【No.1189】古文の解説とかけて、セールスと解く。

勤めている学習塾で、古文の授業の需要があり、この年末年始は古文の問題を解きまくっています。学生時代の僕自身も、現役の受験生も、びっくりするほどの量を解いています。

残念ながら、源氏物語などの古文を原文で読めるようになることは無理そうですが、古文の問題を解く精度は上がってきています。

こう聞かれたら、こう答えればいいというのが見えてきたんですね。

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皆様、受験勉強において、ご経験があるかもしれませんが、

国語の問題集の模範解答に対する解説には、無理やりこじつけた感がありますよね。

各大学が作る入試問題への解説は、大学が公式に発表するというよりも、一般的には各予備校が作成しています。問題を作る人と、解説を作る人は別々なんですね。

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問題を作る人は、古文の原文など元となる文章を見て、受験生にも理解してほしい内容を問題にします。古文の場合は、だれか別の研究者が作った現代語訳も見たうえで、問題を作っているかもしれませんね。

問題の作り方としては、例えば選択肢の場合、正しい答えを作った後、紛らわしい表現を駆使して、間違った選択肢を作るのが一般的だそうです。

一方で、解説を作る人は、模範解答を知った上で、その模範解答に至る道筋を、解説として作成します。

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どちらも、問題を解く受験生とは逆のアプローチです。つまり、前提がずれてちゃうんですね。

問題においては、もとの文章の文脈を無視して、問題部分だけを切り抜いていますから、全文を読んだことのない人には理解しづらいのも納得できます。

また、解説に書かれているような前提で論理を構築すれば、その模範解答にたどり着くかもしれませんが、そもそもの前提が、学生には厳しい場合があります。

「ここにこう書かれているので」と解説されていても、
そもそもどう読み取ったら、「こう書かれている」と読み取れるんだ?!となってしまうんですね。

それでも、解説を読むと、まあ、そうなんだろうなと納得できちゃうのも不思議です。

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問題およびその解説に見られる「こじつけ」のような論理展開は、確かに受験生にとっては理解しにくいものかもしれません。

受験生にとっては無理ゲーにも思えるような、このこじつけ思考プロセスも、一方では、セールスやマーケティングの分野で非常に価値のあるスキルですね。

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セールスやマーケティングでは、顧客のニーズや期待を理解し、それに応えるためのストーリーを構築することが重要です。

このプロセスにおいて、国語の解説のような「こじつけ」は、実は「創造的な解釈」として機能します。

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特に、顧客が抱える問題に対して、直接的な利益に結びつかない場合、製品やサービスの特徴を異なる角度から解釈し、顧客の潜在的なニーズや欲求に結びつけることができれば、製品の魅力を高めることができます。

古文の問題解説に見られる「こじつけ」は、セールスやマーケティングの分野での「創造的な解釈」として、非常に有用なスキルとなるのです。この能力を身につけることで、顧客のニーズに対して柔軟かつ効果的に応えることができるようになります。

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こじつけの力は、本当に身につけたいところですね。

解説においても、さまざまなレベルのこじつけ力があります。

こじつけと見えない納得感のあるもの
明らかにこじつけのものでも、納得させられてしまうもの。
納得させられるけど、こじつけだろうと反論したくなるもの。
それはこじつけられてすらいないという不可解なもの。

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この場合、上にいくほど、セールス力も高まるわけです。

以上、古文の解説に、こじつけだ!と反論したくてたまらない年末年始に思ったことを、つれづれなるままに。

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