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デイリー杯2歳S回顧~教育(?)レース~

「完成度か伸びしろか」の副題の通り、1着が完成度が高いセリフォス、2着は前走新馬1着のソネットフレーズで近年傾向通り「順当」に収まったデイリー杯2歳S。

「過去20年遡っても前走1着馬が19勝、2着15回とほぼ前走1着馬同士で決まっている重賞」

の通りの結果だったと思います。

前後半のラップを見ると

前半3F35.9
後半3F33.8

で2.1秒の後傾ラップ。言わば「上がり勝負」でだったレースと言えます。

1~3着馬のみが上がり33秒台を使っていたのがそれを証明しているのかなと。

勝ったセリフォスはこれで無傷の3連勝となりました。馬体的には前走の新潟2歳Sとは変わらずスピード上位。良い意味での平行線という馬体でした。
予想時にも話しましたが完成度が高く、体幹[5]でスピードに乗れるのが現状の「ウリ」。
なのでTPは前走の新潟2歳同様「63」前後は出せるかなという読みでしたが、暫定値で「61」。

これも読みは当たっていたのかなと思います。逆に言えば成長力が無くてこれから成長力ある馬に追い越される可能性が現状の馬体、レース振りからあると考えています。

距離はマイルがギリギリ。次走朝日杯に出走すれば、この馬をボーダーにしてあと何頭交わすのか?を探すゲームになりそうです。


2着ソネットフレーズ。個人的にはかなり期待していた馬でした。
パドックでは体幹[3]→[4]に上がって、能力面での伸びしろは確実にあると判断しました。セリフォスを交わすだけの能力はあるだろうと。
今回のセリフォスとの差は直線でプルパレイの外に持ち出そうとしたけど諦め、内に進路を切り替えた分の差なのかなと思います。進路が内のままなら勝っていたかもしれません。
TPは底上げ成功し、「56」から「61」に。セリフォスと同じ指数になったのが体幹UPした証。

レース後のルメールさんのコメントが、
「3番手からのレースを勉強したし、直線も良く伸びた。~中略~ 重賞勝つ力はあるので次走頑張ります」

とのコメントで恐らく「教育レース」をやったのだろうと考えています。勝ったら儲けもの、負けても馬群で我慢させ、どれだけ伸びるのか?を試したのでは?というのが推察。

これは、ルメールさんが2~3歳時の馬に良くやる手法で、アーモンドアイとかグランアレグリアも同じような競馬をして教育していって、古馬になって、華を咲かせていったという背景もあります。
関東馬で関西圏の輸送が初だったことや、馬群での経験が今後に活きるレースになったので今後の伸びしろは更に大きいものになりました。
次走セリフォスを対戦する時が来るのなら逆転も十分あると思っています。


体幹[2]→[3]に上がったプルパレイはカワキタラブリーにも交わされて4着。


レース後半3Fはアスター賞が33.7秒に対しデイリー杯は33.8と0.1秒しか変わらなかったのに止まってしまいました。
馬場が9月中山とは違いますが、恐らく中山は前半楽に逃げて直線で加速しただけに対し、阪神は加速した後、坂上から1F頑張らないと粘れない競馬場なのでその差が出た格好。


事実、アスター賞のラスト1Fが11.1に対し、デイリー杯は11.9とデイリー杯の方が0.8秒遅くなってました。脚が続かなかったので適性もそうですが、単純な能力が劣っただけ。
少頭数のスローの競馬で勝っただけの馬というのが現状認識で良さそうです。


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