【No.1230】「雪ざらし」という工程ご存知ですか?

2児のパパです。嘘じゃありません。

下の子が生後100日を過ぎ、妻・僕の親も呼んで、お食い初めをしました。
妻のお父さんからのお土産で「かんずり」というものをいただきました。

新潟県の伝統の発酵調味料で、唐辛子で作られたゆず胡椒みたいな味で、唐辛子の辛味と柚子のサッパリ感が、この季節の鍋などにぴったり。めちゃウマです。

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この「かんずり」は「寒造里」とも書くそうで、大切な製造工程の1つに「雪ざらし」というものがあるそうです。

よく晴れた日に真っ白な雪の上に、唐辛子をまき、数日寝かせます。雪が紫外線を反射する作用を利用することで、唐辛子の強いアクを雪が吸い取り、塩抜き効果と共に辛味に旨味がプラスされるなど、欠かせない工程だそうです。

僕は初めて聞きましたが、この「雪ざらし」は、布や和紙の製造にも同様の工程があるそうです。よく分かりませんが、雪が溶けて水蒸気になるときに、なにか化学反応が起きて漂白されるのだとか。

あざやかな赤色の唐辛子や、織りあげられた布が、真っ白な雪原に広がる光景は雪国の風物詩だとも言われるそうです。

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思うのですが、「雪ざらし」という工程、どうやって発見したんでしょうね。

雪の上で何日か放置したら、唐辛子うまくなるんじゃね?とか、布がきれいになるはず!とか、普通の試行錯誤では考えつかないだろうと思うのですね。

現代のように科学的な数字データがあれば、思いつくこともあるのかもしれませんが、「かんずり」が戦国・江戸時代から作られていたらしいことを思うと、データから論理的に思いついた工程とは言えないように思えます。

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例えばですが、だれかが大量の唐辛子を、雪の日に外に放置しちゃって、
おい!せっかくの唐辛子をムダにしやがって!とか叱られた人がいたんじゃないでしょうか。布も一緒で、だれかが落としちゃって、叱られた人がいてもよさそうです。

でも、唐辛子や布を回収してみたら、あれ?意外に色味がきれいだぞ?と、使ってみたら、めちゃうまくなったとか、きれいな布になったとか。

この場合は、失敗からの偶然の発見から思いついた感じですね。

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もしくは、雪国で食べ物を冷蔵庫代わりに雪のなかで保管して、めちゃウマな調味料がつくられていた。それを食べた旅人が作り方を聞いて作ってみても、同じような味にならない。雪の中で寝かせることがうまみのカギだと気づいたとか。

この場合は、自分にとっては当たり前だったことが、他人から見たら、成果のためのカギになっていた感じです。

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想像してみると面白いです。昔の人の知恵って、すごいですよね。くさやもそうですし、ナマコやウニなど食べてみようと思った人も、あんなグロテスクなもの、何でその発想になったのか不思議です。フグ調理にしても、ひどい腹痛や中には死人も出していたはずなのに、なんでそんなに追究できたのか。

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このような伝統的な製法や食文化の背後にある試行錯誤や発見の物語は、現代においても僕たちに大切な教訓を与えてくれます。それは、失敗や偶然が新たな発見や創造への扉を開くことがあるということです。

失敗は成功のもととよく言います。失敗が思わぬ成功につながることもありますし、失敗は、これではうまくいかないというデータがとれただけと考えたいですね。

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また、当たり前と思っている日常の中にも、改善や新たな価値を生み出すヒントが隠されていることを教えてくれます。これは自分では気づきづらいので、たくさんの人と交流するなかから気づいていく他なさそうです。

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こちゃこちゃ書いてきましたが、「かんずり」という調味料、うまいのでオススメです!(笑)

ということで(?)今日も1日「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」「あらかじめ○○していたら、あとで楽になる」という言葉を胸に、結果の有無に関わらず、頑張っていきましょう!



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