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創作物

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小説など。
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記事一覧

【小説】模様

 2017年に書いた、特殊なスタイルの短編小説。  「模様」という概念を主人公とした小説…

Y.N.
3か月前
13

【小説】スイスイ殺虫剤

 2022年に書いた掌編小説。  蛆虫たちは、皮膚にまとわりつくことで、私の知覚を鈍らせ…

Y.N.
3か月前
10

【小説】喪

 2020年に書いた掌編小説。  刻まれる時に合わせて歌えよ踊れよ、俺達は皿に盛られてい…

Y.N.
3か月前
2

【小説】選挙

 2017年に書いた短編「小説」。  いわゆる普通の意味での「小説」とはスタイルの異なる…

Y.N.
3か月前
3

【小説】老犬

 2021年に書いた短編小説。  あらすじ:  車道に飛び出してきた猫を避けようとして、…

Y.N.
3か月前
6

【小説】道幅

 2020年に書いた短編小説。  蓋を閉める時にこぼれ落ちた掃除用の薬品は、地面に叩きつ…

Y.N.
3か月前
4

【小説】心の裏側を見透かされた話

 2022年に書いた掌編小説。  妙な音を発しながら、道に転がる石が、分もわきまえず、俺に睨みをきかせてきた。俺は腹が立った。たかが道端で幼児に蹴られるくらいしか役に立ちそうもない鉱石のかけらごときが、この俺に、チンピラか何かを眺めるような侮蔑的な目つきをぶつけてこようとは……「夢にも思わないこと」は数あれど、こいつは少し度が過ぎている。数ある「夢にも思わないこと」の中で、起こったのがたまたまそうしたことだったことに、何か深い意味があるのではないか、と、不吉な考えが頭をよぎ

【詩】詩篇2023

 2023年に書いた詩群。  音楽ジャンルで言えばグラインドコアか? 「入会」 「公園」 …

Y.N.
5か月前
13

【詩】詩篇2022

 2022年に書いた詩群。  「子らしき音」  「出発」  「月」  「口裏」  「残響炎」…

Y.N.
7か月前
6

【詩】鉢

  鉢 金魚を監禁していることが 人生の楽しみのすべてのような 顔を晒して路上を歩く 通り…

Y.N.
1年前
3

【詩】塩夏

  塩を揉み込んだ夏の日差しが   勃起しながら遍在するのを   黙って見過ごそう 干から…

Y.N.
1年前
1

【詩】廃屋

  廃屋 盛大に発表されていく廃屋の数を水増しするための年月が まるで歴史的な日々のよう…

Y.N.
1年前

【詩】日向

  日向 灰色のカーテンの向こう側には窓などないと誰もが薄々気づいている密室で 通気口が …

Y.N.
1年前

【詩】気候

  気候 よしんば人々を粉々にしていたからといって 俺が善良であることに変わりはない わ行をうつむきながら復唱している釣り人から せしめとった金で買ったゴム底の郵便船を 画鋲で穴だらけにしてから水に浮かべて客を呼んだからといって 少しも傷つかないことの最たるものこそが この俺の善良さ 砂を弾いていく蜘蛛の踏みにじってきたむき出しのアスファルトを 思いながら踏みにじっていく俺の靴底の蜘蛛たちが 殺されながら感謝しているほどの良さ 「久々に、思い出してしまいましたよ  良い人々