スワンS回顧～仮想阪神カップ？～

３歳勢強く「黄金世代」と銘打った先週のコラム。確かに天皇賞はエフフォーリアが強かった。有馬記念でのクロノジェネシスとの対決が楽しみになりましたね。詳しくはNさんの回顧記事を読んでいただくとして、私は３歳馬が「コケタ」スワンSを回顧していこうと思います。

土曜日の阪神は芝１つ目の２Rから軽く「違和感」を覚えました。それは「時計が出ない」という事です。
先週（10月23・24日）まではマイル戦でも34秒台が出る状況でした。

それが２Rの勝ち時計は1.35.4と時計が遅め。
ロングラン開催で芝を柔らかく作っていた馬場が、開催３週目で馬場が硬まってきて、時計が速くなっていると思っていただけに２Rの勝ちタイムはちょっと意外。

その違和感が８Rで確実なものになります。８Rの1400ｍ2勝クラスで1.21.8と21秒台後半の勝ち時計になっていたんです。ちなみに１週前の日曜日同距離２歳未勝利戦は1.20.9と0.9秒速い勝ち時計。

その時点で「あー時計性能は問われなくなったな」と感じました。

恐らく勝ち時計は20秒台。スピードは絶対的に必要だけど「19秒台は走れません」みたいな馬でも絡むだろうなという雰囲気がしていましたね。

そんな状況下を味方につけたのが１・２着のダノンファンタジー、サウンドキアラだったという訳です。

今思えば先週は開催４週目。ダノンファンタジーが昨年阪神カップを勝ったのも開催４週目で馬場状態は似ていたのかもしれません。
スワンＳは仮の名前で実は阪神カップを行っていた可能性がありますね。今年ダノンファンタジーが崩れた同距離の阪急杯に比べると、時計も掛かってこの馬向きの馬場だったというオチだと思います。

２着サウンドキアラもそのクチでしょう。1400ｍで好走歴があるのは全て勝ちタイムが20秒台よりも掛かり、時計勝負になると分が悪い馬でした。それが19秒を求められない状況になったのですから展開合えば好走できる下地があったのでしょう。

上位２頭はデキはまずまずでも、状況と展開がばっちりハマっての好走で次走以降は流動的。時計と馬場次第になるのでは？というジャッジです。

さて、大風呂敷を広げた割には好走できなかった３歳勢。

３着ホウオウアマゾンは腹帯が肉に食い込み気味に見えるほどの太目。余裕残しに見えました。それでも逃げて３着残せるのだから立派なものです。それは前記の通り「時計性能」を問われなかったのも好走要因の一つでしょう。
１・２着馬とは仕上げの差でも下だったはずで完璧な仕上げであればダノンファンタジーやサウンドキアラとの逆転は可能。ただ、時計速くなると甘くなることは解消されていないので、時計面は依然として課題なのかなと思います。
予想の時点で印は回してはいけない馬だったのかもしれません。

◎のルークズネストは４着。Twitterにも書きましたが、仕上げはポートアイランドSの時よりも良く見えました。脚力も増してもいましたし。
ただ、３コーナーで挟まれ、一旦、減速せざる得ない状況はしょうがないとして、そこからのリカバリーは頂けませんでした。

同じ位置取りにいたのが２着のサウンドキアラ。

ただ、サウンドキアラは馬群を捌いて２着。ルークズネストは馬群捌くのに手間取って４着に。
この差は何かを問われると「馬体」が決定的に違う事なんだと思います。

２頭を見比べると、サウンドキアラとルークズネストの違いは「脚の長さ」
サウンドキアラは脚が短く、ルークズネストは脚が長い。

↑上ルークズネストの馬体（脚長）
下サウンドキアラの馬体（脚短）

要は、サウンドキアラは脚は速い（瞬間的な加速は速い）けどトップスピードは低く、逆にルークズネストは脚は遅い（瞬間的な加速が遅い）けどトップスピードが高い。所謂大トビというやつです。

なのでサウンドキアラは狭い馬群でも小脚を効かせて馬群を捌けることは可能ですが、ルークズネストは大トビで脚が遅くなるので器用に馬群を捌くのは苦手な馬。

残り200ｍ切ったところで２頭とも馬群が開きましたが、その時に求められた状況が「瞬間的な加速の速さ」だったので、脚速いサウンドキアラに分があって、脚遅いルークズネストは脚を余す格好になってしまいました。

その馬体の「差」が２・４着の明暗を分けたのでは？と考えます。

馬のキャラクターを活かし切れなかったルークズネストの鞍上にも多少なりの責任はあるのでは？と個人的には思ってしまいます。３～４コーナーで外を回していれば結果も変わっていたのかなと。（タラレバですが・・・）

今製作途中の馬型でもサウンドキアラは「割」にそしてルークズネストは「詰」にしました。今後はルークズネストは外枠か馬群を捌かなくてもいいようなコース。

具体的には中京とか阪神外回りとかのコースになれば巻き返しは可能でしょう。その時に今回の負けを倍にして返してやろうと思いました。