップだった背景から、来年以降は現3歳世代が中心となって2022年が回っていきそうな雰囲気を感じています。

2022年も楽しみな年になりそうです。

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