私が“マイナースポーツ”を続けるワケ。
「部活は何してるんですか?」
多くの方が学生時代に何度も聞かれた質問だろう。私はソフトテニス(軟式テニス)部に所属していた。
ソフトテニス経験者なら皆が共感することがある。それはこの質問が飛んできたときの対応だ。
「テニス部です…」
そう。ソフトテニス部だとは胸を張って言えないのだ。なぜならソフトテニスと言っても大抵は相手の反応を困らせるばかりだからだ。社交辞令を言われて話が広がらないくらいならば、私はテニス部とウソをついてでも話を広げていた。錦織圭やフェデラーの話とか。
そんなソフトテニスを続けてもうすぐ10年になる。あるときふと思った。
『なぜソフトテニスを続けているのか』
理由を見つけることは簡単ではなかった。ソフトテニスはハッキリ言ってモテないし、金にもならない。
「スポーツは人生を豊かにする。」
とはよく言ったものだが、どうして人生が豊かになるのか。そこに私がマイナースポーツを続ける理由があると考えた。
話は少し遡るが、ソフトテニスをしていて馬鹿にされたことは何度もある。
昔、お金もなくテニスコートを取る手段もなかった頃、地域にあった交代制で利用できる無料のテニスコートがあった。そこで仲間達とソフトテニスをしていると、硬式テニスをしに来た人達にこんなことをよく言われた。
「ソフトテニスなんて雑魚がやるスポーツ」
「あんなのしていて楽しいのか?(笑)」
こういったことを言われる度に仲間達と歯を食いしばったのを覚えている。悔しかった。
でもそれが私達のやる気に火をつけたのは間違いなく、私達は大会で目立った結果を出すことができた。
話を戻して、私がマイナースポーツを続ける理由だが、それはやはり『仲間』や『思い出』が詰まったものだからということになりそうだ。
仲間や絆、思い出。それが続ける理由なんて誰しもが想像でき、典型的な回答かもしれない。でも私にとってはそれが今ではかけがえのないものなのだ。
仲間や思い出、それにすがりたいだけなのかもしれない。今ではソフトテニスを続けているのは私だけ。それでも仲間達とは今でも遊び続けている。
ソフトテニスは仲間がいないときに仲間と繋いでくれるものなのかもしれない。今度、久しぶりに仲間と大会に出ようという話になった。
「部活は何してるんですか?」
いつかは思い出せないが、ソフトテニスというマイナースポーツがその競技の大小とは関係なしに、私にとってかけがえのないものになったときから私はこう答えている。
「ソフトテニスです!」
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