【No.1328】ないまま与える
ふと気づいたのですが、すごすぎると逆に売れないことがあります。
僕が勤める学習塾で、数学と英語の需要が高まっています。高校受験・大学受験では、この2教科が鍵であると通説になりつつあるので、この需要も当然の流れかもしれません。
通説になりつつあるからこそ、僕もそう営業します。
しかし、英語の社会人の先生で、すんごいスペックの先生がいるのですが、思うように売れないんですね。
うちの塾はマンツーマン指導で、生徒さんから希望科目を聞き、指導可能な先生を複数人案内します。
その英語の先生のことは「うちの塾以外でも、大学で教えています。しかも、オールイングリッシュ(授業を全部英語で行うこと)も可能」と紹介していますが、この紹介で決まることは少ないです。
多くの保護者さんは「オールイングリッシュ…(苦笑)そんなすごい先生、うちの子にはもったいないです」といいます。
同僚もこの先生を同様にアピールしますが、やはり効果は薄いです。
最近やっと気づいたのは、もっと親しみやすい紹介の方が良いということです。「おだやかな先生で…」「優しいけど、ぎゅっと締めるときは締めるので…」といった表現が、意外とすんなりと受け入れられます。
思うのは、ある分野で有名であることや、飛び抜けた実績を持つことが必ずしも求められるわけではないということです。
むしろ、「私も完璧ではないですが、一緒に頑張りましょう!」というスタンスが、実際にそう言うかは別としても、案外売れやすいのかもしれません。
つまり、圧倒的な実績がなくても、それはそれで需要があります。
大切なのはお客さんの求めるものに合っているかどうかです。うちの塾に来るお客さんは、苦手な英語を少しずつ改善できればいいと考えています。ハイスペックな先生を求めているわけではありません。
とすると、
我々にできる最も大事なことは、自信がなくて、自分には価値がないと思っている状態で、
「それを思いながらも与えること」なのでしょう。
人は与えることで自分に価値があることに気づくのです。やっぱり怖いですが、自信がないときにも与えることができると、自分に「ある」と気づけるのです。
「ない(と思っている)まま与えること」が大切なのです。(もちろん無いながらも相手のためになろうという意識を持っていればですけどね)
ということで、今日も1日「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」「あらかじめ○○していたら、あとで楽になる」という言葉を胸に、結果の有無に関わらず、頑張っていきましょう!
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