【No.1067】企業文化について考えてみる

最近、自分がしている言い訳について考えています。なんでその言い訳が"自然と"出てくるのか。

考えてみると、企業文化というものにも関係しているのではないかと思い始めました。

企業文化とは、多くの人の意思決定基準の総体のように感じます。

意思決定基準とは、何かを決めるときの基準のことです。何かが起きた時にどう反応するかという基準になります。メールが来た時に、すぐ返すのか後で返すのか、困ったことが起きた時に自分を奮起させるのか、落ち込ませるのかなど。そのような意思決定の基準は人それぞれにあります。それがその人の特徴に繋がっています。

企業においても、その企業にいる人たちの意思決定基準の総体が企業文化となるのではないでしょうか。

例えば、締め切りを守らない人ばかりが集まる企業や組織は、そのような態度が文化として根付いてしまいます。

会議はダラダラ、何を決めるでもないとか、たとえ締め切りを設定しても、形だけのもので、努力目標や努力義務のようなものになってしまうとか。

その組織に集まる人たちの意思決定が、結果として文化を形成していくのではないでしょうか。

仮に、トップや経営陣が締め切りを守らず、直前のラストスパートで徹夜するのを良しとする場合、社員が前倒しで仕事を進めるということは考えにくいですよね。

新しい社員が、締め切りを守ろうとしても、締め切りを守らない人達ばかりの環境であれば、「なんで僕だけ締切を守らなきゃいけないんだ」と感じ、結果として締め切りを守らない文化が強まるのではないでしょうか。

広い視点で考えると、日本の道路には40キロ制限などがありますが、多くの人がそれを守っていません。50キロや60キロで走るのが普通です。40キロで走っていると、むしろ怒られたり、クラクションを鳴らされたり、最近では煽られることすらあるでしょう。

このような状況が続くことで、規則は形骸化し、制限速度を守らない「文化」が形成されているのでしょう。

そう考えると、僕が現在抱えている「言い訳」は、ーー決して他人のせいにしたいわけではなく、流されてきた自分の責任なのですがーー 様々な企業文化に影響された結果とも言えるのではないかと思います。

労働時間が8時間とすると、1日の3分の1を会社で過ごしていることになります。睡眠時間も分かりやすく8時間にすれば、起きている時間の半分が会社です。

このことから、会社での意思決定基準が僕の他の行動にも大きく影響していると考えられます。一事が万事ですからね。

上の例でいえば、締め切りを守らないという文化は、無意識に習慣化し、意思決定基準として定着してしまっているのではないでしょうか。いわゆる「染まる」というやつですね。

それでは、どうすればよいのか。

最も効果的な方法は、環境を変えること、つまり転職や転社をすることです。

しかし、すぐには難しい場合もあるでしょう。そのため、自分だけはその意思決定基準に従わないという強い意志を持ち続けることが必要です。

他人を変えるのは難しく、自分自身を変えることは比較的簡単と言われます。その第一歩として、引き続き上記の例なら、締め切りを必ず守るという意識から始めることが重要だと思います。人はどうあれ自分は絶対死守。

そして、自分が締め切りを守れるようになったら、他の人にどうやって仕事をしているのかを教えたり、自分のチームを持ったときに部下を教育することで、新しい文化を築いていくことができると思います。

良い意思決定基準を持っているチームは、当然のことながら、成果が上がるはずです。締め切りを守らない会社の中で、締め切りを絶対に守るチームがあれば、そのチームの成果は高まるでしょう。

そうして、自分の役職が上がっていく中で、企業文化を基礎から変えていくことができるのではないでしょうか。先の長い話ですが。

まあ、これは僕が直接経験したわけではないので、あくまで妄想の範疇ですが、

一つ確かに言えることは、「これが我々の文化だから」という理由で何かを正当化してしまうと、自分もその流れに乗ってしまう可能性があると思います。

そのような流れには抵抗する必要があると、僕は感じています。

締め切りを守らないというのは一例で、そもそも期限を作らず「なるはや」「おてすき」が普通だったり、
目標を設定しない、数値目標を達成しない、達成しても喜ばない、だったり、
小さなことなら、感謝の言葉を言わない、挨拶をしないなどもそう。お客さんに対してどのような態度で接するかというのも、

これらの様々な態度や行動を「文化」として一括りにすると、非常に抽象的になりますが、

実際には個人の意思決定基準、つまり何かが起きたときにどう行動するかを決める基準に影響されているのではないでしょうか。

すると、自分がその企業の文化を形成する一員として、企業文化に影響されて行動しているのか見てみる必要がありそうです。

繰り返しになりますが、会社や組織のせいにしたいわけではなく、そういうものに影響されているかもと気づくことが重要だと思います。

そして、良い文化で、自分にも合っているなら従えばいいし、悪い文化なら、それを正当化の言い訳にせず、自分だけは抵抗する。

企業文化だからと正当化してきた結果が、社外においても、自然と下される意思決定の基準となり、良くない場合では言い訳となるのではないでしょうか。

■■今日の教訓(ポイント)■■

企業文化とは、その組織の意思決定基準の総体である。

良くない企業文化を正当化の理由として繰り返すことで、「染まる」ことになり、社外でも自然と同じように振舞ってしまう。

そういったことを知覚し、悪い文化には自分だけでも抵抗する意思が必要だ。

■■以上■■

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